カザフスタンの首都アスタナで行われているレスリング2023年アジア選手権の4日目、女子53kg級が実施され、準々決勝・準決勝と勝ち抜いた日本代表の藤波朱理(あかり)が、決勝でインドのアンティムを相手におよそ3分でテクニカルフォール勝ちをおさめ、優勝した。
19歳5ヶ月の藤波は連勝記録を119に伸ばし、オリンピック3連覇の吉田沙保里さんが保持している連勝記録「119」に並んだ。
中学2年生だった2017年9月の全日本女子オープン選手権の中学48kg級の初戦で勝利をおさめて以来、藤波は全日本選手権や全日本選抜など国内戦のほか、昨年のアジア選手権を制し、2021年には世界選手権で世界女王の称号を手にした。
2連覇がかかった昨年9月の世界選手権は怪我のため欠場したが、12月の全日本選手権では3連覇を達成。2023年に入るとランキング・シリーズ大会のザグレブ・オープンなどで優勝し、今回のアジア選手権では2連覇となった。
東京2020オリンピックでは志土地真優(しどち・まゆ/旧姓:むかいだ)が女子53kg級の日本代表として出場し、金メダルを獲得。2022年12月の全日本選手権ではともに同じ階級にエントリーし、直接対決することはなかったが、藤波が3連覇を達成し、志土地は3位となった。
「霊長類最強女子」の異名を持つ吉田さんの記録を振り返ってみると、19歳だった2001年の全日本選手権56kg級の3位決定戦で伊調馨(かおり)と対戦して勝利したのを皮切りに、国内戦のほか、アテネ2004オリンピックや世界選手権などで勝利を重ねた。連勝記録は2008年1月(当時25歳)の女子ワールドカップ団体戦55kg級でアメリカ合衆国のマルシー・バンデュセンさんに敗れるまで続き、119連勝は歴代1位となる。団体戦を除く個人戦のみでの連勝記録は206連勝を誇る。