ハッサンが金…鈴木優花は6位入賞丨パリ2024 陸上競技・女子マラソン

執筆者 WATANABE Fumishige/渡辺 文重
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Yuka Suzuki and Sifan Hassan
写真: Getty Images

パリ2024オリンピック最終日、陸上競技の最終種目となる女子マラソン決勝が現地時間8月11日(日)8時にスタートした。参加ランナーは91名。日本からは鈴木優花と一山麻緒が出場した。天候は晴れ。気温は19度、湿度は66パーセントとなっている。

鈴木優花が先頭集団に

最初の5キロはユニス チェビチー・チュンバ(バーレーン)がトップで、タイムは17分24秒。日本の鈴木と一山も先頭から4秒以内で通過する。10キロ地点の先頭はティギスト・アセファ(エチオピア)で34分32秒。鈴木は5秒差、一山は7秒差となっている。

10キロ過ぎにメロディ・ジュリアン(フランス)が出ると、これをペレス・ジェプチルチル(ケニア)が追撃。ケニア勢、エチオピア勢らで先頭集団を形成。この集団の後方にシファン・ハッサン(オランダ)が位置する。15キロ地点で先頭集団は14名。鈴木は14秒差の51分26秒、15位となっている。その鈴木は16キロ手前で先頭集団に加わる。一山は15キロ時点で46秒差の45位。

鈴木優花、先頭と4秒差で30キロ通過

20キロ時点の先頭はロナ チェムタイ・サルピーター(イスラエル)で1時間09分31秒。鈴木は1秒差の10位、ハッサンは15位、ジュリアンが7秒差で20位となる。中間地点トップはジェシカ・ステンソン(オーストラリア)で1時間13分22秒だった。先頭集団は20名で形成。一山は2分04秒遅れの56位で中間点を通過する。

25キロ地点は給水ポイントの直後のため、先頭集団は縦長に。サルピーターが1時間26分34秒でトップ、鈴木は6秒差で13位。27キロ過ぎにケニア、エチオピア勢がペースアップ。先頭集団が8名に絞られる。ハッサンがやや遅れる中、鈴木は先頭集団に食らいつく。

過酷な坂を登りきった後の30キロ時点、シャロン・ロケディ(ケニア)、アセファ、アマネ ベリソ・シャンクレ(エチオピア)、ジェプチルチルの4人がタイム差なしの1時間43分59秒で通過。ヘレン・オビリ(ケニア)が1秒差、ハッサンとデルビネ レリン・メリンゴル(ルーマニア)が3秒差、鈴木とチュンバが4秒差、サルピーターが10秒差となる。一山は1時間49分19秒で59位。

鈴木優花、6位で追う

33キロ過ぎ、先頭集団は5名となり、鈴木は6位グループになる。ジェプチルチルが脱落し、鈴木はメリンゴルとともに先頭を追う。35キロ通過はロケディ、シャンクレ、アセファ、オビリ、鈴木、ハッサンがタイム差なしの1時間59分43秒。その後、鈴木は遅れて6位で先頭集団を追う。40キロ時点で先頭集団は5名。鈴木は27秒差で通過する。

ハッサンがオリンピック新記録

41キロ手前、先頭集団はシャンクレが遅れて4名、さらにロケディが遅れて3名になる。最終盤、アセファがスパートを仕掛けて、これをハッサンが追う展開に。ゴール手前、ハッサンがアセファをかわしてフィニッシュ。2時間22分55秒のオリンピックレコードで優勝した。

アセファが2位、オビリが3位。鈴木は2時間24分02秒の自己ベスト更新で6位だった。一山は2時間34分13秒で51位。

鈴木優花のレース後コメント

初めてケニア勢、エチオピア勢のペースチェンジを体験できました。付いていかないと入賞できないと思ったので、行けるところまで付いていきました。こうしたアップダウンの激しいコースはあまりないですが、アメリカ合衆国での合宿で、山下アドバイザーと取り組めたことが要因だと思います。このアップダウンの激しいコースで自己ベストを出せたことは、日本国内の平坦なコース、海外のタイムが出るコースでどこまで行けるか。ちょっと見えてきました。入賞だけでなく、メダルを獲得できる選手になりたい。(初めてのオリンピックは)とても楽しかったです。

一山麻緒のレース後コメント

順位を見ると惨敗ですが、走る前は怖くて仕方がありませんでした。でも実際に走ってみて、日本の方はもちろんのこと、世界中の方から応援してもらいました。日本が世界から愛されていること、その日本を背負って走れたことがうれしかった。Tokyo2020とは違い、本当のオリンピックだと肌で感じました。皆さんの応援がうれしかったです。振り返ると悔しいことが多く、悶々とした3年間でした。苦しかったですが、うれしい気持ちで走ることができました。

陸上競技 TEAM JAPAN

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