スポーツクライミング・ファンに朗報!
2023年シーズンの最初のIFSCワールドカップが、4月21日〜23日に東京・八王子で行われるボルダー(ボルダリング)の大会からスタートする。選手たちは世界各地を転戦した後、9月22日〜24日に中華人民共和国の呉江で予定されている大会でワールドカップを締めくくる。
2023年のワールドカップでは、ボルダー6戦、リード6戦、スピード6戦の計18戦が11カ国で行われる。
最初の3会場がアジアで、その後、アメリカ合衆国で1大会が実施された後、6月に戦いの舞台はヨーロッパへ。最後は再びアジアに戻り、中華人民共和国での最終戦を迎える。
ボルダーの戦いは4月の東京・八王子大会から始まり、6月のオーストリア大会で終了。その大会から今度はリードの戦いが始まる。スピードは4月のソウル大会から始まり、リードおよびスピードは9月の最終戦で戦いに幕を下ろす。
パリ2024オリンピックの出場権をかけては、8月の世界選手権と各種大陸予選(アジア予選は11月9日〜12日、インドネシアのジャカルタにて)がオリンピック予選としての位置づけとなっており、両大会でパリ2024出場権が割り当てられる。また出場権獲得の最後のチャンスとして2024年3月〜6月に予選大会シリーズが設けられている。このシリーズは、国際大会の成績やランキングをもとに選手が招待されるため、ワールドカップ2023シーズンの成績はオリンピックを目指す上で非常に重要なものとなる。
日本のボルダー&リード選手にとっては2023年7月10日時点のワールドカップの成績が、世界選手権の日本代表選考につながる。それまでのボルダー6戦、リード3戦が世界選手権、そしてその先のパリ2024を目指す上で特に重要な大会となる。
スポーツクライミング2023年ワールドカップの全日程
- 4月21日~23日:ボルダー(日本・八王子市)
- 4月28日~30日:ボルダー、スピード(大韓民国・ソウル)
- 5月6日~7日:スピード(インドネシア・ジャカルタ)
- 5月19日~21日:ボルダー、スピード(米ユタ州・ソルトレークシティ)
- 6月2日~4日:ボルダー(チェコ共和国・プラハ)
- 6月9日~11日:ボルダー(イタリア・ブレッサノーネ)
- 6月14日~18日:ボルダー、リード(オーストリア・インスブルック)
- 6月30日~7月2日:リード、スピード(スイス・ヴィラール・シュル・オロン)
- 7月7日~9日:リード、スピード(フランス・シャモニー)
- 7月14日~15日:リード(フランス・ブリアンソン)
- 9月8日~9日:リード(スロベニア、コペル)
- 9月22日~24日:リード、スピード(中華人民共和国・呉江)
スポーツクライミング2023年ワールドカップ・シーズン、注目のアスリートたち
女子リードでは、東京2020のオリンピック王者で、世界選手権で6度の優勝を誇るヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)は、今年も素晴らしいパフォーマンスを披露することだろう。優勝候補の筆頭に挙げられるガンブレットは、昨年はワールドカップのリード8大会で6度優勝して2年連続となる年間優勝。ガンブレットは今年、3連覇を達成するのか? それとも彼女を脅かす存在が現れるのか!?
日本の森秋彩(あい)は昨シーズン出場したリード2戦でガンブレットを撃破。茨城県出身の19歳がオリンピック金メダリストを相手に今シーズンの1戦1戦をどう戦うかが気になるところだ。
ボルダーでは、アメリカ合衆国のナタリア・グロスマンが昨年のワールドカップで5大会連続優勝を果たし、年間王者に輝いた。年間3位となった親友のブルック・ラバトゥ(アメリカ合衆国)や2位の野中生萌(みほう)、フランスのオリアン・ベルトーネ、セルビアのスターシャ・ゲヨも注目のアスリートたちだ。
男子ボルダーでは、昨年の年間王者に輝いた緒方良行を筆頭に、楢崎智亜、藤井快(こころ)といった日本勢が有力選手として存在感を示している。
オリンピック王者のアルベルト・ヒネス・ロペス(スペイン)は昨年ケガに苦しんだものの、新しいシーズンに向けて準備万端だ。
パリ2024オリンピックではスピードが独立種目となることから、今シーズンはインドネシアのキロマル・カティビンに注目が集まっている。彼は自身の持つ世界記録5秒00を更新することができるだろうか。
スポーツクライミング、その他の国際大会
スポーツクライミング・ファンは今年もエキサイティングな大会で忙しくなりそうだ。ワールドカップのほか、世界選手権が2023年8月1日〜12日にスイスのベルンで開催される。
この大会では成績に応じてパリ2024オリンピックの出場枠が与えられ、ボルダー&リード複合種目の男女トップ3選手、スピード種目の男女トップ2選手がオリンピック出場権を獲得する(1カ国が得られる出場枠は1種目につき最大2枠まで)。
また、夏に開催されるヨーロッパ競技大会、秋のパンアメリカン競技大会、アジア競技大会でもスポーツクライミングが実施される。そのうちパンアメリカン競技大会のスポーツクライミングはオリンピック予選という位置付けで行われる。
そのほか、オリンピック予選として各大陸別の大会が予定されている。
- 9月9日~10日:IFSCスピード・ヨーロッパ予選(イタリア)
- 10月27日~29日 IFSCボルダリング&リード・ヨーロッパ予選(フランス・ラバル)
- 11月3日~7日:IFSCアジア予選(インドネシア・ジャカルタ)
- 11月23日~26日:IFSCオセアニア予選、場所未定
- 12月14日~17日:IFSCアフリカ予選、場所未定
IFSCスポーツクライミング2023年ワールドカップ・シーズン
ワールドカップの模様はOlympics.comのOlympic Channelでライブ配信予定(見られない地域もある)。
また、国際スポーツクライミング連盟(IFSC)のパートナー放送局、YouTubeチャンネルでも放送・配信が予定されている。