**北京オリンピック**大会9日目の2月13日22:56(日本時間)に予定されているスピードスケート女子500m。
日本のスピードスケート女子を牽引する**小平奈緒と高木美帆の表彰台が期待されるが、米国代表のエリン・ジャクソン**も乗り込んでくる。
ジャクソンは今シーズン好成績を残し、メダル候補と目されているスケーターのひとりである。しかし、オリンピック出場が危ぶまれたこともあった……。
出場権を譲るというボウの決断
平昌オリンピックの女子500mで24位だったエリン・ジャクソンは、2021年11月、スピードスケートのワールドカップで黒人女子選手として初勝利を飾った。その勢いは続き、今シーズンの女子500mで8戦中4勝をあげ、北京2022で金メダルの大本命と目されるように。
ジャクソンは優勝候補の筆頭として国内選考会(1月5〜9日)に挑んだが、結果は3位。米国が女子500mで確保していた出場枠2枠は、1位の**ブリタニー・ボウ**と2位のキミ・ゲッツの手に渡った。
ジャクソンが北京オリンピックに出られない……。その事実を悲しんだのは本人だけではなかった。1000mと1500mでも出場条件をクリアしているボウが、同じフロリダ出身の友人であるジャクソンに500mの出場権を譲ることを決めた。
ボウは大会後、「エリンがオリンピックで滑るために、私にできることがあればどんなことでもしたいと思っていました」とジャクソンへの思いを語った。
友情関係によって出場権を得たジャクソンは、「私はとても親しい友人から贈り物をもらったようなものです」と喜びをかみしめ、「お互いに表彰台の頂点に立ち、その瞬間を共有できれば、それに勝るものはありません」と、大会での活躍を誓った。
話はここで終わらない。この数週間後、出場枠の再分配により米国にもう1枠与えられ、ブリタニー・ボウも500mに出場することが決まったのだ。
2月13日22:56(日本時間)に予定されている女子500m。ジャクソンやボウをはじめ、多くの選手が自身のスートーリーを抱えて戦いの舞台に挑む。その瞬間をお見逃しなく。