上海での熱い戦いからおよそ1ヶ月。戦いの舞台をハンガリーの首都ブダペストに移し、スケートボード、スポーツクライミング、ブレイキン、BMXフリースタイルのパリ2024オリンピック出場枠をかけた最後の戦い「オリンピック予選シリーズ」(OQS)第2戦ブダペストが、6月20日から4日間の日程で始まる。
日本代表選手たちは各競技で上位に入り出場枠確保を目指すが、誰がその座を射止めるかが最大の注目ポイントとなる。最終決戦を前に、大会の見どころ・日程・ライブ配信情報をまとめた。
※オリンピック各国代表の編成に関しては国内オリンピック委員会(NOC)が責任を持っており、パリ2024への選手の参加は、選手が属するNOCがパリ2024代表選手団を選出することにより確定する。各競技の出場資格に関する公式資料はこちら。
オリンピック予選シリーズ(OQS)での実施競技・種目は?
オリンピック予選シリーズ(OQS: olympic qualifier series)では、スケートボード、スポーツクライミング、BMXフリースタイル、ブレイキンの4競技、合計12種目が実施される。
スケートボード
- 男子ストリート
- 女子ストリート
- 男子パーク
- 女子パーク
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スポーツクライミング
- 男子ボルダー&リード
- 女子ボルダー&リード
- 男子スピード
- 女子スピード
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BMXフリースタイル
- 男子パーク
- 女子パーク
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ブレイキン
- Bボーイ
- Bガール
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OQS第2戦ブダペスト、各競技の注目ポイント
スケートボード、熾烈な日本代表戦い展開中
上海大会を終え、混戦模様が色濃くなったスケートボードのオリンピック日本代表争い。各種目最大3枠の座を巡り、東京2020オリンピックで活躍した日本代表選手らや2023年の世界選手権・東京大会で頂点に立った日本人スケーターらが苦戦する中、新たな才能が大会を盛り上げ、緊迫の戦いが展開されている。
男子ストリートでは東京2020金メダリストの堀米雄斗が日本勢5番手に沈みどう盛り返すのかに注目が集まる一方、14歳ながら世界ランキング1位に躍り出た小野寺吟雲(ぎんう)、大会を追うごとに自らを成長させている女子ストリートの赤間凛音(りず)、怪我からの復活を遂げた東京2020女子パーク金メダルの四十住(よそずみ)さくらの滑りも必見だ。
今大会のスケートボードでは、ストリート、パークの両種目ともに予選(20日、21日)、準決勝(22日)、決勝(23日)が行われる。最終順位によってポイントが与えられ、それが世界ランキングに反映されて出場枠の行方が決まる。早期敗退となれば、パリ出場の望みが潰えてしまうことから、予選から緊張感の漂う戦いとなることは間違いない。
スポーツクライミング、B&Lは野中か伊藤か? スピード種目では世界トップにどう挑む?
スポーツクライミングでは、上海大会とブダペスト大会のポイントの合計でパリ出場枠が決まる。ボルダー&リード複合種目では男女各10人、スピード種目では男女各5人が出場枠を得ることになる。
女子ボルダー&リードでは、東京2020銀メダルの野中生萌(みほう)と伊藤ふたばが残り最大1枠となった日本代表の座を巡る戦いの中にあり、上海大会では野中が総合4位(38ポイント)、伊藤ふたばがリードで野中と差がつき総合5位(36ポイント)。ブダペストでその差は簡単にひっくり返る可能性があり、目が離せない種目のひとつだ。
一方、5枠(各国最大2枠)という狭き門をくぐり抜けなければならないスピード種目では、日本勢は男女ともに苦戦を強いられている。日本最高位は男子スピードの大政涼で14位(27ポイント)。苦境に立つ大政は、ブダペストで表彰台を目指して壁に挑むことでパリへの光が見えるかもしれない。
ブレイキン、日本女子が大会をリード
上海大会では日本女子3人が予選からステージで圧倒し、表彰台を独占。Ayumi(福島あゆみ)、Ami(湯浅亜実)、Riko(津波古梨心)が、その実力を遺憾なく発揮し、それぞれ1位、2位、3位で上海を盛り上げた。しかし、パリの切符を掴めるのは各国最大2人。ブダペストでは誰が表彰台のより高い位置に立つのかが注目される。
しかし、他国のBガールたちも黙ってはいないだろう。欧州選手権3位のSyssy(フランス)は母国開催のオリンピックに向けて一層強い気持ちでブダペストを訪れることが予想されるほか、パンアメリカ選手権で優勝したものの、上海では準々決勝進出を逃し11位に沈んだLuma(コロンビア)も譲れない思いでステージに立つことになる。
一方、BボーイではHiro10(大能寛飛=おおの・ひろと)とISSIN(菱川一心)の代表争いに注目が集まる。日本ではShigekix(半井重幸=なからい・しげゆき)がすでに出場枠を確保しており、残り最大1枠をふたりが競う。旧知の仲で互いに切磋琢磨するふたりは、上海ではHiro10が3位(41ポイント)、ISSINは8位(33ポイント)でHiro10がリード。果たして、ブダペストでのバトルやいかに!?
BMXフリースタイル、中村輪夢の世界との戦いにも注目
BMXフリースタイルはクライミング、ブレイキンと同様に、上海とブダペストのポイントの合計でオリンピック出場枠が決まる。男女それぞれ24選手がこのオリンピック予選シリーズに参加する中、出場枠を掴めるのは6人。各国の上限は最大2人で、日本からは男女合わせて3選手が出場している。
中でも注目はオリンピック予選をかねた2022年世界選手権で優勝した中村輪夢(りむ)だ。中村はその世界選手権の成績を通じてパリオリンピック出場に向けては好位置につけているが、上海では9位(31ポイント)と本来の力を発揮できずに終わった。たとえ合計ポイントで6位以内に入らなくともオリンピックは近くに見えているが、オリンピックの前哨戦ともされるこの大会で手応えを掴んで次の大舞台に挑むことが理想と言える。
一方、溝垣丈司は上海で15位(26ポイント)、女子では内藤寧々は上海で16位(25ポイント)。両者ともにブダペスト大会での巻き返しに期待がかかる。
オリンピック予選シリーズ2024 第2戦ブダペストのライブ配信情報
オリンピック予選シリーズ(OQS)第2戦ブダペストの戦いの模様はOlympics.comのオリンピックチャンネル、公式アプリで配信が予定されている。詳しくはこちら。
オリンピック予選シリーズ2024 第2戦ブダペストの日程
以下、現地時間。括弧内は日本時間(日本時間は7時間進んでいる)。開始時間は変更になる可能性もある。
6月20日(木)
- 11:40(18:40)スケートボード女子パーク 予選
- 12:00(19:00)スポーツクライミング男子・女子ボルダー&リード 予選・ボルダー
- 16:35(23:35)スケートボード男子ストリート 予選
6月21日(金)
- 10:00(17:00)BMXフリースタイル女子 予選
- 10:00(17:00)スポーツクライミング男子・女子ボルダー&リード 予選・リード
- 11:40(18:40)スケートボード男子パーク 予選
- 14:00(21:00)BMXフリースタイル男子 予選
- 16:35(23:35)スケートボード女子ストリート 予選
- 17:00(24:00)スポーツクライミング女子スピード 予選
- 17:50(24:50)スポーツクライミング男子スピード 予選
6月22日(土)
- 9:30(16:30)スケートボード女子パーク 準決勝
- 10:00(17:00)スポーツクライミング男子・女子ボルダー&リード 準決勝・ボルダー
- 11:30(18:30)BMXフリースタイル女子 決勝
- 11:15(18:15)スケートボード男子ストリート準決勝
- 13:00(20:00)ブレイキンBボーイ・Bガール 1次予選
- 14:00(20:00)BMXフリースタイル男子 決勝
- 14:00(21:00)スポーツクライミング男子・女子ボルダー&リード準決勝・リード
- 15:30(22:30)スケートボード男子パーク準決勝
- 16:45(23:45)ブレイキンBボーイ・Bガール 2次予選
- 17:05(24:05)スケートボード女子ストリート準決勝
- 18:15(翌1:15)スポーツクライミング女子スピード 1回戦〜決勝
- 18:30(翌1:30)スポーツクライミング男子スピード 1回戦〜決勝
6月23日(日)
- 9:30(16:30)ブレイキンBガール ラウンドロビン
- 10:00(17:00)スポーツクライミング女子ボルダー&リード 決勝・ボルダー
- 10:30(17:30)スケートボード女子パーク 決勝
- 12:00(19:00)スケートボード男子ストリート 決勝
- 12:05(19:05)スポーツクライミング女子ボルダー&リード 決勝・リード
- 12:45(19:45)ブレイキンBボーイ ラウンドロビン
- 15:00(22:00)スケートボード男子パーク 決勝
- 15:30(22:30)スポーツクライミング男子ボルダー&リード 決勝・ボルダー
- 16:00(23:00)ブレイキンBガール・Bボーイ 準々決勝〜決勝
- 17:00(24:00)スケートボード女子ストリート 決勝
- 17:35(24:35)スポーツクライミング男子ボルダー&リード 決勝・リード