2週連続優勝の早田ひな、次戦はWTTチャンピオンズ・フランクフルト2023 大会の注目ポイント・日程

卓球界の世界トップ選手が集結して行われる今年3度目のWTTチャンピオンズが10月29日〜11月5日の日程でドイツ・フランクフルトで開催される。見どころを探った。

1 執筆者 Chiaki Nishimura
table tennis hayata ito hiranno
(Getty Images)

グランドスマッシュ、WTTカップ・ファイナルズに次ぐ格付けのWTTチャンピオンズが10月29日にドイツ・フランクフルトで幕を開ける。

8日間の日程で行われるこの大会は、男女シングルスの世界ランキング上位30人と開催国1枠、推薦1枠を手にした男女それぞれ32人で行われ、優勝者には世界ランキングポイント1000が与えられる。

日本からは女子シングルスのパリ2024日本代表選考レースにおいて首位を独走する早田ひなのほか、2位争いを繰り広げる平野美宇(みう)、伊藤美誠(みま)、15歳の張本美和がエントリー。男子シングルスには張本智和、篠塚大登(ひろと)が名を連ねている。

どんな戦いが繰り広げられるのか。有力選手と注目ポイントを探った。

WTTチャンピオンズ・フランクフルト2023の注目ポイント

4月の中華人民共和国・新郷大会、同じく4月のマカオ大会に続く今年3回目となるチャンピオンズ・フランクフルト大会の女子シングルスでは、10月24日付の世界ランキングで1位に君臨するスン・インシャ(孫穎莎)をはじめ、2位のチェン・ムン(陳夢)、3位のワン・マンユ(王曼昱)、4位のワン・イーディ(王艺迪)の中国トップ選手が勢ぞろいし、優勝争いを繰り広げることが予想される。

新郷大会ではスン・インシャが優勝し、マカオ大会ではスンが準決勝でチェン・ムンに敗れ、決勝ではそのチェンをワン・マンユが下して優勝を飾った。

2大会ともに準決勝進出の4選手を中国勢が占めており、日本勢は今大会でその壁を崩せるかが注目される。

中でも早田は、今年のチャンピオンズ2大会ともに準々決勝でチェン・ムンに敗れており、準決勝に一歩及ばず敗退した。しかし早田は、10月14日に終了したWTTコンテンダー・マスカット大会で優勝、翌週の22日に終了したWTTコンテンダー・アンタルヤ大会で優勝。ともに中国勢が参加していなかったとはいえ、2週連続で優勝を飾り、10月24日付けの世界ランキングで自身最高位タイの5位に浮上した。その勢いでフランクフルト大会に挑む。

一方、平野、伊藤、張本美和の12月名古屋開催のファイナル出場をかけた戦いにも注目したい。

卓球女子のトップ選手たちは、シーズンの締めくくりのWTT女子ファイナルズが12月15日〜17日に控えている。名古屋開催となるこの大会は、トップ16選手のみが出場でき、女子シングルスではランキングポイントをもとに早田を含む9選手がすでに出場枠を確保している。残りの枠をかけて、今回のチャンピオンズ・フランクフルト2023、および11月7日〜12日に中国・太原で予定されているWTTコンテンダーで選手たちはポイントを重ねる。

日本でWTTシリーズの大会が開催されるのはこれが初めてとなるだけに、日本勢にとってはできるだけ多くの出場枠を掴みたいところ。「Road to WTTファイナルズ」ランキングで伊藤は現在10位、張本は12位、平野は16位に立ち、名古屋開催のファイナルズ進出を目指す。

一方、男子は世界ランキング1位のファン・ジェンドン(樊振東)、2位のワン・チューチン(王楚欽)、3位のマ・ロン(馬龍)、5位の張本智和のほか、同8位で地元期待のドミトリ・オフチャロフ(ドイツ)、14位のダン・チウ(ドイツ)、さらには歴代3位の若さ(17歳)でランキングトップ10入りしたフェリックス・ルブラン(フランス)らによる激しい表彰台争いが予想される。

4月のチャンピオンズ新郷大会を制したのはファン・ジェンドンだが、マカオ大会で彼はフランスのアレクシス・ルブラン(フェリックスの兄)に敗れ準々決勝敗退。同大会では決勝でマ・ロンを下したワン・チューチンが表彰台の頂点に立った。

日本の張本智和は新郷大会で2回戦敗退となったものの、マカオ大会では4強入りを果たし、準決勝でワン・チューチンに敗れて銅メダルを獲得した。今大会には第4シードで挑むが、男子シングルスには東京2020で男子団体で銀メダルを獲得したドイツチームのメンバーも出場を予定しており、地元の声援を後押しに力を発揮することが予想される。気の抜けない戦いとなるだろう。

日本からはもうひとり、19歳の篠塚大登が出場する。

WTTチャンピオンズ・フランクフルト2023 シード選手

女子シングルス シード選手

  • 第1シード:スン・インシャ(中国)
  • 第2シード:チェン・ムン(中国)
  • 第3シード:ワン・マンユ(中国)
  • 第4シード:ワン・イーディ(中国)
  • 第5シード:伊藤美誠(日本)
  • 第6シード:シン・ユビン(大韓民国)
  • 第7シード:早田ひな(日本)
  • 第8シード:イン・ハン(ドイツ)

男子シングルス シード選手

  • 第1シード:ファン・ジェンドン(中国)
  • 第2シード:ワン・チューチン(中国)
  • 第3シード:マ・ロン(中国)
  • 第4シード:張本智和(日本)
  • 第5シード:リャン・ジンクン(梁靖崑/中国)
  • 第6シード:リン・ユンル(林昀儒/Chiense Taipei)
  • 第7シード:ドミトリ・オフチャロフ(ドイツ)
  • 第8シード:ダルコ・ヨルギッチ(スロベニア)

WTTチャンピオンズ・フランクフルト2023 日程

  • 10月29日(日)女子シングルス1回戦、男子シングルス1回戦
  • 10月30日(月)女子シングルス1回戦、男子シングルス1回戦
  • 10月31日(火)女子シングルス1回戦、男子シングルス1回戦
  • 11月1日(水)女子シングルス2回戦、男子シングルス2回戦
  • 11月2日(木)女子シングルス2回戦、男子シングルス2回戦
  • 11月3日(金)女子シングルス準々決勝、男子シングルス準々決勝
  • 11月4日(土)女子シングルス準決勝、男子シングルス準決勝
  • 11月5日(日)女子シングルス決勝、男子シングルス決勝
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