イタリア・ローマ郊外のオスティアで開催中のスケートボード・パーク世界選手権は、9月21日現地時間午後に女子準決勝が行われ、パリ2024オリンピック出場の草木ひなのが日本勢トップの2位で決勝に駒を進めた。
同じく日本代表の菅原芽依(めい)は3位、長谷川瑞穂が4位、貝原あさひが6位で、出場している日本女子4選手全員が決勝進出。日本のトップスケーターで、パリ2024銀メダリストの開心那(ひらき・ここな)、東京2020金メダリストの四十住(よそずみ)さくらが不在の中、決勝8人のうち半数を日本人スケーターが占め、日本女子パークの層の厚さを見せつける形となった。
1位通過はナイア・ラソ(スペイン)、5位はライカ・ベンチュラ(ブラジル)、7位はナナ・タブレ(フランス)、8位はリリー・ストラカン(英国)。
草木ひなの「負けられないという思いと、でも負けないぞという思い」
現地時間午後3時半過ぎに始まった女子準決勝は、前日の準々決勝を通過した16人が2ヒートに分かれ、45秒間でパーク内を自由に滑走する「ラン」3本を行った。
準々決勝を2位で通過し、好調ぶりを覗かせていた草木は、第2ヒート7番滑走で登場。1本目で86.82点の高得点をマークして首位に立ち、その後、同組で滑走したスペインのナイア・ラソが2本目で88.21点を得て草木を上回ったものの、草木は2位で危なげなく決勝進出を決めた。
一方、13歳の長谷川は、3本目の時点で決勝進出圏外の9位に沈んでいたが、3本目で力強い滑りを見せ83.10点。4位に浮上して決勝行きが決まった。
準決勝後、草木はOlympics.comのインタビューに応え、「1本目、ロックンロールスライドという技がぎりぎりになってしまったんですけど、そこでちゃんとフルメイク(最後まで滑りきることが)できたのはよかったです」と笑顔を見せた。
決勝では8人中4人を日本代表選手が占めることになる。パリ2024オリンピックまでの予選大会では、開心那、四十住さくら、そして草木の3人が決勝の常連として定着してきた。今大会では開、四十住が出場していないものの、国際競技連盟のワールドスケートが主催する大会ですでに表彰台経験者の13歳の長谷川をはじめ、初めて決勝に進む菅原、貝原が名前を連ねている。
新たな決勝の顔ぶれに草木は、「負けられない思いの方が強い」とコメント。「今まで、さくらちゃんと心那ちゃんと合わせて3人、プラス瑞穂が入ってくる感じだったんですけど、芽依とあさひさんが出てきて、ちょっとプレッシャーもあります。負けられないという思いと、でも負けないぞという思い」と、新たなメンバーの存在に刺激を受けていることを語った。
世界王者が誕生する女子決勝は22日現地時間18:15(日本時間翌1:15)に予定されている。草木は、「楽しんで滑っている自分を見せたいのと、みんなから『ひなのやっぱりかっこよかったね』って思われる滑りがしたいです」と意気込みを語った。
決勝の模様はワールドスケートのウェブサイトでライブ配信が予定されている。
天野太陽「自信につながった」
女子に続いて行われた男子準決勝では、日本から唯一、天野太陽が準決勝に進み、2本目で76.17点を残したものの全体15位で準決勝敗退となった。
世界選手権初出場、16歳の天野は大会を振り返り、「予選で失敗してしまって(準々決勝に)上がれるかわからなかったんですけど、チャンスができて、準々にギリギリいけて、準々で3本目のランでいい滑りができて、準決勝に入ることができたので、そこは自信につながった」とコメント。「最近、本番が全然できてなくて、1回もやったことないラインが大会でできたというのも自信につながった」と手応えを得て世界選手権での戦いを終えた。
決勝進出は、首位通過のカラニ・コーニック(ブラジル)をはじめ、ルイジ・チニ(ブラジル)、アレッサンドロ・マッツェッラ(イタリア)、エゴイツ・ビフエスカ(スペイン)、ハンパス・ビンベリ(スウェーデン)、オウグスト・アキオ(ブラジル)、ビクトル・ソルムンド(デンマーク)、ペドロ・バロス(ブラジル)の8人。
女子パーク準決勝の結果
以下、決勝に進んだ8人のスケーター
- ナイア・ラソ(スペイン)88.21
- 草木ひなの(日本)86.82
- 菅原芽依(日本)83.26
- 長谷川瑞穂(日本)83.10
- ライカ・ベンチュラ(ブラジル)82.92
- 貝原あさひ(日本)82.5
- ナナ・タブレ(フランス)80.67
- リリー・ストラカン(英国)80.31
男子パーク準決勝の結果
以下、決勝に進んだ8人のスケーター
- カラニ・コーニック(ブラジル)91.12
- ルイジ・チニ(ブラジル)90.05
- アレッサンドロ・マッツェッラ(イタリア)89.35
- エゴイツ・ビフエスカ(スペイン)89.17
- ハンパス・ビンベリ(スウェーデン)88.17
- オウグスト・アキオ(ブラジル)87.50
- ビクトル・ソルムンド(デンマーク)87.16
- ペドロ・バロス(ブラジル)85.81
日本代表の天野太陽は15位(76.17)で準決勝敗退となった。
スケートボード・パーク世界選手権2024の日程・ライブ配信情報
9月15日からの3日間で公式練習が行われ、18日から予選が始まる。21日の準決勝、22日の決勝の模様はワールドスケートのウェブサイトでライブ配信が予定されている。
9月18日
- 9:00〜13:30(日本時間16:00〜20:30)女子予選
- 13:40〜14:25(日本時間20:40〜21:25)女子・男子シード選手公式練習
9月19日
- 9:00〜12:35(日本時間16:00〜19:35)男子予選ヒート1〜4
- 12:40〜13:25(日本時間19:40〜20:25)女子・男子シード選手公式練習
- 13:30〜17:05(日本時間20:30〜翌0:05)男子予選ヒート5〜8
9月20日
- 9:00〜14:55(日本時間16:00〜21:55)女子準々決勝
- 15:00〜20:55(日本時間22:00〜翌3:55)男子準々決勝
9月21日
- 15:35〜17:25(日本時間22:35〜翌0:25)女子準決勝
- 18:35〜20:25(日本時間翌1:35〜翌3:25)男子準決勝
9月22日
- 18:15〜19:00(日本時間翌1:15〜2:00)女子決勝
- 19:20〜20:05(日本時間翌2:20〜3:05)男子決勝
- 20:20~20:40(日本時間翌3:20~3:40)表彰式