UCI自転車世界選手権2023：BMXフリースタイル・パークの見どころ、注目選手、日程

8月3日～13日、スコットランド・グラスゴー周辺で開催されるUCI（国際自転車競技連合）自転車世界選手権2023では、史上初めて各種目の世界最高峰のサイクリストたちが一堂に会し、世界ナンバーワンを目指して競い合う。その1種目、BMXフリースタイル・パークは、8月5日〜7日の3日間、グラスゴー・グリーン公園を舞台に行われる。

日本の中村輪夢（りむ）は、昨年、UAE（アラブ首長国連邦）アブダビで開催されたUCIアーバンサイクリング世界選手権2022で獲得した世界タイトルを守り、男子では史上初となる連覇を目指す。一方、21歳の現役世界チャンピオンであるハンナ・ロバーツ（アメリカ合衆国）は、5度目のレインボージャージ（UCI世界チャンピオン）を狙う。

今大会には、BMXフリースタイルが初採用となった東京2020に出場した選手も多くが顔をそろえる。パリ2024まであと1年という今、各選手は自身のベストトリックをメイクすることに全力を傾け、熱い戦いを繰り広げるに違いない。ここでは、今大会の見どころ、注目選手、日程を紹介する。

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BMXフリースタイル・パークの開催日程と場所

BMXフリースタイル・パークに出場する男女選手は、前日の8月4日（金）に練習を行い、翌日の予選に備える。8月6日（日）には準決勝が行われ、8月7日（月）に決勝が行われる。

BMXフリースタイル・パークは、主な自転車競技を全て含む新しいUCI自転車世界選手権の1種目となり、今後4年ごとに開催される。スコットランド・グラスゴーがその最初の開催地となった。BMXフリースタイル・パークは、同フラットランドと共に、グラスゴー・グリーン公園で行われる。

世界選手権で用意されているパリ2024オリンピック出場枠

自転車世界選手権2023では、男女それぞれ3つのパリ2024出場枠が用意されるが、2024年に行われるオリンピック予選シリーズ（OQS）の結果に基づいて最終的に割り当てが決定されることになる。

もっとも、今大会で優秀な成績を得た場合、それが選手たちをパリ2024出場枠獲得に向けて有利な位置に近づけることは間違いない。しかし、最終的な決定は2024年まで待たなければならないだろう。

詳しくは【パリ2024への道】BMXフリースタイル、出場資格取得プロセスを解説

UCI自転車世界選手権2023 BMXフリースタイル・パークの注目選手

中村輪夢は世界タイトルを守り連覇を果たすことができるか？

現世界チャンピオンの中村輪夢は、今年7月、ベルギー・ブリュッセルで開催されたUCI BMXフリースタイルワールドカップ第3戦で準優勝するなど、シーズンを通して調子を上げてきており、今大会の優勝候補のひとりとして2つ目のレインボージャージを狙う。

3度のヨーロッパチャンピオン、フランスのアントニー・ジャンジャンは、ワールドカップ・ブリュッセル大会で優勝を果たしているが、第2戦、自国フランス・モンペリエ大会で2位に終わっていたことからリベンジに燃えていた。自国開催のパリ2024から1年を切ったこの時期となれば、さらにモチベーションを高め、今大会に臨んでくることだろう。

イギリスのキーラン・ライリーは、今年6月のヨーロッパ競技大会でジャンジャンを押さえて優勝しており、今大会ではさらにステップアップして初の世界タイトルを狙う。

東京2020金メダリストのローガン・マーティン（オーストラリア）は、ワールドカップ第1戦サウジアラビア・ディルイーヤ大会、続くモンペリエ大会で連勝しており今年も絶好調だ。ブリュッセル大会では、中村の後塵を排し3位に終わっている。

また、東京2020銀メダリストのダニエル・デルス（ベネズエラ）、同銅メダリストのデクラン・ブルックス（イギリス）も出場することから、今大会では誰が勝ってもおかしくない混戦模様を呈することが予想される。

日本からは、中村と共に、今年7月の2023アジアBMX選手権2位の溝垣丈司（じょうじ）、6月のジャパンカップ横須賀3位の小澤楓（かえで）、寺林昌輝（まさき）、大和（おわ）晴彦らが出場する。

ハンナ・ロバーツは5つ目のレインボージャージ獲得になるか？

アメリカ合衆国のハンナ・ロバーツは、BMXフリースタイル・パークで最も勝利を収めている選手だ。東京2020銀メダリストのロバーツは、今シーズンのワールドカップ初戦ディルイーヤ大会を制している。

これまでに5回開催されたBMXフリースタイル・パークの世界選手権で4度優勝した現世界チャンピオンのロバーツは今大会で5度目の優勝を目指す。しかし、ワールドカップ第2戦モンペリエ大会、第3戦ブリュッセル大会ではともに中華人民共和国のチョウ・ホイミンに破れ2位に終わっている。チョウにとってモンペリエ大会での優勝は、ワールドカップでの初勝利になった。

ワールドカップ・ブリュッセル大会では、トップ10に5人の中華人民共和国の選手が入り、同国のシア・ホンリンが3位になった。中華人民共和国チームは、ベネズエラのレジェンド、ダニエル・デルスが指導していることから力をつけ始めている。

東京2020金メダリスト、イギリスのシャーロット・ワシントン、同銅メダリスト、スイスのニキータ・デュカロズも今大会に出場することから激戦が予想される。

フランスのローリー・ペレスは、ワールドカップ・モンペリエ大会で3位に入賞し、これがワールドカップでの初めての表彰台となった。今大会ではさらに上位を目指す。19歳のペレスは、今年6月のヨーロッパ競技大会（ポーランド・クラクフ）でも3位になり銅メダルを獲得している。

チェコ共和国の17歳、イヴェタ・ミクリコバも今大会の優勝候補のひとりだ。ヨーロッパ競技大会では2連覇を達成した。昨年の世界選手権では銅メダルを獲得している。

日本からは、日本女子BMXフリースタイル界のホープ、今年7月の2023アジアBMX選手権3位の内藤寧々（ねね）が出場する。内藤は、今年6月のジャパンカップ横須賀では優勝している。

UCI⾃転⾞世界選⼿権BMX2023 フリースタイル・パーク⽇本代表派遣選⼿

＊7月28日現在（日本自転車競技連盟より）

男子

• 中村輪夢（なかむら・りむ）
• 溝垣丈司（みぞがき・じょうじ）
• 小澤楓（おざわ・かえで）
• 寺林昌輝（てらばやし・まさき）
• 大和晴彦（おわ・はるひこ）

女子

• 内藤寧々（ないとう・ねね）

UCI⾃転⾞世界選⼿権2023 BMXフリースタイル・パークの日程

＊全て現地（英国）夏時間。日本は+8時間。

8月5日（土）

9:00～ 女子エリート予選

13:30～ 男子エリート予選

8月6日（日）

12:00～ 女子エリート準決勝

15:00～ 男子エリート準決勝

8月7日（月）

14:30～ 男子エリート決勝

17:00～ 女子エリート決勝