アルペンスキー、2021/2022 注目ポイントは?  

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、昨シーズンヨーロッパに留まっていた「ホワイトサーカス」が、北米に戻ってくる!今季のみどころと、男女注目選手をチェックしよう。

文: Alessandro Poggi
写真: 2021 Getty Images

2021/2022シーズンのFISアルペンスキーワールドカップは、2000年以降開幕戦として毎年恒例となっているオーストリアのゼルデンにあるレッテンバッハ氷河を会場に、10月23日と24日男女ジャイアントスラローム(大回転)から幕を開ける。

ここ数年偏った種目の試合日程が続いていたが、今シーズンは、高速系(ダウンヒル、スーパーG)と技術系(ジャイアントスラローム、スラローム)それぞれ18大会と、混合団体パラレルのチーム戦1大会が開催される。2シーズン連続でアルペン複合は実施されない。

今シーズンは各種目の開催回数がより均等になったことで、クリスタルグローブの争奪戦がこれまで以上に激化することが予想される。女子は、スロバキアのペトラ・ブルホバが、歴代チャンピオンのミカエラ・シフリン(アメリカ)とララ・グート・ベーラミ(スイス)を抑えて再び総合優勝を狙うほか、男子はワールドカップ覇者のアレクシ・パンテュロー(フランス)を筆頭に、スイスの新星マルコ・オーデルマットやオーストリアの高速系種目エースであるビンセント・クリヒマイヤーなどが出場する。

1年間北米のゲレンデから遠ざかっていたワールドカップサーキット『ホワイトサーカス』だが、今季はカナダのレイク・ルイーズ(男子:11月23日~28日、女子:11月30日~12月5日)、アメリカのキリントン(女子:11月27日~28日)とビーバー・クリーク(男子:12月1日~5日)で開催される。

2022年北京オリンピックのアルペンスキーは2022年2月6日〜19日の日程で、延慶ゾーンに新設された国家アルペンスキーセンターで行われる。

北京大会後、ワールドカップは2月下旬に再開され、2023年世界選手権の開催地であるフランスのリゾート地クールシュヴェルとメリベルで、ファイナルが3月に開催される。

ではここで、新シーズンを迎えるにあたり押さえておくべき情報を見てみよう。

ミカエラ・シフリン(アメリカ):2021年FISアルペンスキー世界選手権コルティナ
写真: 2021 Getty Images

シフリンとグート・ベーラミが、ブルホバの総合優勝奪還を狙う

昨シーズン、ブルホバはスロバキア人として史上初となる女子総合優勝を果たした。

悪天候による大会キャンセルで、最終的に技術系種目がスピード系種目よりも4つ多く(17対13)開催されたことが優勢となり、スラローム(回転)のスペシャリストであるブルホバは、多彩な才能を持つベテランのグート・ベーラミに160点差で勝利した。

今シーズン女子は、4種目・9試合が開催されるめ、グート・ベーラミをはじめ、オリンピックのダウンヒル(滑降)チャンピオンであるソフィア・ゴッジャ(イタリア)や、コルティナで開催された2021年世界選手権金メダリストのコリンヌ・スター(スイス)など、高速系種目のエキスパート達にもチャンスが広がっている。

腰痛の問題と戦ってきた過去シーズンと、父の死を乗り越えて今シーズンに挑むシフリンのクリスタルグローブの獲得にも再び期待が高まる。2度のオリンピックチャンピオンでワールドカップ3度の総合優勝の実績を持つ彼女は、イタリアで開催された前回の世界選手権で4つのメダルを獲得、6つのレースで表彰台に上がり、調子を取り戻してきている。

多才なミシェル・ギザン(スイス)、2度の世界チャンピオンのカタリナ・リンスベルガー(オーストリア)、そしてイタリアのマルタ・バッシーノフェデリカ・ブリニョネも、クリスタルグローブ獲得の可能性がある選手として注目したい。

マルコ・オーデルマット(スイス)2021年ワールドカップシーズン総合2位
写真: 2021 Getty Images

総合優勝候補のパンテュロー、オーデルマット、 キルデ

ディフェンディングチャンピオンとして男子総合優勝を狙うパンテュローも、厳しい戦いを強いられる。

パンテュローはオールラウンダーとして最も優れた選手のひとりだが2021/2022年開催大会は、ダウンヒルが11本あり(レイク・ルイーズ、ウェンゲン、キッツビュールの3つの難関「ダブルス」を含む)彼の得意なジャイアントスラローム(大回転)よりも、スラロームの方が多い(8対10)。

18の高速系種目が開催されるため、ドミニク・パリス(イタリア)のような真のダウンヒラーや、オーストリアのマティアス・マイヤークリヒマイヤーのようなパワフルなスキーヤーが総合優勝を狙うチャンスが増える。よりバランスのとれたレースカレンダーになれば、昨年準優勝のオーデルマットやクリスタルグローブを獲得したアレクサンデル・アーモット・キルデ(ノルウェー)のように、より多くの種目で安定した成績を残すことができるだろう。

もうひとりの注目選手は、マルコ・シュワルツ(オーストリア)だ。昨年はスラロームで7回表彰台にあがり(うち2回優勝)種目別クリスタルグローブを勝ち取るなど、これまでで最高のシーズンとなった。インスブルック2012冬季ユースオリンピックで2つの金メダルを獲得したシュワルツは1年前総合3位となり、コルティナで開催された世界選手権のアルペン複合で金メダルを獲得。スピード系種目でもポイントを獲得できることを証明した。

ルーカス・ブローテン(ノルウェー):2000年代生まれの男子スキーヤーとして初めてワールドカップ優勝
写真: 2020 Getty Images

新鋭ブラーテン、ロビンソン、マクグラスの登場

才能ある若手選手たちもランキング入りをしてきている。

リンゼイ・ボンの元コーチであるクリス・ナイトに指導を受ける19歳のアリス・ロビンソン(ニュージーランド)は、トップランカーが出場するワールドカップ参戦4年目となる。前シーズン後半にレンツァーハイデで開催されたワールドカップファイナルで、ジャイアントスラローム通算3勝目を挙げ、今後さらに安定した成績を残せるかに期待がかかる。

最高の若手有望選手を擁するノルウェー勢にも注目したい。昨シーズンゼルデンで、21歳のルーカス・ブラーテンが2000年代生まれの男子スキーヤーとして初めてワールドカップで優勝。また、彼の友人であるアトレ・リー・マクグラスは、12月のアルタ・バディアで開催されたジャイアントスラロームのグラン・リサの斜面でパンテュローを追い込み、2位となった。

22歳のアレックス・ビナッツァー(イタリア)は、昨年12月にマドンナ・ディ・カンピリオで開催されたスラロームでキャリア2度目の表彰台に上り、さらなる成長に期待が高まる。また、ベン・リッチー(アメリカ)は、コルティナで開催されたシニアの世界選手権スラロームで13位に入り、ブルガリアのバンスコで開催されるジュニア世界選手権制覇に期待がかかる。

23歳のメタ・ハロバット(スロベニア)は、すでにワールドカップで4回表彰台に上がり名を馳せているが、昨年ブルホバを歴史的なタイトル獲得に導いたリヴィオ・マゴーニを新コーチにつけたことで、さらなる成長が期待されている。ジュニア世界選手権で2度の優勝経験を持つカミーユ・ラスト(スイス)は、膝靭帯を痛めて問題を抱えていたが、昨シーズン終盤にコルティナのスラローム大会でTOP10位入りを果たし、国内のジャイアントスラローム大会で優勝するなど、復活の兆しを見せている。

キリントン(写真)が、レイク・ルイーズとビーバー・クリークと共にワールドカップ開催地として戻ってきた
写真: 2019 Getty Images

2021/2022 FISアルペンスキーワールドカップ日程:女子

*10月8日現在の FISワールドカップカレンダー参照。予定は変更されることがあります。

2021年10月23日

ゼルデン(オーストリア): ジャイアントスラローム

2021年11月13日

レッヒ/ツュルス(オーストリア): パラレルスラローム

2021年11月20-21日

レヴィ(フィンランド): スラローム (x2)

2021年11月27-28日

キリントン (アメリカ): ジャイアントスラローム、スラローム

2021年12月3-5日

レイク・ルイーズ (カナダ): ダウンヒル (x2)、スーパーG

2021年12月11-12日

サンモリッツ(スイス): スーパーG (x2)

2021年12月18-19日

ヴァルディゼール(フランス): ダウンヒル、スーパーG

2021年12月21日

クールシュヴェル(フランス): ジャイアントスラローム

2021年12月28-29日

リエンツ(オーストリア): ジャイアントスラローム、スラローム

2022年1月4日

ザグレブ(クロアチア): スラローム

2022年1月8-9日

マリボル(スロベニア): ジャイアントスラローム、スラローム

2022年1月11日

フラッハウ(オーストリア): スラローム

2022年1月15-16日

ツァウヘンゼー(オーストリア): ダウンヒル、スーパーG

2022年1月21-22日

コルティナダンペッツォ(イタリア): ダウンヒル、スーパーG

2022年1月25日

クロンプラッツ/プラン・デ・コロネス(イタリア): ジャイアントスラローム

2022年1月29-30日

ガルミッシュ・パルテンキルヘン(ドイツ): ダウンヒル、スーパーG

2022年2月26-27日

クラン・モンタナ(スイス): ダウンヒル (x2)

2022年3月5-6日

レンツァーハイデ(スイス): スーパーG、ジャイアントスラローム

2022年3月11-12日

オーレ(スウェーデン): ジャイアントスラローム、スラローム

2022年3月16-20日

クールシュヴェル/メリベル(フランス): ダウンヒル、スーパーG、混合団体パラレル、スラローム、ジャイアントスラローム

合計イベント数: 38

高速系種目 18: ダウンヒル: 9、スーパーG: 9

技術系種目18: ジャイアントスラローム: 9、スラローム: 9

パラレル: 1

混合団体パラレル: 1

2021/2022 FISアルペンスキーワールドカップ日程:男子

*10月8日現在の FISワールドカップカレンダー参照。予定は変更されることがあります。

2021年10月24日

ゼルデン(オーストリア): ジャイアントスラローム

2021年11月14日

レッヒ/ツュルス(オーストリア): パラレルスラローム

2021年11月26-28日

レイク・ルイーズ(カナダ): ダウンヒル (x2)、スーパーG

2021年12月3-5日

ビーバー・クリーク(アメリカ): スーパーG、ダウンヒル

2021年12月11-12日

ヴァルディゼール(フランス): ジャイアントスラローム、スラローム

2021年12月17-18日

バルガルディナ/グロエデン(イタリア): スーパーG、ダウンヒル

2021年12月19-20日

アルタバディア(イタリア): ジャイアントスラローム (x2)

2021年12月22日

マドンナ・ディ・カンピリオ(イタリア): スラローム

2021年12月28-29日

ボルミオ(イタリア): ダウンヒル、スーパーG

2022年1月5日

ザグレブ(クロアチア): スラローム

2022年1月8-9日

アーデルボーデン(スイス): ジャイアントスラローム、スラローム

2022年1月14-16日

ウェンゲン(スイス): ダウンヒル (X2)、スラローム

2022年1月21-23日

キッツビュール(オーストリア): ダウンヒル(x2)、スラローム

2022年1月25日

シュラートミンク(オーストリア): スラローム

2022年2月26-27日

ガルミッシュパルテンキルヘン(ドイツ): スラローム(x2)

2022年3月5-6日

クビートフィエル(ノルウェー): ダウンヒル、スーパーG

2022年3月12-13日

クランスカ・ゴラ(スロベニア): ジャイアントスラローム (x2)

2022年3月16-20日

クールシュヴェル/メリベル(フランス): ダウンヒル、スーパーG、混合団体パラレル、スラローム、ジャイアントスラローム

合計イベント数: 38

高速系種目 18: ダウンヒル: 11、スーパーG: 7

技術系種目 18: ジャイアントスラローム: 8、スラローム: 10

パラレル: 1

混合団体パラレル: 1

北京2022アルペンスキー会場:延慶ゾーンにある国家アルペンスキーセンター
写真: 2020 Getty Images

北京2022アルペンスキー日程

2月6日 男子ダウンヒル
2月7日 女子ジャイアントスラローム
2月8日 男子スーパーG
2月9日 女子スラローム
2月10日 男子アルペンコンバインド
2月11日 女子スーパーG
2月13日 男子ジャイアントスラローム
2月15日 女子ダウンヒル
2月16日 男子スラローム
2月17日 女子アルペンコンバインド
2月19日 混合団体パラレル

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