大韓民国の首都・ソウルで行われた国際スポーツクライミング連盟(IFSC)が主催する「IFSCボルダーワールドカップ2023ソウル」が4月28日から30日までの3日間にわたって行われた。大会期間中は悪天候に見舞われたことから、男女ともに決勝を中止し、準決勝(最終ラウンド)の結果を最終成績と取り扱うこととなっている。
▪️野中、5年ぶりのワールドカップ制覇!
日本代表7名を含む78名がエントリーした女子のボルダーでは、29日の予選で上位20名が最終ラウンドへと進出できるフォーマットで行われ、スポーツクライミングが初めてオリンピック種目として採用されたTokyo2020において堂々の銀メダルを獲得した野中生萌をはじめ、4名の日本人選手がファイナルステージへと駒を進めた。
その最終ラウンド(30日)で野中は、4つの課題のうち1つ目と3つ目を完登し、さらに2つ目の課題ではコース途中に設定されている「ゾーン」と呼ばれるポイントに達していたことが決定打となり、優勝を決めた。野中にとっては2018年4月にスイス・メイリンゲンで行われたワールドカップ以来、5年ぶりとなる優勝となる。このほか、2位には開幕まで500日を切ったパリ2024開催国であるフランス代表のオリアーヌ・ベルトンが、また3位には前週(4月23日)に東京・八王子で行われた今季ワールドカップ開幕戦で優勝したブルック・ラバトゥ(アメリカ合衆国)が、それぞれ2完登で表彰台に並んだ。
IFSCボルダーワールドカップ2023ソウル女子の表彰台ならびに日本代表の結果(最終ラウンド)は、以下の通り。
- 野中生萌
- オリアーヌ・ベルトン(フランス)
- ブルック・ラバトゥ(アメリカ合衆国)
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- 4位 松藤藍夢
- 12位 関川愛音
- 19位 森秋彩
▪️男子:楢崎智亜が2位で表彰台
男子のボルダーは天候不順によりスケジュールが変更され、予選と最終ラウンドがいずれも最終日の30日にまとめて行われた。
日本代表8名を含む計87選手がエントリーした予選は、女子と同様の競技フォーマットで行われ、5名のTEAM JAPANメンバーが上位20名による最終ラウンドへと進出した。
数時間のインターバルを置いて実施されたファイナルステージでは、Tokyo2020で4位入賞を果たしている楢崎智亜が2完登を達成して2位に入り、今季初のワールドカップ表彰台に上った。なお、優勝は、メジディ・シャールック(フランス)で、八王子での開幕戦に続いて、ワールドカップ2連勝を成し遂げている。
IFSCボルダーワールドカップ2023ソウル男子の表彰台ならびに日本代表の最終成績(最終ラウンド)は、以下の通り。
- メジディ・シャールック(フランス)
- 楢󠄀﨑智亜
- チョン・ジョンウォン(韓国)
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- 9位 井上祐二
- 12位 緒方良行
- 19位 通谷律
- 準決勝棄権 藤井快
なお、大会初日の28日には、男子と女子のスピード種目の予選および決勝が行われたが、日本代表は男女ともに予選敗退となっている。
▪️派遣日本代表選手(ボルダー)
JMSCA(日本山岳・スポーツクライミング協会)派遣選手