スケートボード・ストリート、2025年に注目の若手選手を紹介 八島璃央、カン・ジュニ…

カン・ジュニから八島璃央まで、Olympics.comではスケートボード男子ストリートの大会で新たに台頭してきたスケーターを紹介する。

1 執筆者 Chloe Merrell
Tijmen Overbeek at World Skateboarding Tour Street Rome 2024
(Kenji Hurata/World Skate)

スケートボードのコンペティションの世界において、2024年は特別な年だったことは多くの人が認めるところだろう。

2021年の東京オリンピックに続いてパリ2024オリンピックで大会を盛り上げ、圧倒的なトリックそして感動的なストーリーで、オリンピックの人気競技としての地位を確固たるものにした。

連覇を達成した堀米雄斗キーガン・パーマーに加え、アリサ・トゥルー吉沢恋(ここ)が新たに表彰台の頂点に立った。多くのファンを有するナイジャ・ヒューストンジャガー・イートンスカイ・ブラウンレイッサ・レアウが、メダル争い中でスケートボードの醍醐味を見せつけた。そして、ジェン・ハオハオ(11)とアンディ・マクドナルド(51)は、年齢を感じさせないスケートボードの楽しさを披露した。

記憶に残る最高の2度目のオリンピックとなったが、スケートボードの精神に忠実に言えば、あの時に留まる必要はない。

どの町にも、どのスケートパークにも、彼らに続こうとするスケーターは常に存在し、私たちはすでに未来の姿を垣間見ることができる。

今年9月に開催された世界スケートボード選手権ストリートでは、才能を持った選手たちがその頭角を現した。

新年を間近に控える今、Olympics.comでは2025年の大会で注目したい4人の若手ストリート・スケーターを紹介しよう。

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ティジメン・オーバービーク(オランダ)

オリンピック最終予選からオリンピック当日まで、男子ストリートの一部のトップスターたちは数カ月に及んだそれらの日程を経て、2024年の世界選手権を欠場した。

当然ながら多くのスケーターはこのチャンスを掴み、パリオリンピック出場を惜しくも逃した日本の佐々木音憧(とあ)が最高の形で復活を遂げ、世界王者に輝いた。しかし、ローマで行われたこの大会で強い印象を残したのは佐々木だけではない。

ワールドスケート主催の大会に2度目の出場となった14歳のティジメン・オーバービーク(オランダ)が、表彰台からわずかに外れた4位でフィニッシュしたのである。

ワールドスケートツアーのデビューは2023年のことで、当時は79位。その1年後、オーバービークはワールドスケートボード・ランキング188位から19位へと順位を上げ、新たな年での活躍を予感させた。

ティジメン・オーバービーク

(Kenji Hurata/World Skate)

カン・ジュニ(大韓民国)

スケートボード界の登竜門として知られる「Tampa Am」ほど、若きの才能を計るバロメーターはない。

米フロリダで毎年開催されるこの伝統的なイベントは、現在のトップスターを含む多くのスケーターのキャリアを後押ししてきた。過去の優勝者には、オリンピアンのヒューストン(2005年)、イートン(2014年)、オーレリアン・ジロー(2015年)、ダショーン・ジョーダン(2016年)、グスタボ・リベイロ(2017年)などがいる。

となれば、今年の優勝者、大韓民国のカン・ジュニに注目が集まるのは当然だろう。

ソウル出身の16歳の彼は、Tampa AMの決勝で堀米のトレードマークであるノーリーバックサイド270ヒールフリップ・ボードスライドを含むランで会場を沸かせた。

ワールドスケートボードツアーデビューはまだだが、彼が何を成し遂げるのか、期待せずにはいられない。

八島璃央(日本)

ここ数年、日本はスケートボードの大会において、世界的リーダーとしての地位を築き、才能と実績においてブラジルやアメリカ合衆国を凌いでいる。

現在までに、日本勢はオリンピックで金メダルを5個を含む9個のメダルを獲得。トップレベルのスケーターたちが次々に登場する日本のスケートシーンはパリ大会前の話題のひとつで、日本人スケーターの間では最も激しい出場枠争いが繰り広げられた。

そんな日本からは、新たに15歳の八島璃央(やしま・りお)が気鋭のスター選手として名乗りをあげようとしている。

10月の日本スケートボード選手権で3位で表彰台に立った彼は、Tampa AMでも9位に入賞した。

八島は日本選手権の成績で2025年のワールドスケートジャパンの強化指定選手に選出されることが見込まれ、世界の強豪たちと戦うべく、ワールドスケートのツアーにも乗り込んでくることが予想される。

ジュリアン・ジャンアグリアルディ(アメリカ合衆国)

スケートボード発祥の地であるアメリカ合衆国は、当然ながらスケートボード・ストリートの強豪国である。オリンピックで2大会連続で表彰台に立ったイートン、そしてヒューストンは、パリオリンピックの男子ストリート決勝で、プレッシャーの中で何ができるのかを体現し、堀米とともに史上最高の盛り上がりを作り出した。

ヒューストンとイートンがこのスポーツの最前線にいる理由の一部は、下からの勢いによって説明することができる。トップであり続けるためには、両者ともに常に革新的でなければならない。

そうした彼らの存在は巨大で、突破口を開こうとしているのがジュリアン・ジャンアグリアルディである。

米カリフォルニア州ロングビーチ出身の14歳の彼は、印象的な映像のおかげで、すでにインスタグラムで10万人近いフォロワーを有しており、大会でも有望視されている。

今年のTampa Amでは7位に入り、ライジングスター賞を獲得。また、今年初めにドバイで開催されたワールドスケートの大会では、25位でデビューを飾った。

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