ラファエル・ナダル、現役引退…記録やメダル、偉業を辿る

デビスカップを最後に現役を引退したテニスのラファエル・ナダル。史上最も偉大なテニスプレーヤーのひとり、ナダルのキャリアを決定づけた栄誉、功績の数々を紹介しよう。

1 執筆者 Nischal Schwager-Patel
Rafa Nadal Paris 2024
(2024 Getty Images)

ラファエル・ナダルテニス界においてすべてのことをやってのけた。

テニス史上最も偉大なプレーヤーのひとりであるナダルは、勝つべきものはすべて勝ち取り、テニスの黄金時代を築いた。

男子シングルスでキャリア通算92勝の中にはグランドスラムでの22勝、全仏オープンでの14勝、2008年北京オリンピックでの金メダルが含まれている。

また、リオ2016オリンピックのダブルスでも金メダルを獲得し、国別対抗戦デビスカップでは4つのタイトルを獲得した。

ラファエル・ナダルは2024年11月19日、マラガで行われたデビスカップでスペイン代表として戦い、準々決勝でオランダ代表に敗れ、そのキャリアに幕を下ろした。

23年間というナダルのプロテニス人生において彼が手にした栄誉、記録、功績を紹介しよう。

ラファエル・ナダル、男子シングルスで92勝

(Clive Brunskill/Getty Images)

ラファエル・ナダル、赤土の王

ナダルは四大大会の男子シングルスでノバク・ジョコビッチの24勝に次ぐ22勝をあげ、そのうちの半分以上は、彼の代名詞ともなった全仏オープンでのものだ。

およそ18年間にわたって全仏オープンが行われるローランギャロスで圧倒的な存在感を放ち、14勝を挙げた。

2021年には同地に彼の銅像が建立され、赤土の王の名にふさわしい地位は確固たるものとなった。そしてパリ2024オリンピックでの最後の試合はメインコートのコート・フィリップ・シャトリエで行われた。

四大大会では全仏オープンのほかに、全米オープンで4度優勝し、全豪オープンとウィンブルドンで2度ずつトロフィーを掲げている。

中でも印象的なのは、2008年のウィンブルドン決勝。当時5連覇中だったロジャー・フェデラーをフルセットの末に破り、勝利を挙げた。

オリンピック金メダリスト、ラファエル・ナダル

マヨルカ島マナコルに生まれたナダルは、スペイン代表として20年間のキャリアの中でオリンピックに4度出場した。

2004年アテネ大会でデビューし、2008年北京大会では男子シングルスで金メダルを獲得。2016年リオ大会の男子ダブルスでは、マルク・ロペスとともに金メダルに輝き、開会式ではスペインの旗手も務めた。

また、パリ2024の開会式では、フランスの伝説的サッカー選手ジネディーヌ・ジダンから聖火を受け取り、聖火ランナーのひとりとしてファンを驚かせた。

ナダルのオリンピックとの別れもローランギャロスだった。男子シングルス2回戦でライバルのジョコビッチに敗北。彼のオリンピックでの最後の試合は、カルロス・アルカラスと組んだ男子ダブルスだった。

ラファエル・ナダル、ダブルスおよび団体での17勝

ナダルの数え切れないテニス記録

ナダルは24歳ときにキャリア・ゴールデンスラムを達成し、これは男子選手として最年少記録である。キャリア・ゴールデンスラムと同時に、オリンピックのシングルスとダブルスで金メダルを獲得した唯一の選手でもある。

また、全仏オープンのタイトル獲得数だけでなく、ATPツアーのモンテカルロとバルセロナでは、それぞれ11勝と12勝を挙げ、最も成功した選手となった。

2005年4月から2007年5月にかけて、ナダルはクレーコートで81連勝した。また、2010年には同一年に3つのサーフェス(コート)でメジャーを制覇するサーフェススラムを達成し、2度にわたってチャネルスラム(全仏オープンとウィンブルドンを同一年に制覇)を達成した。

パリ2024オリンピックの開会式で聖火を掲げたナダル

(Lintao Zhang/Getty Images)

ラファエル・ナダルが手にした栄誉

  • 209週間ATP世界ランキング1位
  • ATP年間最優秀選手 5度
  • ITF世界チャンピオン 5度
  • スペイン国民スポーツ賞受賞 3度
  • 2006年ローレウス世界スポーツ賞年間最優秀成長選手
  • 2008年アストゥリアス皇太子賞受賞
  • 2013年ATP年間最優秀復帰選手
  • 2014年ローレウス世界スポーツ賞年間最優秀復帰選手
  • ローレウス世界スポーツ賞年間最優秀男子選手賞2度
  • 2019年デビスカップ最優秀選手
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