トップスプリンターが集結! 世界リレー2024バハマの注目選手
3月に英グラスゴーで開催された世界室内陸上競技選手権からおよそ1ヶ月、世界陸上リレー2024バハマは、パリ2024オリンピックを目指すスプリンターたちの舞台となる。
陸上競技の世界選手権およびオリンピックの現王者であるノア・ライルズ(アメリカ合衆国)のほか、フェムケ・ボル(オランダ)、スティーヴン・ガーディナー(バハマ)、マルセル・ジェイコブス(イタリア)、ショーナ・ミラーウイボ(バハマ)などの1,600人以上のアスリートがバハマに集結。他にも、ヨーロッパ選手権の金メダリストであるツァーネル・ヒューズ(英国)とマシュー・ハドソンスミス(英国)、そしてアフリカで最もスピードのあるランナーであるファーディナンド・オムルワ(ケニア)、レツィレ・テボゴ(ボツワナ)、アカニ・シンビネ(南アフリカ共和国)も名を連ね、選手たちはパリに向けて弾みをつけるべく戦いに挑む。
この大会の注目ポイントは、こうした選手らの走りを見ることだけでない。パリ2024の出場枠をかけた戦いにもあり、世界リレーの上位14チームが出場枠を確保する。
5月4日~5日にバハマの首都ナッソーで開催される世界陸上リレー2024バハマの注目選手・チームを紹介しよう。
4x100mリレーはノア・ライルズ、マルセル・ジェイコブスに注目
2023年世界陸上選手権の男子4x100mで米国を優勝に導き、同大会で金メダルを3つ手にしたノア・ライルズが、世界リレーでの悲願の金メダルを目指す。
26歳のライルズは世界リレーにデビューした2017年に4x200mで銀メダルを獲得し、2019年大会では4×100mで銀メダル獲得に貢献した。パリオリンピックで3冠を目指す彼のバハマでの目標は、チームUSAを4x100mで優勝に導くことだ。
チームUSAにはライルズのほか、東京2020オリンピックの200mで表彰台に立ったケニー・ベドナレクと、今年200mで世界最速のコートニー・リンジーが加わる。
また、オリンピックとヨーロッパ選手権を制したイタリアのマルセル・ジェイコブスが、バハマでどのような走りを見せるのかも楽しみだ。彼は、ブダペストで行われた世界選手権4x100mでライルズ率いるチームUSAに破れ銀メダルを獲得して以来、レースに出ていない。イタリアチームのメンバーは、ロベルト・リガリ、オリンピック金メダリストのロレンツォ・パッタ、フィリッポ・トルトゥで構成された前回の世界選手権のメンバーから変更はないはずだ。
世界室内選手権60mで3位となったアッキーム・ブレイクがジャマイカ代表チームに選ばれているが、同チームには世界選手権とオリンピックの金メダリスト、シェリーアン・フレーザープライス、シェリカ・ジャクソン、エレイン・トンプソンヘラ、そして400m世界王者のアントニオ・ワトソンは出場しない。
会場となるトーマス・A・ロビンソン国立競技場では、ケニアと南アフリカ共和国のスプリントパワーも炸裂するはずだ。
アフリカの100m記録保持者であるファーディナンド・オムルワはオリンピックに向けケニア代表チームを牽引し、アカニ・シンビネは今、母国である南アフリカ共和国に勝利をもたらすことを目指す。
米国代表チーム不在で行われた2021年の世界リレー4x100mで5着でフィニッシュし、最終的に銀メダルに繰り上がった日本男子チームには、今回、サニブラウン・アブデルハキーム、栁田大輝、上山紘輝、木梨嘉紀、山本匠真、三輪颯太の名が並ぶ。
ナイジェリア女子は、100mハードルの世界記録保持者である「トビ」の愛称で知られるオルワトビロバ・アムサンと、U20世界陸上で3つのメダルを首にかけたフェイバー・オフィリが4x100mに出場する。男子では、U20世界選手権200m優勝のウドディ・オヌズーリケがチームをリードする。
東京2020オリンピックで銀銅メダルに輝いたガブリエル・トーマスはチームUSAの女子4x100mに選ばれ、世界選手権のリレーメンバーであるタマリ・デイヴィスや、タマラ・クラーク、メリッサ・ジェファーソンとともに出場する。
U20世界選手権200mで3位のアラナ・リードがジャマイカ代表として初のシニアチーム入りを果たし、60mハードルの世界室内選手権で優勝したデヴィン・チャールトン(バハマ)は、現在「人生最高の状態」にあり、母国チームにメダルをもたらすことを目指す。
マリレイディ・パウリノ率いるドミニカ共和国は、サプライズを起こす可能性がある。昨年の世界選手権400mで金メダルを獲得した彼女は女子4x100mと混合4x400mにエントリーしている。
4x400mリレーはS.ミラーウイボ、W.バンニーキルク、F.ボルに注目
女子4x400m世界王者のオランダ代表チームには、フェムケ・ボル、カテライン・ピータース(Cathelijn Peeters)、そしてソーシャルメディア上で最も人気のあるオランダ人アスリートのひとりであるリーケ・クラバーが名を連ねる。オランダ代表チームは、世界選手権の混合4x400mの優勝メンバーであるアレクシア・ホームズ率いるアメリカ代表チームとともに、優勝候補に挙げられる。
また、ショーナ・ミラーウイボ(バハマ)が混合リレーに出場し、オリンピックシーズンのスタートを切るのも楽しみだ。オリンピック女子400mで2連覇を達成しているミラーウイボは、息子のマイセル君を出産してからわずか10週間で昨年の世界選手権に復帰した。
2022年の世界陸上400mで優勝して以来、彼女は世界の舞台で表彰台に立っていないが、ワールドアスレティクス(世界陸連)のインタビューで「混合リレーでは素晴らしいチームができたと思うし、バハマでオリンピック出場枠を獲得したい。この地で戦えるのは素晴らしいことです。母国の観客の声援を聞くのは最高の気分だから」と語った。
東京2020オリンピックの400mで金メダルを獲得し、バハマ代表選手として初めてのオリンピック金メダリストとなったスティーヴン・ガーディナーは、男子4×400mチームを率いる。
400m世界記録保持者である南アフリカのウェイド・バンニーキルクも、リレーチームに加わる。世界選手権で800mを制したカナダのマルコ・アロップは男子4x400m、ケニアのメアリー・モラーは混合4×400mに出場し、好調を維持したいところだ。
ブダペストでの世界選手権で2つのメダルを獲得し、一躍注目を集めたレツィレ・テボゴ(ボツワナ)は男子4x400mに出場する。
また、前回の2021年大会の男子4×400mで初めてメダルを獲得した日本代表チームには、今回、佐藤拳太郎、佐藤風雅、中島佑気ジョセフ、西裕大、川端魁人、吉津拓歩、今泉堅貴の名前が並ぶ。日本代表は男子4x100m、男子4x400mのほか、女子4x100m、混合4x100mに出場する。
世界リレー2024バハマの大会形式
世界陸連によると、両日ともオリンピック出場枠が争われる。初日の5月4日、各ヒートの上位2チームが2日目の決勝に進出し、同時にパリ2024オリンピックへの出場枠を獲得する。
残りのチームは2日目、新たに導入された敗者復活ラウンドに出場し、上位2チームがオリンピック出場枠を確保する。
世界リレー2024バハマの日程
以下、現地時間。括弧内は日本時間(日本時間は13時間進んでいる)
5月4日(土)1日目
- 19:05(翌8:05)混合4x400mリレー予選
- 19:50(翌8:50)女子4x100mリレー予選
- 20:25(翌9:25)男子4x100mリレー予選
- 21:05(翌10:05)女子4x400mリレー予選
- 21:49(翌10:49)男子4x400mリレー予選
5月5日(日)2日目
- 19:05(翌8:05)男子4x100mリレー敗者復活ラウンド
- 19:40(翌8:40)女子4x100mリレー敗者復活ラウンド
- 20:05(翌9:05)男子4x400mリレー敗者復活ラウンド
- 20:30(翌9:30)女子4x400mリレー敗者復活ラウンド
- 21:04(翌10:04)混合4x400mリレー敗者復活ラウンド
- 21:40(翌10:40)混合4x400mリレー決勝
- 21:50(翌10:50)女子4x100mリレー決勝
- 22:00(翌11:00)男子4x100mリレー決勝
- 22:10(翌11:10)女子4x400mリレー決勝
- 22:20(翌11:20)男子4x400mリレー決勝
世界リレー2024バハマ、ライブ配信情報
世界陸上リレー2024バハマの模様は、ワールドアスレティクス・インサイドトラック(要登録)でライブ配信される。また、日本ではU-NEXTがライブ配信を予定している。