スペイン、劇的逆転勝利で2大会連続の決勝進出…モロッコは3位決定戦へ丨パリ2024サッカー男子準決勝

執筆者 Takumi Sakakibara / 榊原拓海
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Juanlu Sanchez #20 of Team Spain celebrates scoring his team's second goal during the Men's semifinal match between Morocco and Spain during the Olympic Games Paris 2024 at Stade de Marseille on August 05, 2024 in Marseille, France.
写真: 2024 Getty Images

パリ2024オリンピック男子サッカーは、8月5日に準決勝を実施。フランス・マルセイユに位置するスタッド・ヴェロドロームでは、U-23モロッコ代表vs同スペイン代表の試合が開催された。

モロッコはグループBの戦いで2勝1敗の成績を残し、勝ち点6を積み上げて首位通過を果たすと、準々決勝ではU-23アメリカ合衆国代表を4-0で破り、準決勝の舞台まで駒を進めた。

一方、スペインはグループCの開幕から2連勝を遂げるも、ターンオーバーを実施した第3節ではU-23エジプト代表に1-2で敗北。2勝1敗の勝ち点6で2位通過となると、準々決勝ではU-23日本代表と対戦し、3-0と完勝を収めた。パリ2024では、Tokyo2020に続く決勝進出を目指している。

モロッコはオーバーエイジとしてパリ2024に参加しているキャプテンのアクラフ・ハキミを筆頭に、盤石の布陣がスターティングメンバーに並ぶ。対するスペインも、日本戦で2ゴールを記録したフェルミン・ロペスなど、準々決勝とまったく同じ11名を先発にそろえて試合に臨む。

試合は立ち上がりから両者譲らず、ペナルティエリア内へ入ることはできてもシュートまでは持ち込めない時間が続く。10分を経過した頃には、主審が接触プレーに巻き込まれて負傷するアクシデントが発生。数分間の中断の末、主審が交代となって試合が再開されると、21分にはスペインのフェルミン・ロペスが、ペナルティエリア手前から左足で強烈なミドルシュートを放つも、ここはGKの好セーブに阻まれる。

スペインが徐々に効果的な形でゴールに迫る回数を増やす中、モロッコは33分、セットプレーのこぼれ球を回収してつなぐと、最後はアミール・リチャードソンがボックス内で倒されてPKを獲得。このPKをスフィアン・ラヒミがゴール右に沈め、モロッコが先手を取る。

前半はこのままモロッコの1点リードで終了した。

後半に入っても一進一退の攻防戦が繰り広げられるが、スペインはなかなか思ったような崩しを見せられず、モロッコの1点リードのまま時計の針が進む。

それでも65分、スペインはペナルティエリア手前中央でアレックス・バエナからのパスを受けたアドリアン・ベルナベがドリブルで持ち運ぶと、ペナルティエリア右で相手に囲まれたものの、セカンドボールをフェルミン・ロペスが回収。うまく相手をかわすと、左足でグラウンダーのシュートを叩き込み同点ゴール。試合は振り出しに戻った。

同点に追いつかれたモロッコは71分にアミール・リチャードソンが狙い澄ましたミドルシュートを放つも、この一撃は枠の外へ。

両者チャンスを迎えながらも仕留めきれず、試合は終盤に突入したが、85分に再びスコアが動いた。スペインは自陣からボールを繋いで攻撃を組み立てると、セルヒオ・ゴメスがフェルミン・ロペスとのワンツーで右サイド深い位置までボールを持ち運ぶ。リターンパスを受けたフェルミン・ロペスが横へ預けると、内側のスペースを駆け上がってきたフアンル・サンチェスが右足でゴールネットを揺らし、スペインが土壇場で逆転に成功した。

試合はこのままタイムアップ。この結果、2-1で劇的な逆転勝利を飾ったスペインが、Tokyo2020に続いてオリンピック決勝の舞台へ駒を進めた。一方、モロッコは3位決定戦に回る。

3位決定戦は現地時間8月8日、決勝は翌9日に開催される。この後行われるU-23フランス代表vs同モロッコ代表の結果を踏まえ、両チームの対戦相手が確定する。

▼組み合わせ

■日本代表メンバー