スケートボーダーたちのパリ2024への道は、7月26日にイタリアのローマで開幕するスケートボード・ストリートのオリンピック予選大会となる「ワールド・ストリート・スケートボード・ローマ2022(プロツアー)」から始まる。
6月26日から7月3日まで1週間にわたって開催されるこのプロツアーは、スケートボーダーがオリンピック世界スケートボードランキング(OWSR)のポイントを獲得できる、2022年シーズン最初の大会だ。
2024年6月24日に発表されるこのランキングの最終順位によって、フランスの首都で開催されるパリ2024オリンピックへの切符を手にするアスリートが決まる。その過程で獲得するポイントはすべて重要な意味を持つ。
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東京2020のメダリスト6選手を含むストリートシーンのトップスケーターが、ローマのスケートパークで戦いに挑む前に、Olympics.comでライブ配信される今回の大会に関する情報を把握しておこう。
ワールド・ストリート・スケートボード・ローマ2022の大会フォーマット
ワールド・ストリート・スケートボード・ローマ2022のオープン予選では、およそ45秒間の「ラン」を2本行い、そのうちの高得点が採用され、男女それぞれ
上位32名が準々決勝に進出する。
5月24日時点で東京2020のメダリストと世界ランキング上位5人は、オープン予選をスキップし、準々決勝からスタートする。
女子選手でこれに該当し、今回出場するのはパメラ・ローザ(1)、ライサ・レアル(2)、西村碧莉(3)、西矢椛(5)、中山楓奈(11)。
男子は、ナイジャ・ヒューストン(1)、堀米雄斗(2)、白井空良(3)、ケルビン・ホーフラー(4)、グスタボ・リベイロ(5)、ジャガー・イートン(8)。
準々決勝はオープン予選と同様、2本のランを行い、上位16選手が準決勝に勝ち進むことができる。
準決勝では、オリンピックの新しい採点方式(2ラン・5トリック・3スコア)が採用され、8人の選手が決勝に進出する。
決勝も準決勝と同様に、2ラン・5トリック・3スコアという新しい採点方式で、勝者と表彰台の入賞者が決定する。
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ワールド・ストリート・スケートボード・ローマ2022の日程
以下、時間はすべて現地時間
6月26日(日)
- オープン予選練習(男女) 8:30〜17:35
6月27日(月)
- オープン予選練習(男女) 8:30〜17:35
6月28日(火)
- オープン予選練習(男女) 8:30〜17:35
- 女子プレシードスケーター練習 17:40〜18:25
- 男子プレシードスケーター練習 18:30〜19:15
6月29日(水)
- 女子オープン予選 8:45〜13:45
- 女子プレシードスケーター練習 14:45〜15:30
- 男子プレシードスケーター練習 15:35〜16:20
6月30日(木)
- 男子オープン予選 8:45〜17:45
- 女子プレシードスケーター練習 17:50〜18:35
- 男子プレシードスケーター練習 18:40〜19:25
7月1日(金)
- 女子準々決勝 10:20〜13:05
- 男子準々決勝 15:55〜18:40
7月2日(土)
- 女子準決勝 16:30〜19:05
- 男子準決勝 19:30〜22:05
7月3日(日)
- 女子決勝 19:00〜20:15
- 男子決勝 21:00〜22:15
- 表彰式 22:30〜23:00
ワールド・ストリート・スケートボード・ローマ2022、注目のスター選手
男子ストリートスケートボードの頂点に君臨するのは、アメリカ合衆国出身のナイジャー・ヒューストンだ。現在26歳のヒューストンは、その卓越した才能を高く評価され、オリンピックのために東京にやってきた。
しかし、彼の日本でのパフォーマンスは、予想通りにはいかなかった。世界ランキング1位のヒューストンは、東京2020の決勝で、最後の4つのトリックを成功させることができず、まさかの7位に終わった。
パリ2024に向けた予選が始まったことで、ヒューストンは新たなスタートを切ることになる。問題は、彼が前回できなかったことを実現できるかどうかだ。
もし、ヒューストンが「スタイルスター」ならば、オリンピックチャンピオンの堀米雄斗は「キング・オブ・安定感」と言えるだろう。
堀米は、プレッシャーの中で結果を出す能力に長けている。ローマにも、目標を持って降り立つだろう。地元東京で歴史的な金メダルを獲得して以来、23歳の堀米日は、初めて日本で開催されたXゲームズで最高のパフォーマンスを披露し、表彰台の頂点に立った。
ノーリーバックサイド180スイッチフロントスミスグラインドを含む一連の新しいトリックは、堀米を他のライダーから引き離すものだった。実力を証明済みの彼がこの予選でどのようなパフォーマンスを見せるのかが楽しみだ。
女子では、オリンピックチャンピオンの西矢椛が東京大会に続く結果を残せるかどうかが注目される。
しかし、日本史上最年少のオリンピック金メダリストは、金メダル獲得以降、多くのことが変わったようだ。母国での優勝以来、自分に向けられるスポットライトに戸惑いもある。それでも、注目され続けることで、彼女はスケートボードのクリエイティブな側面に再び目を向け、競技のプレッシャーから解放された。
果たして14歳の彼女は、ローマで再び成功を収めることができるだろうか。
西矢を追うのは、2021年の東京大会以降、急激に知名度を上げたライッサ・レアウ(ブラジル)。
14歳の彼女は日本で銀メダルを獲得しただけでなく、友好的で親しみやすいキャラクターで世界中のオリンピックファンを感動させた。
おそらく他の選手にとって気がかりなのは、オリンピックで銀メダルを獲得して以来、ブラジル出身の10代の彼女がさらに進化していることだろう。
今年、千葉で開催されたXゲームズで初めて優勝し、世界一を目指すという意思を示した。レアウは、権威あるスケートボード大会での初のメダルを手にし、喜びの涙を流した。
ヒューストン、堀米、レアウ、西矢は、ローマで大きな成果を挙げることが期待される一握りの選手たちだが、注目選手は彼らだけではない。
2度のストリート世界チャンピオン、パメラ・ローザと東京2020男子銀メダリストのケルビン・ホーフラーは、レアルとともにブラジル代表として出場し、大きな勝利を手にする術を心得ている。
また、レティシア・ブフォーニが出場しないため、同胞間の競争は少なくなる。
ブラジルと同様、日本やアメリカ合衆国からも多くの選手が出場する。
2021年世界選手権で3位となった白井空良と東京2020の銅メダリスト中山楓奈は、コロッセオの目の前でより良い結果を残そうとするだろうし、アメリカ合衆国の実力者ジャガー・イートン、2度のXゲームズ金メダリスト、マライア・デュランも出場する。
また、フランスのバンサン・ミルとオーレリアン・ジロー、フィリピンのマージー・ディダル、オランダのロース・ズウェツロートも東京で10位に入っているので要注目だ。
ワールド・ストリート・スケートボード・ローマ2022、パリ2024予選の視聴方法
ワールド・ストリート・スケートボード・ローマ2022は、6月26日(日)から7月3日(日)までイタリアのローマで開催される。
準決勝、決勝の模様は、Olympics.comで視聴可能。