スケートボード女子ストリート決勝終了の1分前まで誰がその座を掴み取るのかわからない展開の中、東京2020オリンピック銅メダルの中山楓奈(ふうな)、赤間凛音(りず)、吉沢恋(ここ)がパリ2024オリンピック出場枠を獲得した(※)。
6月20日に始まったオリンピック予選シリーズ(OQS)第2戦ブダペストは、オリンピックデーを迎えた23日に最終日を迎え、現地時間午後5時にスケートボード女子ストリート決勝が行われ、同日正午から実施された男子ストリートに続き、日本代表のスケーターが表彰台を独占し、スケートボード競技を締め括った。優勝は、吉沢恋、2位が織田夢海(ゆめか)、3位が中山。
オリンピック出場枠をかけて熱い戦いが行われた今大会。日本勢は最大3枠をかけて、5選手が決勝に駒を進め、最終結果をもとにランキングポイントが与えられ、世界ランキング1位(日本勢1番手)に吉沢、同2位(2番手)に赤間が立ち、4番手でブダペストに乗り込んできた中山がランキングをあげ、同4位(日本勢3番手)に滑り込み、中山は2大会連続のオリンピック出場を決めた。
最後まで攻めの滑りを見せ、会場を沸かせて準優勝を果たした織田だったが、ランキングポイントで及ばす吉沢、赤間、中山に届かず、オリンピック出場を決めることはならなかった。
※オリンピック各国代表の編成に関しては国内オリンピック委員会(NOC)が責任を持っており、パリ2024への選手の参加は、選手が属するNOCがパリ2024代表選手団を選出することにより確定する。 各競技の出場資格に関する公式資料はこちら。
ラン2本、ベストトリック5本のうち、ランの高得点1つ、ベストトリックの高得点2つで構成されたストリート決勝で、吉沢は85.43点をマークした織田に続いて暫定2位(84.42点)でベストトリックへ。1本目、2本目でスコアを80点台後半でそろえて戦いを優位に進めた吉沢は、最後のトリックで96.12点を出して暫定トップに。その後、赤間、伊藤、織田が5本目のトリックを行ったが、吉沢を超える選手はおらず初優勝を決めた。
2022年から始まったオリンピック予選で初めて優勝し、オリンピック出場枠を掴み取った吉沢は、Olympics.comのインタビューに答え、「今は率直に一番嬉しくて最高です。チャンスがあるし、自分のやりたい技がメイクできたら1位になれる確率もあるって思っていたので、自分を信じて、期待が大きかったかなと思います」と語った。
一方、日本勢4番手で大会に挑んでいた中山は、ラン終了時点で3位につけ、ベストトリック1本目(83.22点)を決めたものの、2本目、3本目、4本目は失敗。ここまでオリンピックを意識せずに大会に臨んでいたという中山だったが、決勝の途中で「オリンピックに行きたい」という気持ちが強くなり、後がなくなった最後5本目のトリックで同日最高の96.84点を出して暫定2位につけた。その後、吉沢がトップに立ったことで、中山は3位で戦いを終え、久々の表彰台を笑顔で飾った。
準優勝となった織田は、ベストトリックで得点を更新して優勝すればパリが近づくという状況の中で最終トリックに挑んだものの技を成功させることはできず、準優勝。ランキングポイントで吉沢、赤間、中山に届かなかった。
このほか決勝に進んでいた赤間は4位、伊藤美優は6位となった。