スケートボード・白井空良、世界を沸かせる空良スタイル

東京オリンピックから1年、スケートボーダーの白井空良は1年前の悔しさを原動力に、躍進を続けている。

文: Chiaki Nishimura
写真: 2022 Getty Images

多くのスケートボーダーらは難易度の高い技を決めた瞬間に両手を上げ、時に自分でも信じられないというような表情で喜びを表現する。笑顔が入り混じった彼らの満足げな表情につられ、会場が一体となって沸くその瞬間は、スケートボード大会観戦の醍醐味のひとつだ。

神奈川県を拠点とする白井空良(しらい・そら)は、そんなシーンを多く生み出すアスリートのひとりだ。だが、白井が世界のファンを魅了するのは成功したシーンだけではない。

例えば公式練習中に技が失敗したときでさえ、白井は悔しがると同時に挑戦した喜びを、あるいはスケートボードの楽しさを体で表現する。そして、それが観客にも興奮となって伝播するのである。

Olympics.comでは、2年後のパリオリンピックに向けて躍進を続けている白井空良に注目した。

東京での悔しさ

「東京オリンピックで悔しい思いをしたので、パリオリンピックまではちゃんとポイントを稼いで、東京の悔しさをパリにぶつけられたらいいなと思います」

7月にイタリア・ローマで行われたオリンピック予選の最初の大会で、Olympics.comが白井にマイクを向けると、白井はパリに向けた目標を迷うことなく明言した。

1年前の春、同じくローマで開催されたストリート世界選手権で3位となり、東京オリンピック代表の座を掴んだ白井は、堀米雄斗青木勇貴斗とともに男子ストリート種目に出場した。結果は、思うように得点を伸ばすことができず予選9位。8選手で行われる決勝に届かず、当時19歳だった白井の最初のオリンピックが終わった。

白井空良、独自のスタイル

あれから1年を迎えようとしていた4月、白井は日本で初めて開催されたXゲームズ千葉で堂々の3位。自分の決めたかった技を決めた嬉しさを語る一方、「悔しかったけどね!」と明るく爽やかに語る白井を目にした人も多いだろう。

この喜びと悔しさは、世界トップレベルの選手が集結するストリートリーグ「SLS」の予選大会へと繋がっていく。

トップ選手らが名を連ねているSLSでは、本戦となるシリーズ戦が始まる前に予選大会が行われ、その優勝者がシリーズ戦への出場権を獲得する。白井は6月初旬にロサンゼルスに渡り、本戦参加1枠をかけた予選大会に出場。そして見事その座を掴み、今年の7月に行われた第1戦(米ジャクソンビル)に参戦したのだった。

SLSの説明を付け加えておくと、SLSでは7月から10月にかけて同じメンバーで3戦を行い、上位8選手(男女各4)が自動的に11月にブラジルで行われる最終戦(スーパークラウンファイナル)への出場権を獲得する(スーパークラウンファイナルは男女各8選手で行われ、残りの男女各4枠はファイナル前に行われるラストチャンスクオリファイヤーで決まる)。

予選から唯一勝ち抜いた白井は、7月16日、17日の第1戦で、堀米に続く2位という好成績を収めたのみならず、「ベストトリック」では第1戦で最高得点となる9.6点を叩き出し、会場を沸かせた。

「みんながやっていない技だったり、みんなが考えないような技を自分はやっていると思うので、そういうところを見てもらいたい」

自分のスタイルをこう説明する白井は、誰もやらないような技への挑戦を楽しむことに加え、その技で観客を楽しませようとしているような印象も与える。おそらくそれが、観客が白井空良に魅了される理由のひとつと言えるだろう。

8月13日、14日に米シアトルで開催されるSLSの第2戦、白井は再びその舞台に立つ。

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