小野寺吟雲は「大会のたびに良くなっている」絶対王者ナイジャ・ヒューストンが語る/パリ2024スケートボード

執筆者 Chiaki Nishimura
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写真: Atiba Jefferson / World Skate

7月26日に開会式を迎えるパリ2024オリンピック。大会第1日となる27日に予定されているスケートボード男子ストリートのアメリカ合衆国代表チームが25日に記者会見を行い、絶対王者的存在のナイジャ・ヒューストンが出席した。

その中で、ヒューストンは表彰台候補の選手3人を擁する日本代表チームについて聞かれると、「彼らはすごい。ここ数年、日本人スケーターがどんどん出てきて、しかもみんな上手い」とし、「彼らはどんなときだって完璧だから、他のスケーターはすべてをぶつけなければならない」と続けた。

スケートボード男子ストリートでは、東京2020オリンピック金メダリストの堀米雄斗、オリンピック2大会連続出場の白井空良(そら)、14歳の小野寺吟雲(ぎんう)が日本代表として出場する。

ヒューストンは若き小野寺の名前をあげ、「特に吟雲は、大会を重ねるごとに良くなっている。昨日、彼の練習を見ていたんだ。以前は小さな障害物でやっていたトリックを、毎回大きな障害物でやってのけるいるんだ。数年後にどんなことをするだろうね。成長したら、すごいことになると思うよ」と続けた。

小野寺吟雲「妹に見せてあげたい」

「Ginwoo」の愛称で親しまれる小野寺は2010年生まれの14歳。5歳の頃に初めてスケートボードに出会い、数年後に本格的に滑り始めると、8歳で国際大会への参加を開始。その素質はすぐに人々の目にとまるようになり、2022年11月に行われた日本選手権に初めて参加して初優勝を果たした。日本代表としてエントリーした2022年(2023年開催)の世界選手権では堂々の3位。その後も国際大会で成績を残し、パリ2024オリンピック日本代表最大3枠という狭き門をくぐり抜けてオリンピック出場を決めた。

スケートボードの最終予選となったオリンピック予選シリーズ(OQS)の上海大会およびブダペスト大会では、各国でのオリンピック代表争いが激化して多くのスケーターがプレッシャーを感じる中での戦いを強いられたが、小野寺は圧倒的な集中力で数々のトリックを決めると、パリ2024メダル候補として一気に浮上した。

小野寺は6月の予選最終戦・ブダペスト大会でオリンピック出場を決め、パリには「妹も来るから、見せてあげたい」と語り、「全力で自分のスタイルで頑張りたい」と抱負を語った。