ノバク・ジョコビッチ、世界ランク1位の通算在位最長に 通算在位トップ5は?

男子テニスの世界ランキングが2月27日に発表され、世界ランク1位の通算在位期間が378週とったノバク・ジョコビッチが、最長記録を更新した。これまでにどんな選手が長期間1位に君臨してきたのか? Olympics.comでは、ジョコビッチをはじめ歴代の選手らに注目した。

1 執筆者 Sean McAlister
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(2023 Getty Images)

2月20日付の男子テニスの世界ランキングで、ドイツの伝説的選手シュテフィ・グラフと肩を並べ、世界ランク1位の通算在位期間が377週となっていたノバク・ジョコビッチが、27日に発表された世界ランキングでその記録を更新し、歴代単独トップの378週となった。

セルビア出身のジョコビッチが初めて世界ランク1位に上り詰めたのは2011年。以来、過去7回にわたりランキング1位で1年をしめくくっている。

2023年初頭には、全豪オープンでステファノス・チチパス(ギリシャ)を6-3、7-6、7-6で破り、ATPランキングのトップに返り咲いたジョコビッチは、27日付のランキングでスペインのカルロス・アルカラス(6,780ポイント)に200ポイント差をつけ、6,980ポイントとなった。

今回最長記録を更新したジョコビッチだが、これまでにどんなプレーヤーが世界ランキング1位としてテニス界を牽引してきたのか。Olympics.comでは、通算在位トップ5を探った。

ジョコビッチと世界1位に長期間在位した選手たち

1 - ノバク・ジョコビッチ(世界ランク1位・通算378週)

ノバク・ジョコビッチは、次から次へと歴史を築いていく選手だ。グランドスラム(四大大会)のシングルスでは、ラファエル・ナダル(スペイン)と並び歴代最多の優勝22回、全豪オープンの優勝も歴代最多の10回、マスターズでの優勝回数も最多となる38を数え、数々の記録を打ち立てている。

また、四大大会をすべて制するキャリア・グランドスラムを2度達成した唯一の選手でもある。

輝かしいキャリアを持つジョコビッチだが、オリンピックでの成績はツアーでの成績ほど光ってはおらず、彼がオリンピックで手にしたメダルは、北京2008の銅メダルのみ。この年は、彼が全豪オープンでグランドスラム初優勝を飾った年でもある。

2 - シュテフィ・グラフ(世界ランク1位・通算377週)

2月20日にジョコビッチがその記録に並ぶまで、世界ランキング1位通算在位期間377で単独トップに立っていたのがドイツのシュテフィ・グラフ。彼女が初めて世界ランキング1位になったのは1987年8月のことで、その後、186週間連続でその場所に立ち続けた。輝かしいキャリアの中で、彼女は四大大会で22度優勝し、各大会で少なくとも4度優勝した唯一のテニスプレーヤーとなった。

グラフは四大大会すべてでの優勝とオリンピックでの金メダルを1年のうちに達成した史上唯一の選手である。ソウル1988オリンピックでは、シングルス決勝でアルゼンチンのガブリエラ・サバティーニを6-3、6-3のストレートで破って金メダルを獲得した。またこの大会では、ダブルスで銅メダルも手にした。

3 - マルチナ・ナブラチロワ(世界ランク1位・通算332週)

シングルスで通算332週にわたり世界ランキングのトップに立ち、歴代3位を記録しているのがマルチナ・ナブラチロワだ。彼女は、シングルスとダブルスの両方で200週以上首位を守った唯一の選手であり、ダブルスの世界ランク1位在位期間は通算237週にのぼる。

1983年には年間98勝1敗という勝率で、年間最高勝率を記録した。

オリンピックへの出場は1度で、引退の2年前にリサ・レイモンドと組んでダブルスにエントリーした。

1978年から1990年の間に成し遂げた四大大会での優勝回数は、ウィンブルドン(9回)を含む18回。偉大なテニスプレーヤーとしてテニス史に名を残している。

4 - セリーナ・ウィリアムズ(世界ランク1位・通算319週)

通算在位週で4位となるのが、319週にわたって首位に立ったアメリカ合衆国のセリーナ・ウィリアムズ。1999年の全米オープンで初めて優勝したのを皮切りに、ウィリアムズは四大大会を23度制している。

しかし、ウィリアムズがツアーでこれほど多くの勝利を収めたのは、シングルスだけではない。姉のヴィーナスと組んだダブルスでは14度優勝し、シングルスとダブルスでキャリア・ゴールデンスラムを達成した史上唯一の選手となった。

セリーナ・ウィリアムズは2022年9月に引退。オリンピックのシングルスでは金メダル1つ、ダブルスでは金メダル3つを手にした。

5 - ロジャー・フェデラー(世界ランク1位・通算310週)

5位となるのは、2004年2月2日から2008年8月18日まで237週連続で世界ランキング1位となり、通算310週を記録しているロジャー・フェデラー(スイス)だ。

2022年に引退した彼は、そのキャリアにおいてグランドスラムで20度トロフィーを掲げており、その数はウィンブルドンで8回(歴代最高)、全豪オープンで6回、全米オープンで5回、全仏オープン1回となる。

オリンピックの舞台では、北京2008のダブルスで金メダル、ロンドン2012のシングルスで銀メダルに輝いた。

世界ランク1位の通算在位記録トップ10

  1. ノバク・ジョコビッチ(378週)
  2. シュテフィ・グラフ(377週)
  3. マルチナ・ナブラチロワ(332週)
  4. セリーナ・ウィリアムズ(319週)
  5. ロジャー・フェデラー(310週)
  6. ピート・サンプラス(286週)
  7. イワン・レンドル(270週)
  8. ジミー・コナーズ(268週)
  9. クリス・エバート(260週)
  10. ラファエル・ナダル、マルチナ・ヒンギス(209週)

男子テニス・ATP世界ランキング

[2023年2月27日付]

  1. ノバク・ジョコビッチ 6,980ポイント
  2. カルロス・アルカラス 6,780ポイント
  3. ステファノス・チチパス 5,805ポイント
  4. キャスパー・ルード 5,515ポイント
  5. テイラー・フリッツ 3,660ポイント
  6. アンドレイ・ルブレフ 3,405ポイント
  7. ダニール・メドベージェフ 3,320ポイント
  8. ラファエル・ナダル 3,315ポイント
  9. フェリックス・オジェ・アリアシム 3,245ポイント
  10. ホルガ・ルーネ 3,161ポイント
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