スケートボード・中山楓奈インタビュー、次なるレベルへ

東京オリンピックで新たに加わったスケートボード競技ストリートで銅メダルを獲得した中山楓奈。およそ1年が過ぎた今、さらなる高みを目指し海外を転戦している。

文: Chiaki Nishimura
写真: 2022 Getty Images

スケートボードの大会では、大会が行われるパークでの練習が許されると、限られた練習時間の中で選手らは各所に設けられたセクションやパーク自体の感触を確かめ、そこで「何ができるのか」と考えながら自分の「ラン」を構成していく。

多くの選手らが実際に滑って練習する中、選手によっては障害物の近くに立って思考を巡らせる様子も見受けられる。無意識か意識的にか、そのプロセスに人一倍時間を費やしているのが中山楓奈(ふうな)である。2005年生まれ17歳の中山は、ある時はあたかも障害物と対話するかのように身動きひとつせずじっと佇み、ある時はデッキを手に抱えてレールを滑らせ、パークと向き合っていく。

東京オリンピックのスケートボード・ストリートで銅メダルを獲得してから1年。スケートボードを一言で表すと「生活の一部」と迷いなく応えた中山は、進化を続けるため海外での大会を転戦している。

ローマで7月に行われたパリ2024オリンピックの最初の予選大会となったストリート・スケートボード・ローマ2022の後、中山楓奈がOlympics.comのインタビューに応え、今の思いを語った。

観客として東京2020に行くはずが…

スケートボードがオリンピック競技として東京2020で新たに実施される。そんなニュースが多くの人のもとに伝わったのは2016年8月のことだ。

そのとき中山は11歳。スケートボードを経験していた父親の影響でスケボーを始め、9歳の誕生日にデッキ(板)を買ってもらったという未来のスターは、スケートボードがオリンピック競技として実施されるというニュースに触れ、こんなことを思ったという。

「そのときは本当に初心者っていうか、始めたばっかりだったから、観客として見に行きたいなっていう感じでした」

「観客」として見に行きたいとオリンピックを夢みた少女は、5年後に行われたその舞台に選手として立ち、銅メダルを実家のある富山に持ち帰ったのだった。

不安を乗り越えて

東京2020での銅メダルにとどまらず、Xゲームズや世界トップ選手が集うストリートリーグでも好成績を残してきた中山だが、それでも大会となれば不安に襲われることもある。

Olympics.comが話を伺ったローマの大会で、中山はシード選手として予選が免除されたため、初めてパークを滑ったのは大会4日目になってからだ。

「(大会が始まってすぐのときは)シードで滑れなくて、なんか遅れてる感じっていうか。予選からの子は練習して(パークに)慣れててめちゃくちゃ攻めてるけど、自分は見てるだけで、すごい不安でした」

「(練習の)1日目滑ってとりあえず全部のセクションに入れたけど、大会までに勝てるランっていうか、勝てる技ができるのかなって」

不安な気持ちを支えてくれたのは、電話越しに話した家族や同じスケーター仲間だった。

「親に電話したり、友達とかいろんな人に話しかけたりして、できるだけ緊張しないようにしてました」

初めは焦りを感じていたものの、時間が経つにつれパークとの相性の良さを実感。「今回のセクションがすごい滑りやすくて、楽しく滑れるパークだなと思いました」。

決勝直後には「楽しそうに滑って、自分のやりたい技も決めれるように頑張ろうって思ってました」と語った通り、本番ではランの途中で笑顔が見られるシーンもあり、最終的に東京2020金メダリストの西矢椛や銀メダリストのライッサ・レアウを抑えて、表彰台の頂点に立った。

スケーター仲間と勝利の喜びを分かち合った中山楓奈(中央)=2022年7月3日、イタリア・ローマ
写真: 2022 Getty Images

言葉の壁を超えて楽しめるスケートボード

時に支えてくれ、時にライバルとなるスケーター仲間。中山にとって彼らはどんな存在なのだろうか。

「ライバルだけど、相手が乗ったら嬉しい。嬉しいっていうか、悔しい気持ちもあるけど、 すごい嬉しいし、拍手とかグータッチとかして、楽しく滑れる」

「スケートボードは言葉とかが伝わらなくても、みんなで楽しく滑れる競技なので楽しい」

こうした仲間の存在は、中山をより高いレベルへと押し上げる存在でもある。

「オリンピックが終わってから、すごい女子のレベルが上がってるから、もっともっと練習して技を増やしていかなきゃなって思ってます」

中山は7月20日〜24日の日程で米カリフォルニアで行われるXゲームズに参戦予定。中山が出場する女子ストリートは7月24日に予定されており、日本からは西矢椛織田夢海西村碧莉、ブラジルのスター、ライッサ・レアウパメラ・ローザ、オーストラリアの新星で12歳のクロエ・コベルらが招待されている。

Xゲームズはオリンピック予選大会には含まれておらず、次の予選大会は2022年10月9日〜16日の日程でブラジル・リオデジャネイロで開かれるストリート世界選手権となっている。選手らは予選大会の結果でポイントを獲得し、それがオリンピック世界スケートボードランキングに反映される。

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