満身創痍で勝ち取った銅メダル…早田ひな「私にとっては金メダルより価値があるかな」
執筆者 Masataka Kosugi / 小杉正貴1 分|
パリ2024オリンピックの卓球は現地時間8月3日、パリ南アリーナ4で女子シングルスの3位決定戦を行った。早田ひながシン・ユビン(大韓民国)と対戦し、ゲームカウント4-2で勝利。オリンピック初出場で銅メダルを獲得した。
3位決定戦の前、早田のコンディションは好調とはほど遠い状態にあった。「自分が別人なくらい、なにもできなくなってしまって。1人じゃお風呂に入れないくい重症な感じだった」。早田自身が「そんな状況でプレーができるはずない」とも感じた中で、チームが一丸となって早田をサポート。試合直前には注射も打って、なんとか3位決定戦の舞台に立った。
試合は第1ゲームを落とす苦しいスタートとなった。それでも左腕を振り、左右に強烈なショットを打ち続けた。「試合をしているときはとにかく楽しくて、卓球ができる幸せを感じた」。第2ゲーム、第3ゲームを制して逆転すると、第4ゲームも連取して銅メダルに王手。第5ゲームこそ接戦の末に相手に譲ったが、第6ゲームは再び自身の実力を示した。
満身創痍で戦い抜いた末の銅メダル。「朝の4時までケアしてもらったりとか、皆さんの体力や睡眠を削ってでも私に時間を使ってくれた」というチーム全体で勝ち取った銅メダルでもある。早田は「そういう意味では、金メダルを取るよりも銅メダルを取ることのほうが私にとっては価値があるかな」と勝利の味を噛み締めた。
26日 7月 - 11日 8月
パリ2024 | オリンピック競技大会 - フランス