女子は深田茉莉、岩渕麗楽がワンツー、男子は長谷川帝勝がスノーボード・ビッグエア開幕戦優勝! スイス・クール大会

スイス・クールで幕を開けたスノーボード・ビッグエアのワールドカップ。開幕戦で優勝を飾った深田茉莉は、「オリンピックのための大事の年だから、いい結果を残せてよかったです」と語った。

1 執筆者 Chiaki Nishimura
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(buchholz/@fisparkandpipe)

スノーボード・ビッグエアのワールドカップ開幕戦が10月19日、スイスのクールで行われ、女子は深田茉莉(まり)、岩渕麗楽(れいら)がワンツーで表彰台に立った。3位はローリー・ブルーアン(カナダ)。深田はワールドカップ初出場初優勝となった2022年12月のコッパーマウンテン大会以来、ワールドカップ2勝目を挙げた。また、オリンピック2連覇中のアンナ・ガッサーは予選で敗退した。

一方男子は、長谷川帝勝(たいが)が2位のロッコ・ジェイミソン(ニュージーランド)におよそ14点差をつけて優勝。3位にロメイン・アルマンド(フランス)が続いた。10月23日に19歳の誕生日を迎える長谷川は、2023年12月のカナダ・エドモントン大会以来、3度目のワールドカップ優勝となった。

(Marcel Laemmerhirt/@bigairchur)

女子決勝は8人のうち半数が日本選手

ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックのプレシーズンとして幕を開けたスノーボード・ビッグエアのワールドカップ2024/2025シーズン。

現地時間午後8時に始まった決勝は、同日午前中に行われた予選(30人出場)を通過した8人で実施され、2位通過の深田のほか、岩渕、北京2022オリンピックのビッグエアで日本勢として初めて銅メダルに輝いた村瀬心椛(ここも)、鬼塚雅(みやび)が登場した。8人中半数が日本勢という、日本の強さを示す形で行われた決勝で、特にその存在感を発揮したのが17歳の深田だ。

深田は1本目でフロントサイド1080ウェドルグラブを決めて暫定2位に立つと、2本目ではスイッチバックサイド1260ジャパングラブを見事に決めて同日の女子決勝最高の94.00点をマーク。2本合計181.50 でトップに立った深田は、3本目でもその位置をキープして久々の優勝を手繰り寄せた。ウィニングランとなった3本目では、スイスの国旗を掲げてジャンプ台から飛び出し、観客から大きな声援を浴びた。

また、2本目終了時点で6位に沈んでいた岩渕は、3本目で84.25をマークして一躍2位に浮上する勝負強さを見せ、準優勝を決めた。

決勝後、Olympics.comのインタビューにこたえた深田は、「前回優勝したのが2、3年前なのですごく嬉しいです」と話し、来シーズンに控えるミラノオリンピックに向けて、「オリンピックのための大事の年だから、いい結果を残せてよかったです」と笑顔で語った。

スノーボード・ビッグエアのワールドカップ開幕戦で優勝した長谷川帝勝(中央)、準優勝のロッコ・ジェイミソン(左)、ロメイン・アルマンド(右)=2024年10月19日、スイス・クール

(Marcel Laemmerhirt/@bigairchur)

一方、男子予選(46人出場)を首位で通過していた長谷川は、2本目終了時点で表彰台圏外の4位に立っていたものの、最終3本目でフロントサイド1800インディグラブを決めて暫定首位に浮上。残り3人が最後の試技を行ったが、長谷川のスコアを上回ることができず、長谷川の優勝が確定。笑顔で勝利を祝った。

長谷川はOympics.comのインタビューに英語でこたえ、「とても嬉しいです。初めてのこのワールドカップ(2021年)で足首の骨を折って、この日が来るとは思わなかったけど、ランを成功させれば勝てると自分に言い聞かせていた」と喜びを語り、来季のオリンピックに向けて、「オリンピックでは自分が勝ちます」と目標を宣言した。

ビッグエアのワールドカップは全5戦が予定され、次戦は11月30日〜12月1日に中華人民共和国・北京で行われる。

スノーボード・ビッグエア スイス・クール大会、決勝の結果

女子ビッグエア

  1. 深田茉莉(日本)181.50
  2. 岩渕麗楽(日本)167.50
  3. ローリー・ブルーアン(カナダ) 163.00
  4. 村瀬心椛(日本)150.75
  5. ミア・ブルックス(英国)144.25
  6. ハンネ・アイレットセン(ノルウェー)92.25
  7. ユ・スンウン(大韓民国)85.00
  8. 鬼塚雅(日本) 80.25

鈴木萌々(もも)、村瀬由徠(ゆら)は予選で敗退し、鈴木は最終23位、村瀬由徠は26位。

詳細はFISウェブサイトにて

男子ビッグエア

  1. 長谷川帝勝(日本)177.25
  2. ロッコ・ジェイミソン(ニュージーランド)163.50
  3. ロメイン・アルマンド(フランス)158.00
  4. イアン・マテオリ(イタリア)145.50
  5. ヤコブ・ホロネス(チェコ共和国)132.25
  6. 荻原大翔(日本)109.25
  7. リ・ドンホン(大韓民国)108.00
  8. マーカス・クリーブランド(ノルウェー)93.50
  9. ライオン・ファレル(ニュージーランド)91.00
  10. ジョビン・フランシス(カナダ)52.25

濵田海人(かいと)は予選11位で惜しくも決勝進出を逃し、宮村結斗(ゆうと)は25位、飛田流輝(るき)は30位、木俣椋真(りょうま)は40位となった。

詳細はFISウェブサイトにて

スノーボード・ビッグエア、ワールドカップ2024/2025の全日程

  • 第1戦 10月19日 スイス・クール大会
  • 第2戦 11月30日〜12月1日 中華人民共和国北京大会
  • 第3戦 1月3日〜5日 オーストリア・クラーゲンフルト大会
  • 第4戦 1月9日〜11日 オーストリア・クライシュベルク大会
  • 第5戦 1月30日~2月6日 アメリカ合衆国アスペン大会

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