【パリ2024パラリンピック8日目】日本初の快挙続々! ゴールボール日本男子、パラ卓球の和田、車いすテニス上地&田中が金メダル!

執筆者 Chiaki Nishimura
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Natsuki Wada of Team Japan returns a serve during the Para Table Tennis Women's Singles-WS11 Final
写真: 2024 Getty Images

パリ2024パラリンピックは8日目となった9月5日、開幕から8日間にわたって繰り広げられたボッチャゴールボールパラアーチェリーパラ射撃が最終日を迎え、日本勢はボッチャ混合団体で2大会連続の銅メダルに輝き、ゴールボールでは男子日本代表が初の金メダルを首にかけた。

また、車いすテニス女子ダブルス決勝では上地結衣&田中愛美が、強豪・オランダ勢を倒して女子ダブルスで日本初の金メダリストとなり、パラ卓球シングルスでも日本初の金メダリストが誕生するなど、日本初の快挙が続いた1日となった。

大会8日目の主な試合結果、ハイライトをまとめた。

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パラ卓球シングルス初の金メダル! 8日目ハイライト

パラ卓球女子シングルス(WS11)の決勝が行われ、和田なつきが東京2020の金メダリスト、エレナ・プロコフェワ(中立選手)を2-1で下し、パラ卓球シングルスにおいて男女を通じて日本初の金メダリストとなった。第1ゲームを8-11で先取される展開となったが、和田は落ち着いて第2ゲーム(11-8)、第3ゲーム(11-4)、第4ゲーム(11-4)を抑えて3-1として勝負を決めた。

中学生のときに知的障がいがあることが判明した和田なつき。ダイエット目的で中学3年生で競技を始め、2023年10月のアジアパラ競技大会で優勝するなどし、世界ランキングは4位。8月29日には22歳の誕生日を迎えたばかりで、金メダルは自分への最高の誕生日プレゼントになったことだろう。

また、同種目では古川佳奈美が銅メダルを獲得した。

【リプレイ動画で見る】ゴールボール男子決勝、日本代表 vs ウクライナ代表 

パラリンピック2大会連続出場のゴールボール男子日本代表が、自力で出場枠を勝ち取ったこのパリ2024パラリンピックで、初めての金メダルを獲得した。

予選ラウンドこそ2敗でスタートした日本代表だったが、準々決勝、準決勝と勝ち上がり、この日は決勝でウクライナ代表チームと対戦。前半で先制点をあげた日本は、続けて2点目も決めて2-0としたが、2点をかえされ前半終了時点て試合は振り出しに。後半はこう着状態が続き、日本が1点を入れると、残り2分でウクライナ代表が1点をかえして再び同点(3-3)。試合は延長戦に突入した。

先に得点を入れた方が勝利をつかむサドンデス方式の延長戦。両者の守備はかたくなかなかどちらもスコアを入れられない中、佐野優人の放ったボールがディフェンスの体にあたるも、ボールがコースを外れることなくネットを揺らし、それが決勝点に。その瞬間メンバーはコートで抱き合って喜びを分かち合った。

試合の模様をリプレイ動画で振り返ろう

日本代表メダル獲得選手、パラリンピック8日目

パラ卓球

  • 和田なつき、女子シングルス(WS11)…金メダル🥇
  • 古川佳奈美、女子シングルス(WS11)…銅メダル🥉

ボッチャ

  • 日本代表(杉村英孝、廣瀬隆喜、遠藤裕美)、混合団体(BC1/BC2)…銅メダル🥉

車いすテニス

  • 上地結衣&田中愛美、女子ダブルス…金メダル🥇

視覚障がい者柔道

  • 半谷静香、女子48kg級(J1)…銀メダル🥈

パラ陸上

  • 福永凌太、男子400m(T13)…銀メダル🥈

ゴールボール

  • 日本代表(金子和也、佐野優人、田口侑治、鳥居陽生、萩原直輝、宮食行次)、男子…金メダル🥇

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パラリンピック車いす女子ダブルスで日本勢初の金メダリストとなった上地結衣(左)、田中愛美(右)=2024年9月5日、パリ2024

写真: 2024 Getty Images

そのほか9月5日の主な結果、パリ2024パラリンピック

車いすテニスでは女子ダブルス決勝が行われ、日本代表の上地結衣&田中愛美ペアがオランダ代表のディーデ・デ・グロート&アニク・ファンクートを破って金メダルに輝いた。また男子シングルスでは、18歳の小田凱人(ときと)がアルゼンチンのグスタボ・フェルナンデスをストレートで破って決勝進出を決め、金メダルに王手をかけた。

視覚障がい者柔道女子48級(J1)の決勝で、4大会連続出場の半谷静香が、ロンドン2012、リオ2016と2大会で表彰台に立ったナタリア・ニコライチク(ウクライナ)と対戦。開始54秒で背負い投げで技ありを奪われた半谷は、攻めの姿勢をみせたものの2分56秒を迎えたところでニコライチクの背負い落としが決まり一本。決勝で負けはしたものの、半谷は銀メダルを獲得。2012年のロンドン大会から4大会連続で出場している半谷は、ロンドンで7位、リオ2016で5位、東京で5位とメダルまであと1歩のところまで迫っており、4大会目にして悲願の表彰台となった。

パラ陸上では、福永凌太が男子400m(T13 視覚障害)に出場し48秒07を記録。男子100m(T13)で金メダルを獲得しているスカンデルジャミル・アスマニ(アルジェリア)に0秒64およばず、2着の銀メダルとなった。パラリンピック初出場の福永は1998年生まれの26歳。2023年の世界選手権では同種目で優勝しており、今後のさらなる活躍が期待される。

目標となるボールをめがけて対戦者それぞれがボールを投げてどれだけ近づけるかを競うボッチャの混合団体(BC1/BC2)で、日本代表チームが3位決定戦で大韓民国チームと対戦。杉村英孝、廣瀬隆喜、遠藤裕美で臨んだ日本代表「火ノ玉ジャパン」は、6エンドからなる試合のうち第3エンドをのぞく5エンドをとって得点を8として、8-3で大韓民国代表チームを下し、銅メダルに輝いた。杉村、廣瀬は3大会連続、遠藤はリオ2016から2大会ぶりの団体でのメダル獲得となった。

試合後、廣瀬は、「この有観客の中で、最後はみんなで楽しもうと言って笑顔で戦い切ることができました。本当に皆さん声援ありがとうございました」と語った。

9月5日のすべて試合結果はこちら

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パリ2024パラリンピック、競技日程・スケジュール

パリ2024パラリンピックの全競技日程は、こちらで確認可能。

パリ2024パラリンピック、放送予定・ライブ配信情報

日本ではNHK、JCOMなどで、中継、ライブ・ハイライト・アーカイブ配信が予定されている。また、パラリンピックYouTubeチャンネル国際パラリンピック委員会ウェブサイトOlympics.comで配信される(一部見られない地域もある)。

パリ2024パラリンピック、毎日のハイライト

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