世界最高峰のサーファーたちがタヒチ・チョープーに集結! パリ2024サーフィン競技の見どころ

執筆者 Annie Fast
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John John Florence, Teahupo'o 2023
写真: Ryan Pierse/Getty Images

パリ2024サーフィンの舞台となるタヒチ・チョープーは、自然の驚異と美しさを兼ね備えたサーファーにとって聖地のような場所だ。

その波に世界トップレベルの48人のサーファーが挑み、サーフィンはパリ2024で最も注目される競技のひとつになるだろう。

チョープーの波は世界の他のどの波とも異なる。ドロップインするサーファーのラインナップは、世界王者、世界各地のプロサーファーなど、そうそうたる顔ぶれだ。

ここではチョープーでのサーフィン競技について詳しく見てみよう。

チョープーでのサーフィンはなぜ特別なのか?

チョープーは、部分的に海面下でブレイクする厚いバレル波という、他では見られない波が発生する。

信じられないほど美的な波は、深海からものすごいスピードで立ち上がり、浅いサンゴ礁の上に押し寄せて、強烈なカーブを描く大きくて空洞のある波を作り出す。

ターコイズブルーの海が完璧な鏡面チューブを作り出し、サーファーがバレルに乗る。サーファーたちは、白い泡がドラマチックに揺れ動く波の先に進む。

チョープーは、高さ3~5メートルの小さなうねりから8~10メートルの巨大なうねりまで、あらゆるコンディションでその形を保つことで有名だ。

ゴールはドロップインを決め、ブレイクする波に力強く乗り、カーテン(波のリップがカールしている部分)の後ろまでできるだけ深く入ってから、穏やかなチャネルに安全に抜け出すことだ。

世界最高峰のサーファーたちはチョープーの波をどう乗りこなすのか?

東京2020でサーフィンデビューの地となった釣ヶ崎海岸では、砂地の海底でブレイクする複数の波からサーファーが波を選ぶことができたが、チョープーは浅いリーフの上でブレイクする動きの速いレフトバレルの波だ。

サーファーたちはテイクオフゾーンから波が押し寄せてくるのを確認し、パドリングでポジションを決めた後、ドラマチックに波にドロップインし、波に向かって(右足を前に出す通称グーフィーフット)、または波に背を向けて(左足を前に出す通称レギュラーフット)素早くラインをセットする。

サーファーが波に乗ってからが、それぞれのスタイルが発揮されるときだ。フェイスをアップダウンしたり、低い姿勢でボードのレールにつかまったり、背筋を伸ばして波に乗ったり。ひとつだけ確かなことは、彼らはスピードに乗り、波からクリーンに抜け出そうとする。

ビッグウェーブ・サーフィンのレジェンドであり、チームUSAのヘッドコーチであるシェーン・ドリアンによれば、コンディションが良ければ、目標は「カーテンの向こうに消える」こと、つまりチューブの中にできるだけ深く入ってから再び姿を現すことだという。

チューブライドは一般的に、サーフィンで最も望まれる動きと考えられており、サーファーたちはその努力に対して高いスコアを期待するだろう。

パリ2024開催中、世界トップクラスのサーファーがチョープーに集結

パリ2024に出場するオリンピックサーファーのラインナップには、世界最高のサーファー48人が名を連ねている。

予選を勝ち抜いたサーファーには、アメリカ合衆国のジョン・ジョン・フローレンス、ブラジルのガブリエル・メジナ、オーストラリアのモリー・ピックラムが含まれ、チョープーに挑む準備は万端だ。

地元フランス領ポリネシア出身のカウリ・ヴァーストヴァヒネ・フィエロ(チョープーの女王)は、この伝説的な波に乗り、ホームチームのアドバンテージを生かそうとしている。

東京2020金メダリスト、アメリカ合衆国のカリッサ・ムーアは、2つ目の金メダルを目指す。今大会が見逃せないショーになるのは間違いない。ブラジルのグーフィーフッター、タティアナ・ウェストン・ウェブと、オーストラリアのジャック・ロビンソンもバレルを愛する有力選手の2人だ。

日本からは、東京2020銀メダリストの五十嵐カノア、稲葉玲王(れお)、コナー・オレアリー、松田詩野(しの)の4人が出場する。

パリ2024サーフィンはブラケット方式を採用

7月27日から8月5日までの10日間、コンテストがベストコンディションで4日間開催されるよう、開幕まで波のコンディションがモニターされる。

コンテストは、男女各24名のサーファーがラウンド1で3名ずつ8ヒートに分かれてスタートする。各ヒートの勝者は、選手のベスト2ライドの合計で決定される。

ラウンド1の勝者はラウンド3に進出し、残りの選手はラウンド2の直接対決に回される。この方式により、すべての選手に2回サーフィンをする機会が与えられる。

ラウンド3(ラウンド16)では、8ヒートの直接対決が行われる。勝者は準々決勝(4ヒートで8人)、準決勝、そして3位決定戦と金メダルを争う決勝に進む。

連覇を果たす選手は現れるのか? 若さか経験か? 必見の戦いになることだけは間違いない。