「第11回ワールドゲームズ」がアメリカ合衆国アラバマ州バーミングハム市にて開催されており、現地時間7月10日に、ダンススポーツのひとつ「ブレイキン」が実施された。女子では、日本代表のBガール "Ami"こと、湯浅亜実が頂点に輝き、また"Ayumi" こと、福島あゆみが3位に入って表彰台に並んだ。また、男子Bボーイでは、"Shigekix"こと、半井重幸が銅メダルを獲得した。
女子/Bガール
9の国と地域より、17名のBガールがエントリー。選手は4つのグループに分けられ、各グループ内でシングルラウンドロビン方式(総当たり戦)で予選バトルを争う。各グループで上位2位までに入った合計8名の選手が、決勝トーナメントとなる準々決勝に進出する。
湯浅はグループA、福島はグループCに属し、それぞれ同グループ内の3名と対戦。2人はともにグループ内で1位となり、準々決勝に進出した。準決勝では、この日本人同士の組み合わせバトルとなり、4−0で湯浅に軍配が上がる。こうして、湯浅は決勝フロアへと駒を進め、福島は3位決定戦に回る。
湯浅の決勝の相手は、予選グループDで1位だった「ブレイキン」発祥のアメリカ代表Bガールの ”Sunny”。湯浅は、圧巻のダンスパフォーマンスで、4−0のスコアで金メダルに輝いた。3位決定戦の福島の相手は、同じグループCで2位だった中華人民共和国の"Qingyi"。予選バトル(2−0で勝利)と同様に、相手にスコアを与えないダンスで、スコア4−0で破り、銅メダルを獲得した。
男子/Bボーイ
13の国と地域より、女子と同数となる17名のBボーイが出場。競技フォーマットも、Bガールと同じ形式で行われた。
半井は、グループDに振り分けられ、予選バトルを首位通過して決勝トーナメントに進出。準々決勝では相手にスコアを与えず(4−0)、順調に準決勝へ進出するも、アメリカ代表のBボーイで、今大会金メダルを獲得した "Victor"に1−3で敗れてしまう。気持ちを切り替えて臨んだ3位決定戦では、スペイン代表の ”Xak” の前でダイナミックなパフォーマンスを披露し、4−0で勝利を収め、銅メダルをその手中に収めた。なお、銀メダルはアメリカの"Jeffro" だった。
また、もう一人の日本代表Bボーイの "Toa" こと、俣野斗亜は、半井と同じグループDに属していたが、予選バトル敗退となった。
■ワールドゲームズについて
ワールドゲームズは、オリンピックに採用されていない競技種目で世界最高水準のアスリートが競い合う国際的な競技大会のこと。国際ワールドゲームズ協会(IWGA)の主催、国際オリンピック委員会(IOC)の後援により、4年に一度、夏季オリンピック・パラリンピック競技大会の翌年に開催される。今大会はもともと、2021年7月15日から25日にかけての開催を予定していた。Tokyo2020の延期により、今大会も1年延期して行われることになった。
ワールドゲームズの採用された競技が、後にオリンピックで採用されるケースも少なくない。これまでに、ワールドゲームズ競技種目の中からバドミントンや野球・ソフトボール、トライアスロンといった8競技がオリンピックに採用された。Tokyo2020で行われた野球・ソフトボール、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンもすべてIWGA加盟競技。今後もこういった事例が増えていくと考えられる。
なお、ブレイキンは、パリ2024において、オリンピックで初採用されることが決まっている。