スノーボード・オリンピック王者、スー・イーミンが「レジェンド」と称賛する羽生結弦

北京2022ビッグエア金メダリストにとって、トレーニングを行った日本で見たフィギュアスケート界のスーパースター、羽生結弦のパフォーマンスがいかに衝撃的だったか。そのエピソードを紹介しよう。

1 執筆者 ZK Goh and Meng Lingcheng
Su Yiming Hanyu Yuzuru
(Catherine Ivill/Getty Images (Su) and Kazuki Wakasugi / The Yomiuri Shimbun via Reuters Connect (Hanyu))

オリンピック金メダルに輝くアスリートの栄光の舞台裏には、私たちの想像を絶する努力とたゆまぬ献身がある。これを共有するオリンピック王者同士が、お互いを称賛することは自然なことなのかもしれない。

北京2022冬季オリンピックのスノーボードビッグエア王者、スー・イーミンにとって、フィギュアスケート界のスーパースター、オリンピック2連覇のチャンピオンである羽生結弦との出会いは、非常に貴重な機会となった。 

羽生のパフォーマンスを目の当たりにしたスーは言葉を失った。ただひとつ、世界中のファンを魅了する優美極まりないパフォーマンスを演じる羽生の姿を見てスーの頭に浮かんだ言葉があった。

「レジェンド。彼を表現するには、この言葉こそが最もふさわしいと思います」と、スーはOlympics.comに話した。

「彼はフィギュアスケートでオリンピックを連覇しています。これは信じられないことです。僕はオリンピックを経験しましたが、連覇がどんなに難しいかということを今、とても痛感しています」

スー・イーミンにとっての羽生は「僕の目標」

現在19歳のスーは、18歳の誕生日を3日後に控えたその日、北京2022冬季オリンピックで金メダリストになった。

羽生は、オリンピックを目指して懸命に努力する若きスノーボーダーにとってアイドル的な存在だった。

「他のたくさんのファンと同じように、僕は長い間、彼の大ファンでいろいろなことを調べて知っていました。中国だけでなく、世界中で彼はとても人気がありましたから。僕は、いつも彼を目標にしていました」とスーは打ち明けた。

「彼がソチ2014平昌2018で金メダルを取ると、それが僕の目標になりました。オリンピックで最高の結果を残すと」

「彼はいつも僕が進歩するために必要な原動力、そして目標になってくれています」

スーはこうして羽生を「レジェンド」として尊敬するようになった。世界中の多くのファンもきっとそう思うことだろう。

「オリンピックのような巨大なプレッシャーの中でも、彼は素晴らしいパフォーマンスを発揮し、2個の金メダルを獲得しています。これがどんなに大変なことなのかと想像しています」

「彼の素晴らしい実績はもちろんですが、彼の個性、振る舞い、礼節など、彼がリンク上で見せる全てが彼をレジェンドたらしめています」

「僕は本当に彼を尊敬しているのです」とスーは語った。

羽生を間近に見て衝撃を受けたスー・イーミン

2022年7月、競技から引退することを表明した羽生は、プロスケーターとして、単独アイスショー「プロローグ」、「GIFT(ギフト)」を演じ、2023年3月には出身地宮城県で行われたアイスショー「ノッテステラータ」に出演している。

これまでにも毎夏恒例の「ファンタジー・オン・アイス」でもパフォーマンスを披露している。

スーは、日本でトレーニングを行っていた時期に行われた羽生のアイスショーのひとつを見に行く機会を得た。

「衝撃的だった」とスーは振り返る。

「日本でのトレーニング期間中、ちょうど彼はアイスショーに出演していました。彼のパフォーマンスを生で見る機会があったのですが、もう衝撃が強すぎて体が震えました」

「彼の演技をじかに見ることはこの時が初めてでした。彼のライブパフォーマンスはただ僕を驚愕させたのです」

世界中の多くの羽生ファンはうらやましがるかもしれないが、スーはほんの短い時間だったものの、ある目的を果たすことができた。

「ショーの後、彼に声をかけることができたのです。彼のパフォーマンスに僕がどんなに大きな衝撃を受けたかを伝えました」とスーは喜びを隠せなかった。

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