オリンピック出場枠をかけて熾烈な戦いが繰り広げられているスケートボード女子ストリート。ハンガリーの首都ブダペストで6月22日にオリンピック予選シリーズ(OQS)第2戦ブダペストの準決勝が行われ、東京2020オリンピック金メダリストの西矢椛は転倒やミスが重なり、決勝進出はならなかった。
決勝進出は、クロエ・コベル(オーストラリア)、織田夢海(ゆめか)、伊藤美優、赤間凛音(りず)、吉沢恋(ここ)、中山楓奈(ふうな)、ページ・ハイン(アメリカ合衆国)、ツゥイ・チェンシー(中華人民共和国)。日本勢はオリンピック代表争いを繰り広げる5選手が決勝に駒を進め、出場枠の行方は決勝の結果を待つこととなった。
予選を通過した16人で行われた女子ストリート準決勝には、西矢を含む日本勢6人が出場。予選を11位で通過していた西矢は、準決勝第1ヒートに登場した。
ラン2本、ベストトリック5本を披露し、ランの高得点1つ、ベストトリックの高得点2つの合計で競われるフォーマットで実施される中、西矢は軽やかにパークを駆けたが、クリーンなランを決めることができず、ベストトリックでも得点をふたつそろえられず涙の準決勝敗退。最終15位に沈み、西矢のオリンピック2大会出場は厳しいものとなった。
続く第2ヒートには、織田、伊藤、赤間、吉沢、中山が出場。5選手とも1本目のランから大きなミスのない滑りで順調に戦いを進め、最終的に決勝進出を決めた。
織田は準決勝を振り返り、「ランでメイク率が良くないところが少しあったので、そこがすごく緊張したんですけど、2本ともノーミスすることができてよかったです」とし、23日の決勝に向けて「明日が一番大事だし、勝負なので、自分の持っている技をすべて出しきれるように頑張りたいです」と意気込みを語った。
一方、大会前は日本勢4番手に立っていた中山は、「30分の公式練習ですごい焦って緊張し過ぎて動けなくて、練習がダメすぎて、逆に1周回って緊張が和らいだかな」と笑顔を見せ、「決勝に行けてすごく嬉しくて、決勝で見せたい技があったから、明日はそれを決められるように今のうちに気持ちを整えておこうかなって思います」と語った。
オリンピック出場枠がかかっていることについては、「これでパリオリンピックの選手が決まるっていう実感があんまなくて。今回の大会結果だけ考えている」とし、「今、私が見せたい技を出し切れれば表彰台にいけるのかなみたいな。ちゃんと出し切れればいけそうな感じがしているから、悔いないように自分の出したい技を出し切って、それで結果的にオリンピック選手になれたらいいなって思います」と気持ちを語った。決勝は23日に予定されている。
決勝の結果
- 吉沢恋(日本)270.29
- 織田夢海(日本)268.52
- 中山楓奈(日本)263.62
- 赤間凛音(日本)262.50
- クロエ・コベル(オーストラリア)261.47
- 伊藤美優(日本)250.73
- ツゥイ・チェンシー(中華人民共和国)239.91
- ページ・ハイン(アメリカ合衆国)221.15
オリンピック予選シリーズ2024第2戦ブダペストのライブ配信情報
オリンピック予選シリーズ(OQS)第2戦ブダペストの戦いの模様はOlympics.comのオリンピックチャンネル、公式アプリで配信が予定されている。
オリンピック予選シリーズのスケートボード競技
オリンピック予選シリーズとは、ブレイキン、スケートボード(ストリート、パーク)、BMXフリースタイル(パーク)、スポーツクライミングのオリンピック最終予選となる大会シリーズで、4競技のアスリートたちが一堂に会し、パリ2024オリンピック出場を目指して5月16日〜19日に上海、6月20日〜23日にブダペストで戦いを繰り広げる。
スケートボードのパーク、ストリート両種目では、成績に応じてランキングポイントが加算され、ブダペスト大会後のランキングなどをもとに、パリオリンピックに出場する22人(開催国枠、ユニバーサリティ枠を含む)が決まる(※)。各国が獲得できる出場枠は各種目最大3枠となっており、トップスケーターがひしめく日本勢にとっては、誰が日本代表の座を掴むのかが注目ポイントのひとつとなる。
※オリンピック各国代表の編成に関しては国内オリンピック委員会(NOC)が責任を持っており、パリ2024への選手の参加は、選手が属するNOCがパリ2024代表選手団を選出することにより確定する。