サーフィン・パリ2024日本代表メンバー4選手を一挙紹介!

執筆者 Hirotaka Hikoi
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four japanese paris surfers
写真: International Surfing Association

パリ2024オリンピックサーフィン競技は、開会式翌日の7月27日から8月4日までの期間内の4日間にわたり、伝説のサーフスポット、タヒチ島チョープーで実施される。

オリンピック史上初開催となった東京2020では、五十嵐カノアが銀メダルを獲得した。女子は、都筑有夢路(つづき・あむろ)が銅メダルに輝いている。

パリ2024では、男女各24名のトップサーファーたちが史上2回目となるオリンピックでのサーフィン競技に臨む。日本代表「波乗りジャパン」は、2大会連続で代表に内定した五十嵐、初出場となる稲葉玲王(れお)、コナー・オレアリー、松田詩野(しの)の4人が出場することが内定しており(*)、パリでも表彰台を狙う。

ここでは、パリ2024オリンピックの大舞台、タヒチ島チョープーの壮大な波に挑むサーフィン競技日本代表に内定した4選手を紹介する。

※オリンピック各国代表の編成に関しては国内オリンピック委員会(NOC)が責任を持っており、パリ2024への選手の参加は、選手が属するNOCがパリ2024代表選手団を選出することにより確定する。各競技の出場資格に関する公式資料はこちら

サーフィン・日本代表

*年齢は2024年7月26日現在(パリ2024開幕時)

五十嵐カノア(いがらし・かのあ)

  • 生年月日:1997年10月1日(26歳)
  • 出身地:アメリカ合衆国カリフォルニア州
  • オリンピック歴:東京2020銀メダル
  • 主な戦績:2023年ワールドサーフリーグ(WSL)14位、2024年チャンピオンシップツアー(CT)第2戦ハーレープロ・サンセットビーチ(ハワイ・オアフ島)準優勝、2023年WSGエルサルバドル大会4位(アジア1位)、2022年CTタヒチ・プロ5位
  • スタンス:レギュラー

日本人の両親の影響で始めたサーフィンで幼少の頃から頭角を現した五十嵐カノア。「子どもの頃は、サーフィンでオリンピックに出るなんて夢にも思わなかった」とOlympics.comのインタビューで話した五十嵐は、サーフィンがオリンピック初登場となった東京2020で銀メダルを獲得した。

2022年の国際サーフィン連盟(ISA)ワールドサーフィンゲームズ(WSG)ハンティントンビーチ大会(米カリフォルニア)で五十嵐は、波乗りジャパンの団体優勝に貢献した。2023年ワールドサーフリーグ(WSL)チャンピオンシップツアー(CT)での最終ランキングによりパリ2024出場枠を獲得。パリ2024の会場と同じチョープで行われるCTタヒチ・プロでは、2022年に5位に入っており、今年5月の同大会では9位だったが、7月のパリでの戦いに向けて調子を上げていくことだろう。

子どもの頃から慣れ親しんだチョープーの海を「僕にとって特別なつながりを感じる場所です」と、五十嵐は以前、Olympics.comのインタビューで語った。

「パリではもちろん金メダルが取りたい。東京で成し遂げられなかったことを成し遂げたい」

松田詩野(まつだ・しの)

  • 生年月日:2002年8月13日(21歳)
  • 出身地:神奈川県茅ヶ崎市
  • オリンピック歴:オリンピック初代表
  • 主な戦績:2023年WSGエルサルバドル大会女子13位(アジア1位)、2023年WSLラウニオン・インターナショナルプロ(フィリピン)優勝、2019年ジャパンオープンオブサーフィン優勝
  • スタンス:グーフィー

中学生でプロデビューを果たし、日本代表への道を一気に駆け上がった松田詩野。東京2020では条件付きで代表内定を得ながら目前で出場を逃し悔しい思いをした。そんな松田が持つオリンピックにかける思いは誰よりも強いだろう。

松田は、2023年WSGエルサルバドル大会で自らの手でパリ2024の出場権を獲得し、その後内定を得て波乗りジャパン女子代表となった。東京2020代表の都筑有夢路、前田マヒナがパリ出場を逃した中、日本女子サーフィン界を盛り上げる立役者としてパリでの活躍が期待される。4月からはチョープーの波でトレーニングを重ねており順調に準備を進めているようだ。

稲葉玲王(いなば・れお)

  • 生年月日:1997年3月24日(27歳)
  • 出身地:千葉県一宮町
  • オリンピック歴:オリンピック初代表
  • 主な戦績: 2023年WSGエルサルバドル大会男子8位(アジア2位)、2023年ジャパンオープンオブサーフィン優勝
  • スタンス:グーフィー

東京2020サーフィン競技会場となった千葉県一宮町出身の稲葉玲王は、幼少の頃にサーフィンを始め、13歳でプロとしてデビューした。サーフィンがオリンピックデビューした地元一宮からパリを目指す稲葉は、WSGエルサルバドル大会でアジア勢2位となり代表に内定した。

今年の4月と5月にはパリ2024の会場となるタヒチ・チョープーでトレーニング合宿を実施し、地球上で屈指の波での経験値を高めている。金メダルを狙うことを公言している稲葉は、チョープーで最高の波に出会えることを楽しみにしているという。最高の波の向こうにきっと金メダルが輝いて見えるはずだ。稲葉の挑戦に注目だ。

コナー・オレアリー

  • 生年月日:1993年10月12日(30歳)
  • 出身地:オーストラリア・クロヌラ
  • オリンピック歴:オリンピック初代表
  • 主な戦績:2023年WSL11位、2024年CT第1戦レクサス・パイプ・プロ(ハワイ・オアフ島)3位
  • スタンス:グーフィー

オーストラリア生まれで日本人の母を持つサーファー、コナー・オレアリー。元サーフィン日本チャンピオンだった母と、シドニー郊外の熱心なローカルサーファーだった父の影響で海を愛しサーフィンを愛するようになった。2021年シーズンから右肩にオーストラリアの国旗、左肩に日本の国旗を掲げて世界中の波に乗った。昨年11月に日本への移籍を果たしている。CTではこれまでに4度、チョープーの波と戦ってきたオレアリーは、今年5月にも参戦したCT第6戦タヒチ・プロを、2か月後のパリ本番に向けての試金石としたに違いない。大柄な体格のグーフィースタンスで、豪快にチョープーの波に乗るオレアリーの躍動に期待したい。