2023年世界卓球選手権ダーバン大会(個人戦)アジア大陸予選会が現地時間1月7日、ルサイル・スポーツ・アリーナ(カタール・ドーハ)で開幕。大会4日目となる10日は、男女シングルスのグループ決勝が実施された。ここでは張本智和、篠塚大登、吉村真晴、戸上隼輔、及川瑞基が出場した男子シングルスの結果を紹介する。
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■吉村真晴が大金星、馬龍を破る
吉村の対戦相手となったマ・ロン(馬龍/中華人民共和国)は、Tokyo2020の男子シングルス、男子団体を含め、5つのオリンピック金メダルを持つ絶対王者。そのマ・ロンが第1ゲームを11-8で先取する。対する吉村は第2ゲームを11-8で取り返すと、第3ゲームも接戦に持ち込む。第3ゲームは最後突き放されて11-13で落とすも、第4ゲームを11-9で取り、互角の試合展開を見せる。
第5ゲームは11-9でマ・ロン。吉村は追いつめられるが、ここから王者を圧倒する。第6ゲームを11-5で取ると、最終第7ゲームは11-3。吉村がオリンピック男子シングルス2連覇の強豪を打ち破る大金星を挙げた。
■張本智和、篠塚大登が出場権獲得
決勝から出場となった張本は、パン・ユー・エン・コーエン(シンガポール)と対戦。第2、第3ゲームを連続で落とすも、その後は調子を取り戻し、4-2で勝利を収めた。篠塚はアリ・クハドラウィ(サウジアラビア)にストレート勝ち。接戦となった第2ゲームを14-12、第4ゲームを12-10で取るなど、勝負強さを見せた。
■戸上隼輔と及川瑞基は順位決定戦へ
戸上はチェン・ジエンアン(陳建安/チャイニーズ・タイペイ)と対戦。第1ゲームを先取するも、その後の3ゲームを連続で取られる苦しい展開となる。第5ゲームを12-10で取り返すも、第6ゲームは6-11。ゲームカウント2-4で黒星を喫した。及川はチャン・ウジン(大韓民国)にストレート負け。戸上と及川は、11日以降に行われる順位決定戦で出場権獲得を目指すことになった。
11日の試合で戸上はマ・ロンと、及川はノシャド・アラミヤン(イラン)と対戦する。
■日程・放送予定・ライブ配信・中継予定
【日程】
2023年1月7日〜13日(7日間)
【放送予定】
- ネット:YouTube・テレビ東京卓球チャンネル
- テレビ放送:予定なし
■概要と見どころ
本来であれば、新しい開催方式にて実施されるはずだった世界卓球選手権(以下:世界卓球)は、世界的な新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大の影響により、2021年と2022年の世界卓球を暫定的な措置を講ずるイレギュラーな開催となった。そして、2023年の新たな年の幕開けに相応しく、5月に南アフリカ・ダーバンで開催される世界卓球2023は、その新しい開催フォーマットを初めて採用する大会となる。
世界卓球2023に出場するためには、各大陸別で開催される予選会にて出場枠を勝ち取る必要があり、各国・地域の代表チームは最大でシングルス5枠(男女それぞれ)、ダブルス2枠(男女、混合3種目それぞれ)を得ることができる。世界卓球2023の出場枠を獲得するために、このアジア大陸予選の日本代表に選出されたのは、男子6名、女子5名の合計11名の強者だ。
注目は、大会開始時点の世界ランキング男子シングルスで4位の張本智和だろう。Tokyo2020男子団体戦で銅メダル獲得に貢献した若きホープは、今や日本のエースへと成長し、卓球王国・中国の代表選手と互角で争うパフォーマンスを見せ、2022年11月に開かれたアジアカップ2022で、張本はアジアの頂点に輝き、33年ぶりの優勝という快挙を成し遂げたばかりだ。このアジア大陸予選で、ふたたび日本の強さをアジアで誇示できるか目が離せない。
また、開幕まで2年を切ったパリ2024日本代表選考ポイントランキング(以下:選考ランキング)で、首位独走の張本を間近で追いかけるのは、同ランキング2位の篠塚大登だ。この2人は、ペアを組んで男子ダブルスにも出場する予定で、日本のシングルスとダブルスの2冠達成となるかにも注目だ。
女子も見逃せない。Tokyo2020で金を含む計3のメダルを獲得している伊藤美誠と、パリ2024選考ランキングで1位に立つ早田ひなの2人もシングルスだけでなく、女子ダブルスでもペアを組んで、このアジア大陸予選に臨む。とくに、伊藤は前述のアジアカップで準優勝に終わっており、そのリベンジに期待がかかる。
このほか、パリ2024選考ランキング上位にいる吉村真晴、戸上隼輔、及川瑞基、平野美宇、木原美悠、長﨑美柚がシングルス代表に選ばれており、宇田幸矢も男子ダブルス代表として出場することが発表されている。
さぁ、2023年の卓球の戦いは、どんなドラマから始まるのだろうかーー。挑戦の旅は、続く。
■日本代表・出場選手
※日本卓球協会の発表順による