パリ2024で行われる混合チーム種目とは?
パリ2024オリンピックは、さまざまな競技が堪能できる、まるでスポーツの”ビュッフェ”のようなイベントだ。7月27日から8月11日までの16日間の競技期間中には329の競技が行われ、アスリートたちの活躍はもちろん、エンターテイメントや多くの感動が待ち受けている。
陸上男子100mから、スイミングプールでの女子400m自由形まで、選手たちはオリンピックのモットーの最初の部分である「Citius, Altius, Fortius(より速く、より高く、より強く)」を体現することになる。しかし、フルバージョンである「Citius, Altius, Fortius – Communiter(より速く、より高く、より強く - 共に)」をより体現するのは、男女混合種目ではないだろうか。
これらの種目は、これまで行われてきた男女別という伝統を打ち破って、男女アスリート間の協力を促すとともに、各国チームの総合力やスキル、チームワークを測るものだ。
それが標的を狙うものなのか、”一本”を決めるものかに関わらず、これらの種目に参加するアスリートたちは、オリンピック選手が力を合わせればより強くなれることを証明してくれるだろう。
Olympics.comでは、パリ2024オリンピックで行われる9つの男女混合チーム種目を紹介する。
アーチェリー
混合団体
東京2020ではじめてオリンピック競技に採用されたアーチェリーの混合団体戦は、今大会でも再び実施される。
この種目は、男子選手と女子選手それぞれ1名で構成され、両選手の正確性と精神力が試される。
競技形式はアーチェリーの他の団体競技と同様だが、16チームがエリミネーションラウンドに進出できる点が異なる。
スコアはミリ単位、センチ単位で決まるため、順位決定ラウンドを勝ち抜き、メダル獲得を目指すには、両選手がともに安定した正確性を発揮することが不可欠だ。
陸上競技
4x400m混合リレー
4x400m混合リレーが、パリ2024でも再び実施される。
4人の選手(男子2人、女子2人)が参加して、スピード、持久力、協調性が試される。
400m走が4区間行われ、各選手は1区間ずつ走る。走順は、男子、女子、男子、女子の順だが、どの選手がどの区間を走るかの選択はチームに任されている。
リレーでは走者間でバトンが渡されるが、受け渡しは、ゴール周辺に指定された20mのゾーン内でなければならない。バトンを落としたり、受け渡しに失敗したりすると、チーム全体が失格となる。
男女混合競歩
競歩混合リレーは、パリ2024でオリンピックに初登場する。
コースは10キロ強の4つの区間に分かれ、リレー全体で42.195kmのマラソン距離を走破する。
走順は、男子、女子、男子、女子だが、参加するのは男女ともに1選手ずつであるため、各選手はハーフマラソンの距離を完走しなければならない。
バトンは使われないが、だからといって緊張感がないわけではない。審判団は選手たちがルールを遵守しているかを厳しく監視するため、些細なミスも許されない。
柔道
混合団体
東京2020でスリリングなデビューを飾った柔道の混合団体種目は、パリ2024でも再び実施される。
個人競技にチーム要素を取り入れた混合団体戦は、チームメイトへのサポートや、代表チーム全体の強さを示す機会となる。
チームは男子と女子、それぞれ3人ずつで編成され、男子は73kg、90kg、90kg超、女子は57kg、70kg、70kg超の階級別に6つの個人戦が行われる。
試合に勝つとチームに1ポイントが与えられ、より多くのポイントを獲得したチームが試合に勝利する。
3対3で引き分けた場合は、ランダムな抽選で選ばれた性別、および階級の組み合わせが、タイブレークを行う。
チームは個人競技と同じく直接対決で勝ち進み、最後に残ったチームが金メダルを手にする。
射撃
10mエアライフル混合団体
10mエアライフルの混合団体種目は、東京2020ではじめてオリンピックで実施されて成功を収めると、今大会でも再び実施されることになった。
この種目は、男女各1名の選手2名が参加し、両選手の精神力、正確性、呼吸法が試される。
他の混合団体種目とは異なり、各国内オリンピック委員会(NOC)は最大2チームをこの種目に参加させることができる。
競技は予選ラウンドと決勝ラウンドの2段階で行われる。
シューターは2ラウンドとも静止した的を狙い、決勝ラウンドでは10点単位のゾーンが導入される。各シューターの得点は、2ラウンドともチームの合計得点にカウントされるため、すべてのショットが重要な意味を持つ緊迫した試合が展開される。
10mエアピストル混合団体
10mエアピストル混合団体種目も、東京2020ではじめてオリンピック種目に採用された後、再び実施される。
ルールは10mエアライフル混合団体種目とほぼ同じだが、選手はライフルの代わりにピストルを使用する。
同時に、選手たちは、特別な装備を脱ぎ捨て、よりカジュアルな競技用ウェアでプレーを行う。
金メダルを獲得するには、正確な動き、呼吸のコントロール、安定したスコアという要素がうまく噛み合うことが必須となる。
スキート混合団体
スキート混合種目は、パリ2024でオリンピックデビューを飾る。
この競技には、男女各1名のシューターが参加し、2人の適応力や正確性、的を射る力が試される。
競技は予選と決勝の2段階で行われる。
どちらも、シューターは散弾銃を使用して、射撃場内の8つの異なるステーションから時速100キロで飛んでくる10メートルのクレーディスクを撃つ。 ディスクは射撃場の両サイドにある機械によって発射され、命中すると粉々に砕け、色のついた染料が放出される。
選手は命中させたディスク1枚につき1点獲得し、2人の選手の得点を合計したものがチームの得点となる。
競泳
混合4x100mメドレーリレー
オリンピックの新しい競泳種目である混合4x100mメドレーリレーは、多くの興奮を呼ぶことだろう。
男女2人ずつの4人の選手が参加するこの種目は、個々の選手のスピードと技術力だけでなく、いかに最速のチーム編成ができるかも試される。
4人の選手全員が、背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライ、自由形の順に各100mを泳ぐ。
どの選手がどの泳ぎを担当するかを決めるのは、チームに委ねられている。そのため各チームには、相手チームの泳ぎの順番を予測し、より速いチームを編成するという、戦略的な難題が生まれる。
他の競泳リレーと同様、最終スイマーが一番早く壁をタッチしたチームが勝者となる。
トライアスロン
混合リレー
東京2020では初開催ながら大成功を収めたトライアスロン混合リレーが、ふたたびオリンピック種目に登場する。
男女各2名、計4名の選手が参加する混合リレーは、トライアスロンにチーム要素を取り入れ、最も速いチームが栄誉を手にする。
男女混合リレーでは、各セクションの距離は個人種目より大幅に短縮されるため、スピードが最も重要な要素となる。
各区間は、300mのスイム、約7.4kmのバイク、2kmのランで構成される。男子、女子、男子、女子の順番に、各選手が1回ずつ出走する。
バトンの受け渡しはないが、決められたゾーン内で交代を完了させなければならない。 最初にゴールしたチームが優勝となる。
男女が一緒に競うその他の競技
パリ2024では、バドミントン、卓球、テニスでも混合ダブルスの種目が行われる。各国のNOCは、メダル獲得の可能性を高めるために、これらの種目に男女とも最強の選手を送り込むことだろう。
セーリングも男女混合種目が行われるスポーツのひとつだ。マルチハルと2人乗りのディンギー種目のクルーは男女混合でなければならない。水上での競争に勝ち抜くために、クルーにはチームワークが求められる。
最後に、馬術は男女の区別なく参加できる競技であり、パリ2024において、男女が直接競い合う2つの競技のうちの1つだ。
パリ2024で、混合団体種目をライブ視聴するには?
パリ2024では、混合団体種目を含むすべての競技の放映権を保有するメディア(MRH)を通じて視聴することができる。
放映権を保有するメディア(MRH)には、オーストラリアのNine、ブラジルのGlobo、カナダのCBC、中華人民共和国のCCTV、日本のフジテレビ/NHK/日本テレビ/TBS/テレビ朝日/テレビ東京、ニュージーランドのSKY NZ、南アフリカのスーパースポーツ、米国のNBC、ヨーロッパ全域のディスカバリー・ユーロスポーツ、フランスのフランス・テレビジョン、ドイツのARD/ZDF、英国のBBC Sportなどが含まれる。
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