(Getty Images)
全仏オープンテニスで14度の優勝回数を誇る絶対王者、ラファエル・ナダル(スペイン)の姿を、今年はスタッド・ローラン・ギャロスのクレイコートで見ることができない。2004年から連続出場を果たしていたが、1月の全豪オープンで左股関節を痛め、その回復が見込めないことから欠場となった。
昨年の王者、ナダルの不在により、男子シングルスで注目を集めるのは、現在世界ランキング1位、20歳になったばかりの新鋭、カルロス・アルカラス(スペイン)と、本大会で過去に2度(2016年、2021年)優勝しているベテラン、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)だ。
全仏オープンでは、これまでベスト8が最高位だったアルカラスは初のタイトルを狙う。その一方で、ジョコビッチはグランドスラム(四大大会)シングルス通算勝利数でナダルを抜く男子最多の23勝目を目指し、女子シングルスで23勝を挙げているセリーナ・ウィリアムズ(アメリカ合衆国)に並びたいところだ。
女子シングルスでは、2020年と昨年優勝のイガ・シフィオンテク(ポーランド)に連覇の期待がかかる。昨年8月の全米オープンでグランドスラム3勝目を挙げ勢いに乗るが、前哨戦となった5月中旬のイタリア国際(ローマ)で対戦したエレナ・リバキナ(カザフスタン)との準々決勝で太腿を痛め、この時は棄権している。今大会には支障はないと述べているが気になるところだろう。ローマで優勝したリバキナは、昨年のウィンブルドンを初制覇し、今大会でも注目されている。
また、今年の全豪オープンでグランドスラム初優勝を果たし、5月上旬のマドリードオープンでシフィオンテクを決勝で破っているアリナ・サバレンカ(ベラルーシ)にも注目が集まる。
日本からは、男子シングルス世界ランキング32位の西岡良仁、同110位のダニエル太郎が本戦に出場する。また、女子ダブルスには、昨年の全仏オープン混合ダブルスで優勝を成し遂げた柴原瑛菜(えな)、柴原とペアを組み今年の全豪オープン女子ダブルスで準優勝した青山修子ら、男子ダブルスには西岡とマクラクラン勉が出場する予定だ。
以下、全仏オープンテニス2023の見どころ、日程、放送・配信予定を紹介しよう。
絶対王者ナダルが股関節の故障のため欠場する今年の全仏オープン。赤土のコートで新しい王者に輝くのは誰だろうか?
男子シングルスでは、アルカラスとジョコビッチがまずは注目されるところだ。ドロー(トーナメント)のトップハーフ第1シードのアルカラスと第3シードのジョコビッチの2人は、勝ち進むことによって、準決勝で対戦することになる。
20歳のアルカラスは、クレイコートのバルセロナオープンとマドリードオープンで勝っており、赤土コートで戦う準備が整っていたものの、イタリア国際では、3回戦で世界ランキング135位のファビアン・マロジャン(ハンガリー)に敗北を喫している。
一方、ジョコビッチは、グランドスラム男子シングルス通算最多勝利数でナダルを抜くチャンスを迎えようとしているが、今シーズンのクレイコートでの成績は5勝3敗。イタリア国際では、ホルガ・ルーネ(デンマーク)に屈している。
イタリア国際準優勝のルーネは、今大会第6シード。現在世界ランキング6位の20歳は急成長中だ。ドローのボトムハーフを勝ち進めば、準決勝で第2シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)と当たる可能性が大きい。
イタリア国際でクレイコート初優勝を果たしたメドベージェフは、ジョコビッチを跳び越えて世界ランキング2位に浮上。今年はすでに5勝を挙げており、今大会の出場選手中トップの成績だ。ドローのボトムハーフを勝ち進むことによって、トップハーフのアルカラスあるいはジョコビッチのどちらかと決勝で対戦することになるかもしれない。
昨年の全仏オープン準優勝、世界ランキング4位のキャスパー・ルード(ノルウェー)からも目が離せない。昨年は全米オープンでも準優勝だったルードは、悲願のグランドスラム初勝利を目指す。
その他、全仏2021年大会準優勝のステファノス・チチパス(ギリシャ)、東京2020金メダリストのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)、アンドレイ・ルブレフ(ロシア)、ヤニック・シナー(イタリア)ら強豪選手にも注目だ。
日本勢は、世界ランキング32位の西岡良仁(第27シード)、同110位のダニエル太郎が5月28日(日)から始まる本戦に出場する。西岡とダニエルにとって、今回は全仏オープン7度目のチャレンジ。昨年は2人とも1回戦で敗れているが、今回はひとつでも多く勝ち進みたいところだ。1回戦では、西岡は同49位のJ・J・ウルフ(アメリカ合衆国)、ダニエルは同85位のクリストファー・オコネル(オーストラリア)と対戦する。
なお、5月22日(月)から始まっていた男子シングルス予選には、綿貫陽介、内田海智(かいち)、野口莉央(りお)、望月慎太郎の4名が出場したが、予選決勝に進めず敗退している。
また、5月30日(火)から始まる男子ダブルスには、西岡良仁とマクラクラン勉が出場する。
今年のローラン・ギャロス女子シングルスでは、世界ランキング1位のシフィオンテク、同2位のサバレンカ、同3位のジェシカ・ペグラ(アメリカ合衆国)、同4位のリバキナのトップシードの4人の戦いにまずは注目だ。今年、シフィオンテクはシュトゥットガルトオープン、サバレンカはマドリードオープン、リバキナはローマオープンで、それぞれクレイコートを制している。
ペグラの女子ダブルスでのパートナー、全仏オープン2022年大会準優勝のココ・ガウフ(アメリカ合衆国/同6位)は、今シーズン、クレイコートでの成績が3勝3敗とやや苦戦を強いられているが、19歳の若さはさらなる成長を見せるだろう。
グランドスラムで2度(全米オープン、ウィンブルドン)の準優勝の成績を残しているオンス・ジャバー(チュニジア/同7位)はフランスでメジャー初優勝を目指す。キャロリン・ガルシア(フランス/同5位)は、母国での上位入賞が期待される。
マリア・サッカリ(ギリシャ/同8位)、ダリア・カサトキナ(ロシア/同9位)、全仏オープン2021年大会覇者、バルボラ・クレイチコバ(チェコ/同13位)、同2017年大会覇者、エレナ・オスタペンコ(ラトビア/同17位)ら強豪選手らの活躍も注目される。
女子シングルス予選には、日比野菜緒、本玉真唯(まい)、内島萌夏(もゆか)、坂詰姫野、細木咲良(さくら)の5名が出場したが、内島以外はすでに敗退。内島は、5月26日(金)に予選決勝でアランチャ・ラス(オランダ)と対戦し、本戦出場を目指す(*)。
*内島はラスに敗れ、本戦出場とはならなかった。
また、5月31日(水)から始まる女子ダブルスには、昨年の全仏オープン混合ダブルスで優勝を成し遂げた柴原瑛菜、柴原とペアを組み今年の全豪オープン女子ダブルスで準優勝した青山修子の他、穂積絵莉(えり)、二宮真琴(まこと)、加藤未唯(みゆ)の5名が出場する。穂積と二宮のペアは、全仏オープン2018年大会で準優勝に輝いている。
パリ2024では、テニスのホスト会場となるスタッド・ローラン・ギャロス。歴史的なこのクレイコートで、オリンピックの熱い戦いが繰り広げられることだろう。
5月28日(日)から始まるトーナメントは、6月7日(水)までの毎日11時00分(日本時間18時00分)から開始される。ただし、試合が行われる4つのコートのひとつ、コート・フィリップ・シャトリエ(センターコート)では、5月29日(月)から6月7日(水)まで、12時00分からと20時30分(日本時間翌日3時30分)以降に試合が行われる予定だ。
全仏オープンテニス2023全日程(英語)
*大会初日から最終日まで連日生中継・ライブ配信予定