スピードスケート女子500m日本勢一番手となる第4組目で滑走した**高木美帆**は、アウトから好スタートを決めると得意の後半でも伸びやかな滑りをみせ、37秒12の自己新記録でゴール。納得した様子でガッツポーズを見せた。
「ゴールした後に感じた爽快感というのを久しぶりに感じることができたので、それをオリンピックでできたというのは嬉しかったです」
「苦しい時期が続く中、ベストを出せたこと、渾身のレースができたことっていうのが、まずレース直後に自分の中で嬉しかった」
日本選手団主将として臨む北京大会で2個目となったこの銀メダルは、平昌2018と合わせて自身通算5個目のオリンピックメダルとなり、自身の持つ冬季オリンピック日本勢最多メダル獲得数を更新。また、夏冬の両オリンピックを通じて柔道の谷亮子(金2、銀2、銅1)と並ぶ日本女子選手最多メダル記録となった。
7日に行われた大本命の1500mでは、優勝したイレイン・ブスト(オランダ)に0.44秒及ばずの2位で、悔し涙の銀メダルだったが、500mでメダルが確定した瞬間は、両腕を高く上げてジャンプし、嬉しさを爆発させた。
「1500m終わった段階では次に挑戦するのが怖いなって思う気持ちもあったんですけど、それでも最初に強くい続けるという目標を立てたので、そこだけは貫き通そうと思って」と、気持ちを切り替えて500mに挑んだことを明かした。
「ほんとにいろんなたくさんの人たちと試したり、話したりしながら、こうやって挑戦し続けたことがこの結果につながったのかと思います」
自身初の500mオリンピックメダル獲得について周りへの感謝の気持ちを述べると、「一緒にヨハン(ヘッドコーチ)とリンクに立てたというのは自分の中で大きいのかなと思います」と語った。
「メダルを取れたっていうことは、いろんな条件が重なって起こったことではあるのかなと思っているので、そういったレースができたことをうれしく思っている」
レースを振り返る高木に、自己ベストを更新できた要因について尋ねると、「難しいですね。500mに関しては私の中では情報が少ないので比較するのが難しいんですけど、それでも最初の100mとポイントとなる2つ目のコーナーの入りっていうのは、インあがりのときに失敗しがちなんですけど、そこをしっかり決めることができたので、そこかと思っています」と分析した。
まだ、2月15日のパシュート(団体追い抜き)と17日の1000mのレースを残す中、「このメダルを、この挑戦をさらに自分のものにするには、この後の2種目が本当に大事になってくると思っているので、そこはぶれずに気持ちを切り替えて、まずはパシュートに向けて意気込んでいきたいなと思います」と力強く前を向いた。
「本当にここからだなっていうふうに思っているので、やっとそろったチームジャパンで戦いたいなというふうに思っています」
2月15日のスピードスケート女子パシュートでは、準決勝1組目で日本(佐藤綾乃、髙木美帆、高木菜那、**押切美沙紀**の中から3人)はROCと対戦し、その後メダル決定戦まですべてが1日で行われる。スケジュールはこちら。