ラグビー界のスター選手、フランスのアントワーヌ・デュポンとオーストラリアのマイケル・フーパーは、それぞれの国の7人制ラグビー代表チームに加わりパリ2024オリンピックに出場すると公式に発表した。彼らはこの新しい競技ルールにどのように対応するのか?ラグビーの7人制と15人制の違いは何か?Olympics.comでは一見よく似ているように見えるいくつかの競技・種目の違いをシリーズで紹介する。
(Hangzhou2022.cn)
2023-2024年のワールドラグビーSVNSシリーズの第1ステージは、12月2日~3日にかけてアラブ首長国連邦ドバイで行われたが、フランスもオーストラリアも7人制男子チームは決勝に進出できず、オーストラリアは7位、フランスは9位に終わった。
12月9日~10日にかけて南アフリカ・ケープタウンで第2ステージが行われるが、1月26日~28日にオーストラリア・パースで行われる第3ステージでは、両代表チームともに各国の15人制(ラグビーユニオン)チームのキャプテン、オーストラリアのマイケル・フーパーとフランスのアントワーヌ・デュポンがそれぞれ加わることになっている。両選手は、新たな挑戦としてパリ2024への出場を目標に定めた。
そのためには、新しいルールに対応し、新たな戦略を学び、新しい環境に適応する必要がある。彼らが直面することになる15人制と7人制ラグビーの主な違いとは何だろうか?
マイケル・フーパーとアントワーヌ・デュポンは、オリンピックでの成功を目指して15人制ラグビーから7人制ラグビーへ転向することを選択した。
ラグビーにはいくつかの種類があり、ラグビーリーグ、ビーチラグビー、タグラグビーなどが行われているが、オリンピックでは15人制ラグビーが最後に行われたパリ1924以来92年ぶりにリオ2016から7人制ラグビーとして正式種目となっている。
15人制から7人制に移行したが、以下の基本的なルールは同様である。
これらは15人制と何ら変わらないが、7人制ではいくつかの違いが存在する。
15人制と7人制では、フィールドのサイズが同じ(長さ100m、幅70m)である一方、その上でプレーする選手の数が異なる。7人制ラグビーでは各チーム7人の選手が、15人制ラグビーでは各チーム15人の選手がプレーする。
7人制ラグビーの試合は、前後半7分ハーフの合計14分間で行われ、ハーフタイムは2分以内となっている。15人制ラグビーでは、試合時間は40分ハーフの合計80分間となり、ハーフタイムは10~15分となる。
「7人制ラグビーははるかにフィジカル」とフランスのラグビー選手、ピエール・ジル・ラカフィアはフランス・テレビジョンで説明した。
「7人対7人の試合では常に動き回っている必要があります。ブレイクダウンがあると、そこから80メートルのカウンター(ターンオーバー)が起こることも珍しくはありません。しかも、ディフェンスでは、7人だけで広いフィールド全体をカバーしなければならないのです」
7人制ラグビーの選手には、スピードと敏捷性、そして素早い反応力が必要となる。
オフェンスでは、チャンスがあるたびにフィールド全体を走り切る能力が求められる。ディフェンスでは、次々にボールを持った選手にタックルを仕掛けなければならない。
また、7人制ラグビーでは高い集中力と運動量が必要とされ、ディフェンスでは一瞬のミスも許されない。
「15人制から7人制に移行すると、通常、多くの選手は体重が減ってしまいます!」と、両方でプレーするラカフィアは笑顔で話した。
このスポーツを象徴するとも言えるスクラムは、15人制ラグビーと同様、7人制ラグビーでも行われる。
ただし、それぞれでプレーの仕方が異なる。15人制ラグビーでは、通常、各チーム8人の選手が3列になってスクラムを形成するが、7人制ラグビーでは、各チーム3人のフォワードのみが1列に並んで対峙する。
ボールはオフェンス側のスクラムハーフによってスクラムの中央に投げ込まれ、両チームは足を使ってボールを後方にかき込んで奪い取ろうとする。
Kayla Moleschi of Canada feeds the scrum at the HSBC Women's Rugby Sevens against England in Japan in 2018.
7人制ラグビーのペナルティキックとコンバージョンキックでは、キックティーを使って地面から蹴るプレースキックではなく、ドロップキック(ボールを1度地面に落として瞬間的にバウンドさせてから蹴る)で行われる。7人制ラグビーでは試合時間が短いためでありスピードが重要となる。
また、7人制ラグビーではキックはあまり用いられない。15人制ラグビーではキックが重要な戦術となるが、7人制ではボールを保持することに重きが置かれており、7人制ラグビーの合理的な戦術となっている。
An example of kicking the ball off the tee in rugby union
7人制ラグビーのディフェンスでは、5-2、6-1、または7-0(マンツーマン)などディフェンスラインの人数(大きいほうの数字)が異なるフォーメーションを構成する。
フランス代表チームのコーチ、ジェローム・ダレットはまだデュポンをどのポジションでプレーさせるか決めていない。
「私はアントワーヌ・デュポンが1番から7番までのどのポジションでもプレーできると考えています。今後、彼がチームに最も多く貢献できる適切なポジションを検討したいと思います」
代表チームの元キャプテンであるデュポンとフーパーは、どちらの競技においても素晴らしいパフォーマンスを発揮するために必要な資質の全てを持っている。
デュポンについて言えば、ダレットコーチは彼の適応能力を信じてやまない。
「アントワーヌ・デュポンの前回のワールドカップ(15人制)でのデータを見ると、彼は最も多くのオフロードパスを行った選手で合計10回成功させています」
また、「フープス」の愛称で知られるフーパーは、オーストラリア代表として最も多くのキャップを持つ選手のひとりであり、素晴らしいスキルと経験は7人制ラグビーにおいても代表チームを助けるために大いに役立つことは疑いの余地がない。
すでにパリ2024出場枠を確保しているオーストラリアとフランスの両国の男女代表チームでは、彼らスター選手がいち早く新しいルールに適応し、チームに大きな影響を与えるはずだ。そして、切望するパリ2024の栄光を勝ち取るために活躍することが期待されている。
キックオフは間もなくだ。