東京2020からパリ2024へ:橋本大輝、団体での金メダルを目指して

2021年の夏に世界を盛り上げた東京2020からまもなく1年。アスリートたちは次の目標へと進み、その先にパリ2024を見据えている。人々の心を熱くした東京でのパフォーマンスを振り返りつつ、選手らのパリへの歩みを辿ってみたい。

文: Chiaki Nishimura
写真: 2022 Getty Images

東京2020オリンピックの体操個人総合と種目別鉄棒で2冠に輝き、団体総合で銀メダル。

3つのメダルを手にした橋本大輝のオリンピックデビューは、完璧だった。だが、日本のエースはこの結果に甘んじることはない。

「正直、団体総合で金メダルをとりたかった」と、大会直後のメダリスト会見で語った橋本は、「この悔しさを成長に変えて、パリでは金メダルを一つでも多く、そして団体総合で金メダルをとっていきたいと思っています」と、パリ2024に向けた意気込みを口にした。

そんな橋本の東京2020を振り返ってみたい。

エースとしての地位を確固たるものにした東京2020

ロンドン2012、リオ2016で体操個人総合2連覇を達成していた体操界のレジェンド内村航平さんが鉄棒に専念する中、母国開催の東京オリンピックを前に大学生の橋本に期待が寄せられていた。

新型コロナウィルスの感染拡大がスポーツ界に与えた影響は大きく、選手らは適応を余儀なくされたが、橋本に関していえば、「1年前に五輪があったら代表に入れていない可能性があった」と大会後の記者会見で語り、「この1年延期で、自分の力を伸ばすことができた」と振り返っている。

2019年に当時高校3年生だった橋本は、世界選手権に初出場して団体総合3位に貢献。2020年に行われる予定だった東京オリンピックは翌年に延期され、2021年4月の全日本選手権の男子個人総合で初優勝し、翌月のNHK杯でも個人総合を制覇。のちの金メダリストは東京オリンピック代表の座を自分のものとした。

そして迎えた4年に1度の大舞台。2021年7月28日に行われた男子個人総合決勝で、最終種目の鉄棒を残して3位につけていた橋本は、難易度の高い技を次々と決め、世界一に輝いたのである。

19歳での優勝は、同種目で最年少。「体操ニッポン」にとって通算100個目のメダルとなり、日本体操界を背負っていくエースにふさわしい金メダルとなった。

パリ2024への道

パリ2024オリンピックに向けては、2022年10月29日〜11月6日の日程でイギリス・リバプールで開催される2022年世界選手権が最初の予選大会となる。

この大会で団体3位以内に入ったチームにパリ2024への出場権が割り当てられる。

日本勢は6月15日〜18日の日程でカタール・ドーハで行われたアジア選手権で男子が団体2位、女子が団体3位で10月の世界選手権へのチケットを手にしたばかり。日本勢はそこでパリ2024への出場権獲得を狙うことになる。

世界選手権の男子メンバーは、東京2020で金メダルを獲得した橋本をはじめ、5月に行われたNHK杯の結果を受けてすでに3選手(神本雄也土井陵輔)が決定しているが、残り2選手が6月18日、19日の全日本体操種目別選手権で決まる。

橋本はNHK杯で2連覇を達成したものの、モチベーションやコンディションの面で不安を抱え、「何とかやるしかないという思いで演技に臨んだ」ことを明かしている。今大会ではどんなパフォーマンスを見せるのか。代表争いと合わせて注目したい。

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