8月1日からスイス・ベルンで行われているIFSCクライミング世界選手権2023で、現地時間8月11日夜にボルダー&リード複合の女子決勝が行われ、日本代表の森秋彩(あい)が3位となり、上位3人に与えられるパリ2024オリンピック出場枠を獲得した(※)。
優勝はヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)、2位はジェシカ・ピルツ(オーストリア)。決勝に進出していた東京2020銀メダリストの野中生萌(みほう)は7位となった。
8人で行われた女子ボルダー&リード複合の決勝は、現地時間午後7時にボルダーからスタート。
4つ設けられた課題のうち、森はトップまでたどり着く「完登」1つ、課題の途中に設けられた最初のゾーン(ローゾーン)4つ、2つ目のゾーン(ハイゾーン)を2つ獲得して44.5ポイントの全体6位。一方の野中は最初の3つの課題でハイゾーンを獲得するにとどまったが、最後の課題では、決勝で唯一完登して54.4ポイントをマークすると5位で複合前半のボルダーが終了した。
後半のリードでは高さ15mの課題が用意され、3番手でボルダー3位(69ポイント)のジェシカ・ピルツ(オーストリア)が88.1ポイントの地点まで到達して合計157.1ポイントで暫定首位に踊り出すと、残りの選手たちはこのポイントを追いかけることに。
ピルツの次に登場した野中は、130度の壁の中盤に達したところでホールド(突起物)をつかむことができず落下。ボルダーとの合計で93.5ポイントとなった。7番手の森は、暫定3位に立っていたブルック・ラバトゥ(アメリカ合衆国)とのポイント差が93.3で、表彰台に立つためには最終ホールド近くまで到達することが求められる中、テンポ良く登り進めると完登目前まで上り詰め96.1ポイント。合計140.6ポイントで大きく順位を上げて、3位以内が確定。最終的に8番手のガンブレットが合計177.0ポイントで、ガンブレット、ピルツ、森の順位が決まった。
7位となった野中をはじめその他の日本代表選手は、秋に行われるクライミング・アジア予選でパリ2024オリンピック出場枠獲得を目指すことになる。
女子ボルダー&リード複合決勝の結果
- ヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)177.0
- ジェシカ・ピルツ(オーストリア)157.1
- 森秋彩(日本)140.6
- ブルック・ラバトゥ(アメリカ合衆国)137.8
- キム・ジャイン(大韓民国)106.2
- オリアン・ベルトーネ(フランス)93.8
- 野中生萌(日本)93.5
- アナスタシア・サンダース(アメリカ合衆国)69.7
※各国代表に関しては国内オリンピック委員会(NOC)が責任を持っており、パリ2024への選手の参加は、選手が属するNOCがパリ2024代表選手団を選出することにより確定する。