パリ2024オリンピックの競泳は、7月27日(土)から8月4日(日)までの9日間にわたり、パリ郊外のナンテールにあるパリ・ラ・デファンス・アリーナにて実施される。
今年3月17日(日)から24日(日)まで東京アクアティクスセンターで行われた競泳国際大会日本代表選考会を経て、同27日に日本水泳連盟はパリ2024競泳日本代表選手(内定)を発表した(※)。男子14人、女子13人の総勢27人がパリの舞台を目指す。男子では8人がオリンピック初代表となる。
3大会連続で代表に内定した瀬戸大也、池江璃花子、2大会ぶりの代表内定となった鈴木聡美、渡辺一平の他、東京2020で2個の金メダルを獲得した大橋悠依、同銀メダリストの本多灯らの出場が見込まれている。
ロンドン2012で11個のメダルを獲得した「トビウオジャパン」こと競泳日本代表チームは、リオ2016で7個、東京2020で3個のメダルを獲得している。
パリ2024ではどんな活躍を見せるか。ここでは、パリ2024男子日本代表メンバー14選手を紹介する。
※オリンピック各国代表の編成に関しては国内オリンピック委員会(NOC)が責任を持っており、パリ2024への選手の参加は、選手が属するNOCがパリ2024代表選手団を選出することにより確定する。また、リレー種目についてはワールドアクアティクスの基準にのっとり出場枠獲得を見込んだ代表扱いとなり、同連盟の発表により正式となる。各競技の出場資格に関する公式資料
*年齢は2024年7月26日現在
2019年世界水泳選手権光州大会(大韓民国)の男子200m自由形で銀メダルを獲得した松元克央。2021年4月には同種目の日本記録を更新した。しかし、東京2020オリンピックでは予選で敗退。松元のプライドがくじかれた。その悔しさをバネに「カツオ」(松元の愛称)が再びオリンピックの舞台に戻って来ることになるだろう。
パリ2024オリンピックでは、女子日本代表の鈴木聡美と松元だけが2種目で代表内定を決めている。2023年世界水泳福岡大会の男子100mバタフライで6位だった松元は、9月のアジア競技大会杭州の同種目で自身初となる国際大会での金メダルを獲得した。
今年5月の欧州グランプリ第1戦(フランス・カネ)では、男子200m自由形で優勝。この夏のパリで、カツオのように力強く悠々と泳ぐ松元の姿を期待したい。
2023年4月の日本選手権では男子200m背泳ぎで2連覇を達成した竹原秀一は、同年9月アジア競技大会杭州の同種目で銅メダルを獲得している。今年3月の日本代表選考会では、日本競泳界のレジェンド、34歳の入江陵介らを破って男子200m背泳ぎでただひとり代表内定を決めた。5月の欧州グランプリ第1戦(フランス・カネ)の男子200m背泳ぎで優勝。日本競泳界の次世代を担う若きホープの竹原の活躍が期待される。
2大会ぶりのオリンピックとなる男子200m平泳ぎ元世界記録保持者(2017年)の渡辺一平。オリンピック初出場となったリオ2016では、大学生だった渡辺は同種目準決勝でオリンピック記録を叩き出し6位入賞を果たした。2017年および2019年世界水泳選手権男子200m平泳ぎで2大会連続銅メダルに輝き波に乗った。しかし、東京2020では代表選考に漏れて苦い思いを経験している。
そんな渡辺は、パリに向けて近年調子を上げている。昨年4月の日本選手権では男子100mおよび200m平泳ぎで二冠を達成。9月のアジア競技大会杭州の男子200m平泳ぎで銅メダルを獲得している。
今年3月の日本代表選考会では、男子200m平泳ぎで優勝。2分6秒94という自己ベストに迫るタイムで派遣標準記録(2分08秒48)を突破しパリ2024代表に内定した。5月の欧州グランプリ第1戦、第2戦(スペイン・バルセロナ)では、男子200m平泳ぎで連勝しさらに調子を上げている。8年前のリオ2016での自分を超えられるか。渡辺の泳ぎに注目だ。
/#競泳#渡辺一平 選手、#松下知之 選手が優勝🏊✨
— TEAM JAPAN (@TeamJapan) May 30, 2024
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🏆欧州グランプリ
男子
200m平泳ぎ
🥇#渡辺一平 選手
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200m自由形
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400m個人メドレー
🥇#松下知之 選手#TEAMJAPAN #がんばれニッポン
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2022年世界水泳選手権ブダペスト大会男子200m平泳ぎで銀メダルを獲得し、同大会男子平泳ぎにおける日本代表の3大会連続メダル獲得に貢献した。今年3月の日本代表選考会では、渡辺一平に次ぐ2位に入り、自己ベスト(2分07秒07)をマークし派遣標準記録を突破してパリ2024代表に内定した。5月の欧州グランプリ第1戦、第2戦では、男子200m平泳ぎで渡辺一平に次いで2位の好成績を挙げた。男子100m平泳ぎでは連勝を果たしている。初出場となるオリンピックの舞台に向けて大きな弾みをつけた。
東京2020代表の水沼尚輝は、2022年世界水泳選手権男子100mバタフライで銀メダルを獲得。その準決勝では日本記録50秒81を樹立している。今年3月の日本代表選考会では、松元克央に次ぐ2位(51秒23)に入り、派遣標準記録を突破してパリ2024代表に内定した。パリ2024では競泳日本代表キャプテンを務め、トビウオジャパンをリードする。
日本代表選考会では、東京2020銀メダリストの本多灯に男子200mバタフライで競り勝って優勝。この時マークした自己ベスト1分54秒07が派遣標準記録(1分55秒27)を突破したことから初のオリンピック代表に内定した。本多を先輩として尊敬しているという寺門が、レース後、本多の横で号泣している姿は大会を印象付けるシーンとなった。5月の欧州グランプリ第1戦の男子100mバタフライで優勝。パリの大舞台でも喜びの涙を流すことができるか。
100mFly🥇‼︎
— 寺門 弦輝 (@teragen_swim) May 25, 2024
ヨーロッパグランプリin Canet https://t.co/wW89IyzJ2O
東京2020の男子200mバタフライで銀メダルに輝いた本多灯は、それ以降の世界選手権や主要国際大会では必ずと言ってよいほどメダルを獲得している。2022年世界水泳ブダペスト大会の同種目銅メダル(1分53秒61)、2023年同福岡大会の同種目銅メダル(1分53秒66)、2024年同ドーハ大会では同種目で日本男子初となる金メダル(1分53秒88)を獲得した。2022年には、男子200mバタフライ(短水路)で世界記録1分46秒85を樹立している。
男子200mバタフライが本命種目である本多だが、3月の日本代表選考会では、1歳年下の寺門と競り2位となった。5月の欧州グランプリ第1戦では、男子200mバタフライで優勝(寺門は2位)し、2か月後のパリの大舞台を目指して順調に準備が進んでいるようだ。2大会連続となる表彰台が期待される。
競泳男子日本代表内定選手の中で最年長、30歳になったばかりのベテラン瀬戸大也の輝かしき実績については、紹介するまでもなく多くの競泳ファンがすでに知っているところだろう。
リオ2016の同種目では銅メダルに輝き、盟友の萩野公介ともに表彰台に立った。しかし、期待されて臨んだ東京2020、男子400m個人メドレーと200mバタフライでは予選敗退。男子200m個人メドレーでは4位となりメダルに届かず不本意な結果となった。
2023年日本選手権では、男子200mおよび400m個人メドレーで二冠達成。瀬戸の本命種目、男子400m個人メドレーでは、今年3月の日本代表選考会で当時高校生だった松下知之に競り負け2位に。派遣標準記録もわずか0秒21超えることができず代表内定を逃した。男子200m個人メドレーでは、1分56秒87の好タイムを出し代表内定を得ることとなった。「夏に向けて、ここから自分の得意なゾーンになっていく」と話す瀬戸。3度目のオリンピックとなるパリ2024では、東京2020での雪辱を果たし、競技人生の集大成として臨む覚悟だ。
高校生最後の今年3月、日本代表選考会の男子400m個人メドレーで瀬戸を破って優勝し代表内定をつかみ取った。東洋大学1年生になった現在、松下が尊敬するというリオ2016男子400m個人メドレー金メダリスト、萩野公介を指導した同大教授兼水泳部監督の平井伯昌氏に師事し、パリでのメダル獲得を目指す。
5月の欧州グランプリ第1戦男子200mおよび400m個人メドレーでは二冠を達成。続く第2戦でも二冠を達成し勢いに乗っている。
初めてのオリンピックの舞台となった東京2020では、男子4×200mフリーリレーに松元克央、萩野公介らと出場。今年3月の日本代表選考会の男子200m自由形では、松元に次いで2位となったが派遣標準記録(1分45秒84)に1秒届かず、同種目での代表内定を逃したが、トビウオジャパン男子フリーリレーのメンバーとしての再びオリンピックの舞台での活躍が期待される。
トビウオジャパン日本代表メンバー最年少、高校生の村佐達也。3月の日本代表選手選考会、男子200m自由形では松元、柳本に次いで3位となり、男子フリーリレーのメンバーに内定された。パリ2024が国際大会への初めての出場になるという柳本にとって、最高の世界の舞台になるだろう。
村佐達也/2024年3月18日、競泳国際大会日本代表選考会(東京アクアティクスセンター)男子200m自由形準決勝 (Photo by Kiyoshi Ota/Getty Images)
2023年日本選手権の男子200m自由形で2位の眞野秀成。同年世界水泳福岡大会では、男子4×200mフリーリレーに出場した。また、アジア競技大会杭州の男子200m自由形では、自己ベストを更新して4位に入った。同大会では男子4×200mフリーリレーで銅メダルを獲得している。今年3月の代表選手選考会同種目では4位に終わったが、男子フリーリレーでの代表が内定した。トビウオジャパン男子リレーチームの最年長メンバーとしてチームを引っ張る活躍が期待される。
今年3月の代表選手選考会、男子100m背泳ぎ決勝では、ロンドン2012で3個のメダルを獲得したレジェンド、入江陵介に競り勝って優勝した松山陸。自己ベストとなる53秒72を叩き出したが、派遣標準記録(53秒21)にわずかに届かず、同種目での代表内定とはならなかった。パリ2024では男子4×100mメドレーリレーのメンバーとして奮起が期待される。
3月の代表選手選考会男子100m平泳ぎでは、花車優、渡辺一平を破って優勝。自己ベストとなる59秒43をマークしたものの、参加標準記録59秒26をわずかに超えられず、同種目個人での代表内定はならなかった。パリ2024では、男子4×100mメドレーリレーのメンバーとして日本代表に内定。5月の欧州グランプリ第1戦では、男子50m平泳ぎで優勝。100mでは3位に入っている。100m平泳ぎで力をつけてきている谷口のパリでの泳ぎに注目したい。
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