パラサイクリング・トラック、日本から4人選手が出場! パリ2024パラリンピック
パリ2024パラサイクリング・トラック競技は、8月29日から9月1日まで、ヴェロドローム・ド・サン・カンタン・アン・イヴリーヌで行われる。世界各地から集まった選手たちは17の種目でメダルを競い合う。
自転車トラックレースが人気である理由のひとつには、見る者を圧倒するその壮観な迫力が挙げられる。周長250mのトラックを選手たちが高速で走る姿は非常に見応えがあり、特に、ペロトン(集団)が形成されるとその迫力は倍増する。
しかしながら、選手たちの前後左右の距離は非常に近接し、時には深刻な事態を伴うクラッシュが発生することもある。
今大会で行われるパラサイクリングトラック競技では、集団走行を伴う種目はプログラムに含まれていない。この判断は、国際パラリンピック委員会(IPC)と国際自転車競技連合(UCI)の相互合意によるもので、今大会ではチームスプリント、タイムトライアル、個人パシュートが実施される。
ここではUCIのパラサイクリングマネージャーであるトッド・フレイザー氏が集団レースの未来について語ったインタビュー、そして日本代表を紹介しよう。
集団レースの可能性、世界選手権で実施されているスクラッチ
「個人レースの利点は、タイムトライアル形式で行われるため、障がいクラスの幅をより広くすることができ、障がいの重い選手でも競い合うチャンスを作り出すことにあります」
こう話すのは、UCIのパラサイクリングマネージャーであるトッド・フレイザー氏。「これらはより安全な種目でもありますが、もちろん集団レースが安全ではないという意味ではありません」。
実際、UCIはパラサイクリングトラック世界選手権において、スクラッチ(設定された周回数の後に最初にフィニッシュラインを越えた選手が勝つといった集団レース)を2010年代の終わりから導入している。
「今年の世界選手権では、スクラッチを10レース、エリミネーションを5レース行いましたが、クラッシュの数は他のレースと変わりはありませんでした」とフレイザー氏は振り返る。「まだ公式にはなっていませんが、将来的にはこれらの集団レースにも焦点が当てられる可能性が高いです」。
期待される将来の発展
アトランタ1996から北京2008までパラリンピックで行われてきたタンデム(2人乗り)スプリントは、ペロトンではなく1対1の競技だが、その後実施されていない。UCIはパリ2024で再導入しようと試みたが、採択されなかった。
「将来的には、実施種目の大規模な見直しを行い、全ての障がいクラスでスプリント種目を実施できるよう検討したいと思います。また、パラサイクリングトラックにエキサイティングな種目をより多く追加する可能性も探っています」と、UCIのフレイザー氏は期待を込める。
いずれにせよ、まもなくヴェロドローム・ド・サン・カンタン・アン・イヴリーヌが世界最高のパラサイクリストたちを迎えることになる。その中には、開催国フランスのアレクサンドル・レオテ、ドリアン・フロン、マリ・パトゥイユ、ハイディ・ゴーゲンらがいる。
東京2020パラリンピックでは、英国が最も多くのメダルを獲得して選手たちは一層の輝きを放った。日本勢のこの競技でのメダル獲得は、北京2008パラリンピック以来遠ざかっているため、今大会での活躍が期待される。北京2008では、石井雅史さんが男子1kmタイムトライアルCP4で金メダルに輝いたほか、3個の銀メダルを獲得した。
前回大会と同様、パラサイクリングトラックではパリ2024パラリンピック最初のメダリストが決定する。誰がその栄光を手にするのか、
パリ2024パラリンピック・パラサイクリング日本代表選手
日本からは選手4人と、競技パートナーの三浦生誠(みうら・きあき)が戦いに挑む。8月29日〜9月1日の日程でパラサイクリング・トラックの競技に臨んだ後、9月4日からは4日間の日程でロードの各種目が始まる。
川本翔大(かわもと・しょうた)
- トラック:3000m個人パーシュート(C2)
- トラック:1000mタイムトライアル(C1-3)
- トラック:混合チームスプリント
- ロード:個人ロードタイムトライアル(C2)
- ロード:ロードレース(C1-3)
木村和平(きむら・かずへい)
- トラック:4000m個人パーシュート(B)
- トラック:1000mタイムトライアル(B)
- ロード:ロードタイムトライアル(B)
- ロード:ロードレース(B)
杉浦佳子(すぎうら・けいこ)
- トラック:3000m個人パーシュート(C1-3)
- トラック:500mタイムトライアル(C1-3)
- トラック:混合チームスプリント
- ロード:個人ロードタイムトライアル(C1-3)
- ロード:ロードレース(C1-3)
藤田征樹(ふじた・まさき)
- トラック:3000m個人パーシュート(C3)
- トラック:混合チームスプリント
- ロード:個人ロードタイムトライアル(C3)
- ロード:ロードレース(C1-3)