橋本大輝、クリストフ・ミラーク、レベッカ・アンドラーデ…2022年に飛躍したトップアスリート10人

2022年に世界の舞台で輝きを放った10人のトップアスリートを紹介しよう。

1 執筆者 Guillaume Depasse
Kylian Mbappe, Yulimar Rojas, Hashimoto Daiki and Katie Ledecky

(Getty Images)

世界各地で行われた各種大会で、ユリマル・ロハス、アルマン・デュプランティス、キリアン・エムバペといったアスリートが、目を見張るような活躍を見せ、ファンを喜ばせた2022年。パリ2024まで600日を切った今、Olympics.comでは2022年に躍進したトップアスリート10人に注目した。

ユリマル・ロハス

  • 陸上競技(三段跳)
  • ベネズエラ出身、27歳

2021年の東京2020オリンピックの三段跳で、ベネズエラ出身のユリマル・ロハスは金メダル確定後の最後のジャンプで15m67をマークして自身の世界記録を更新。新たな歴史を刻んだ瞬間は、東京オリンピックの中でも特に印象的な瞬間だった。

そんな彼女の挑戦は、2022年でも輝きを放ち続けた。

2022年3月にベオグラードで開催された世界室内選手権で、ロハスは15m74を跳んで世界記録を樹立。屋外シーズンに入ると、7月に米オレゴン州ユージーンで行われた世界選手権では15m47を跳んで3連覇を達成。さらにその後のダイヤモンドリーグ2大会(モナコ大会で15m01、ローザンヌ大会で15m31)とチューリッヒで行われたダイヤモンドリーグ最終戦(15m28)で勝利を収め、女子三段跳において圧倒的な強さを示した。

クリストフ・ミラーク

  • 競泳(バタフライ)
  • ハンガリー出身、22歳

ハンガリー出身のクリストフ・ミラークは19歳だった2019年の世界選手権において、男子200mバタフライで金メダルを獲得し、伝説の選手マイケル・フェルプスが保持していた世界記録を更新した。

その2年後、クリストフ・ミラークは東京2020の同種目でオリンピック王者となり、100mバタフライでも銀メダルに輝いた。母国ブダペストで開催された2022年の世界選手権では、200mバタフライでフランスの新星レオン・マルシャンに3秒以上の差をつけ、自身の持つ世界記録を更新(1分50秒34)して優勝。地元の英雄として称えられた。その3日後、彼は100mバタフライで日本の水沼尚輝を抑えて金メダルに輝き、誰もが認めるバタフライ王となった。

レベッカ・アンドラーデ

  • 体操競技
  • ブラジル出身、23歳

2022年10月から11月にかけて開催された世界体操競技選手権・リバプール大会では、誰もが彼女に注目していた。周囲からの期待が重圧になる選手も多いが、レベッカ・アンドラーデはそんな中でも自身の持つ力を発揮した。

東京2020の個人総合で、アメリカ合衆国のスニサ・リー(世界選手権は不参加)に次ぐ銀メダルを獲得したアンドラーデは、2022年の世界選手権の個人総合決勝で、ゆかを残し、3つのルーティンを終えた時点で首位に立っていた。そのまま逃げ切って勝利を収めるのか…。多くのファンが見守る中、アンドラーデは美しいゆかのパフォーマンスで締めくくると、合計56.899点を獲得して優勝した。

個人総合決勝の演技を終えたアンドラーデは、「すべては必要なときに起こるものです。できることをすべてやり遂げることができて本当に幸せです」と語った。また、種目別ゆかの決勝では銅メダルを獲得した。

橋本大輝

  • 体操競技
  • 日本出身、21歳

年齢を考えれば、橋本大輝は新星というカテゴリーにランクされるかもしれないが、世界選手権・リバプール大会の個人総合で優勝し、オリンピック金メダルを2つ得ていることを考えるとそうはならない。東京2020オリンピックの個人総合と鉄棒で金メダルを獲得した彼は、2022年初めに引退した体操界のレジェンド・内村航平さんからバトンを受け取ると、世界選手権の個人総合で前回大会王者のチャン・ボヘン(張博恒/中華人民共和国)を抑えて表彰台の頂点に立った。

世界選手権で橋本は、個人総合優勝とともに、団体総合、ゆか、鉄棒の3種目で銀メダルも獲得。個人総合決勝後には、「オリンピック(のパフォーマンス)と比較してしまい全然動けず、自分が体操やっていてうまくいかない時期が長かった。今シーズンは怪我もあり良いパフォーマンスができなかったことが多かったが、いろいろな人に支えてもらい、この大舞台で結果を出すことができた」とOlympics.comに語った。

ケイティ・レデッキー

  • 競泳(自由形)
  • アメリカ合衆国出身、25歳

ロンドン2012で初のオリンピック金メダルを獲得したケイティ・レデッキーは、長い間、女子競泳界をリードしてきた。そして、それは今も変わらない。しかも彼女はまだ25歳。彼女は東京オリンピックの400m自由形と4×200m自由形リレーで2位となり、頂点に立つことができなかった悔しさを2022年にぶつけた。

ブダペストで開催された2022年の世界選手権では、出場した4種目(400m、800m、1500m自由形、4×200m自由形リレー)で金メダルを獲得し、パリ2024オリンピックを含め、今後数年間はトップに君臨可能なことを証明した。800m自由形では、2位のオーストラリアのキア・メルバートンに10秒以上の差をつけ、史上5番目のタイムとなる8分08秒04を記録。2023年の世界水泳選手権・福岡大会(7月14日〜30日)で、どのような成績を残すのか、注目される。

キリアン・エムバペ

  • サッカー
  • フランス出身、24歳

ワールドカップでアルゼンチンとの決勝に敗れたものの、合計8ゴールでワールドカップの得点王に輝いたキリアン・エムバペ。19歳で世界王者となった2018年のワールドカップでは、1958年のペレ(ブラジル)以来の最年少選手として決勝で得点を決めた彼は、ワールドカップ2大会の通算得点数で、クリスティアーノ・ロナウド(8)、ティエリ・アンリ(6)、ジネディーヌ・ジダン(5)よりも多い12ゴールをあげている。

2024年のパリオリンピックにフランス代表として出場することを夢見ているというエムバペは、「オリンピックは、スポーツにおける基準であり、すべてのアスリートが一生に一度は出場し、経験したいと願う絶対の聖杯のような存在です」と、「レキップ」紙に語っている。

所属するパリ・サンジェルマンでは、2021/2022シーズンにリーグ・アンで28得点、UEFAチャンピオンズリーグで6得点を上げるなど、合計39得点をマーク。2年連続でリーグ最優秀選手に選出された。

ポーリーヌ・フェラン・プレヴォ

  • マウンテンバイク
  • フランス出身、30歳

ポーリーヌ・フェラン・プレヴォは東京オリンピックでは上位に食い込みながら転倒して10位という悔しい結果に終わり、2022年9月の世界選手権・フランス大会に集中した。7月のヨーロッパ選手権では、チームメートであり、2021/2022ワールドカップ総合ランキングで優勝したフランスMTB界の新星、ロアナ・ルコントに次ぐ銀メダルを獲得した。

シーズン中、フェラン・プレヴォは世界選手権に向かうまで優勝していなかったが、戦いの舞台となったフランスのレ・ジェでは戦略が実を結んだ。彼女は最初の坂を登り切ったところでトップに立ち、クロスカントリーで4度目の、そして全種目で15度目の優勝を飾った。その後、イタリアで開催されたワールドカップの最終ステージで優勝。MTBマラソンでも、初開催となったグラベル世界選手権でも優勝した。

ロンドン2012、リオ2016、東京2020で金メダルを逃したフェラン・プレヴォは、母国開催となる次のオリンピック、パリ2024で勝つ可能性を世界中に示した。

ワン・チューチン(王楚欽)

  • 卓球(男子シングルス)
  • 中華人民共和国出身、22歳

東京2020の卓球競技において金メダル5つのうち4つを獲得した中華人民共和国は卓球をリードする存在だ。中でもレジェンドの マ・ロン(馬龍)は東京大会の男子シングルスで2度目の優勝。自身の持つ金メダルの数を5つとした。しかし2022年は、若きワン・チューチンが卓球ワールドカップ・ファイナルで日本の張本智和決勝で破って優勝し、世界ランキングで4位に上り詰めた。

2018年のユースオリンピックで優勝したワンは、10月に行われたワールドカップ・ファイナルの試合においてマ・ロンを相手にスリリングなゲームを展開。最初の3セットを取って有利に進めたものの、次の3セットを奪われ、7セットマッチの末に同胞のレジェンドを撃破した。しかし、マ・ロンの勝負強さは皆の知るところ。パリ2024まで600日を切った今、今後の戦いの行方に注目したい。

アン・サン

  • アーチェリー
  • 大韓民国出身、21歳

大韓民国のアン・サンは、2022年にその力を余すことなく発揮した。2021年に開催された東京2020では金メダル3つ(女子団体、混合団体、女子個人)を獲得し、ランキングラウンドで680点をマークしてアトランタ1996以来となるオリンピック記録を更新した。さらに1904年以来、初めて1大会で金メダル3つを獲得したアーチャーとなった。

2022年にアーチェリーの世界選手権は行われなかったが、10月にメキシコで開催されたワールドカップ・ファイナルで優勝するなど、世界ランキングは1位。まだ21歳の彼女なら、パリ2024だけでなく、その先のオリンピックでも記録を更新していく姿を見ることができるかもしれない。

アルマンド・デュプランティス

  • 陸上競技(棒高跳)
  • スウェーデン出身、23歳

アルマンド・デュプランティスは歴史を作り、世界記録を更新し続けるアスリートだ。しかもそれを簡単にやってのける選手でもある。東京2020では一度も失敗することなく6m02でオリンピック王者となり、さらに自身が保持していた当時の世界記録(6m18)の更新に挑戦した。

2022年3月、屋内大会のためベオグラードに戻り、6m19を跳ぶことに成功。その2週間後、同じ都市で開催された世界室内選手権で6m20をクリアし、再び記録を更新してみせた。「モンド」の愛称で知られる彼は、7月にオレゴンで開催された世界選手権でも大きな成果を出すと期待されていた。5m94を超える選手がいない中、6m00を跳んで金メダルを獲得した彼は、大会記録となる6m06に成功した。

しかしそれは、次の挑戦へのウォーミングアップのようなものだった。バーを6m21に上げたデュプランティスは、1度失敗した後、2度目の挑戦でクリア。世界記録を更新した。

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