冬季オリンピック選手のユニークなニックネームを紹介

北京2022に出場したすべての選手が「オリンピアン」となり、中には「オリンピックメダリスト」の称号を得た者もいる。しかし、中には競技からはかけ離れ、奇抜でユーモラスなニックネームを持つ選手もたくさんいる。

1 執筆者 Marta Martin and Sean McAlister
Ailing (Eileen) 'Snow Princess' Gu 
(Getty Images)

「白菜ボーイ」「マックロビン」「カミシュリーのバッファロー」。これらの言葉に共通するものは? 一風変わったファストフードのメニュー? 答えは、**北京2022冬季オリンピック**に出場したオリンピアンのニックネーム。

北京2022のゲレンデやリンク、トラックで見つけた最高のニックネームをOlympics.comが紹介する。

エイリング(アイリーン)グー/雪のプリンセス

北京に来て、「雪のプリンセス(Snow Princess)」と呼ばれているフリースタイルスキーのエイリング(アイリーン)グー。中国のスタースキーヤーのグーは、この大会で金メダル2つと銀メダル1つを獲得。Weibo(微博)での130万人というフォロワー数が、彼女の人気のほどを証明している。

イ・サンホ/白菜ボーイ

大韓民国スノーボード界に旋風を巻き起こしたイ・サンホは、地元サブクのかつて白菜畑だった場所で技を磨いた。26歳の彼のそんなシンデレラストーリーは故郷のファンを魅了し、人は彼を「白菜ボーイ(Cabbage Boy)」と呼ぶ。4年前の平昌大会では、キュウリのようなクールな滑りで男子パラレル大回転で銀メダルを獲得。北京2022では準々決勝で敗退した。

アリアナ・フォンタナ/ブロンドの矢

冬季オリンピックで最も成功をおさめたイタリアのアリアナ・フォンタナは、その長いキャリアにおいて、「ブロンドの矢(Freccia Bionda)」「ブロンドの天使(Angelo Biondo)」という2つのニックネームを授かった。これまでにオリンピックのショートトラックで11個のメダルを手に入れた彼女は、北京2022でも表彰台に向かって一直線に解き放たれると、金メダル1個と、銀メダル2個を手に入れた。

バート・スウィングス/スウィング・オン・ウイング

「スウィング・オン・ウイング(翼の上でスイング Swings on Wings)」は、「スウィング・オン・スケート(スケートでスイング Swings on Skate)」よりもキャッチーな響きだ。毎日ほとんど氷の上にいるにもかかわらず、スピードスケートのバード・スウィングス(ベルギー)が前者のような呼び名を得た理由はそこにある。北京2022で4種目の出場権を獲得した31歳は、ゴールからゴールへと「スイング」しているが、それは彼が持つ哲学と一致している。「僕には夢はない。あるのは目標だけ。いまは次の目標を目指している」。

(2022 Getty Images)

マーク・マクモリス/マクロビン

カナダのマーク・マクモリスは根っからのヒッピーで、それが「マクロビン(McLovin)」というニックネームを頂戴した由来だ。オリンピックでこれまで3つの銅メダルを獲得している28歳の彼は、スノーボード界で最も人気のあるボーダーのひとりで、「McRib」「Sparky」「The Closer」といった愛称でも知られている。しかし一番しっくりくるのはやっぱり「マクロビン」だろう。

フェデリカ・ブリニョネ/ザ・タイガー

獰猛でパワフル、そしてなにより速い。イタリアのフェデリカ・ブリニョネは、「ザ・タイガー」(La Tigre/The Tiger)というニックネームにふさわしい選手だ。北京2022ではアルペンスキーの大回転で銀、複合で銅メダルを獲得。アルペンスキーのゴールに轟音を響かせるメダル常連スキーヤーの彼女は、ウィンタースポーツ界で別格の存在だ。

スベン・クラマー/空飛ぶオランダ人

オランダ出身のスピードスケーター、スベン・クラマーは、トリノ2006でオリンピックに初出場して以来、これまで4つの金メダルを獲得している。彼が「空飛ぶオランダ人(the Flying Dutchman)」と呼ばれているのも、シンプルに「The Man(唯一無二の男)」と呼ばれているのも納得だ。

デーブ "ザ・ロケット" ライディング

「エディ・ジ・イーグル」以降、北京2022に登場したデーブ "ザ・ロケット" ライディングほど、国民を魅了するニックネームを持った選手はイギリスチームにいなかったかもしれない。2022年1月に開催されたアルペンスキーのワールドカップで初勝利をあげた彼は、オリンピックの男子回転で13位。彼が望んでいた表彰台には届かなかったが、私たちの記憶の中では彼は常に「ザ・ロケット」だ。

エデュアルド・ラティポフ/バッファロー・フロム・カミシュリー

ROCのバイアスロン選手エデュアルド・ラティポフは、北京2022で3つの銅メダルを獲得しているが、「今大会で最もキャッチーなニックネーム」という点でも、さらなる勲章を獲得する価値がある。強さ、パワー、スタミナを絶妙に兼ね備えたユニークな彼にとって、「カミシュリーのバッファロー(Buffalo from Kamyshly)」以上の呼び名はないだろう。

(2022 Getty Images)

クロエ・キム/イムギ

米スノーボード界のセンセーション、クロエ・キムは、「最も長い間使われてきたニックネーム部門」では、間違いなく賞を獲得する。韓国の干支で辰年に生まれたキムは、父親から韓国語で若い龍を意味する「イムギ(Imugi)」というニックネームを授かった。

「韓国の伝統では、龍になるには1000年待つ必要があります。それまではふつうの蛇なのですが、1000年ほど待つと、金色の真珠を持った龍になるのです」

その間にキムが獲得したのは、冬季オリンピックで最も栄誉ある色の2個のメダル、世界選手権優勝で得た2個、そしてXゲームで手にした6個、という金の勲章だ。

テッドヤン・ブルーメン/TJ フラワーズ

北京2022で、スピードスケーターのテッドヤン・ブルーメン(TJ Flowers)は花を咲かせた。カナダ出身の彼は、3つの種目に出場し、男子チームパシュートでは自己最高の5位に入賞。花は見事に開花した。

(2022 Getty Images)

テッサ・ウォーリー/ノミ

フランス人アルペンスキーヤー、テッサ・ウォーリーが、アルゼンチンの伝説的なサッカー選手、リオネル・メッシと共有しているのは、ニックネームだけではない。ウォーリーも、157cmの俊敏な体格を活かして、アルペンスキーのゲレンデをスタイリッシュかつ巧みに駆け抜ける。La Puce(フランス語で「ノミ」)は、愛する人や子どもへの愛情を込めた呼び名でもあり、アルペン界で愛されている彼女にはぴったりだ。

アレクシ・パンチュロ/野獣

アレクシ・パンチュロは、ソチ2014からオリンピックで活躍し、北京2022までに銅メダル2個と銀メダル1個を手にしている。その筋骨隆々とした体格と高い身体能力から、本国フランスで「La Bête」(野獣)と呼ばれ、アルペンスキー界で最も恐れられるスーパースターのひとりだ。

ハルゲイル・エンゲブローテン/ポテトチップスキング

スピードスケート男子団体追い抜き(チームパシュート)の金メダリスト、ハルゲイル・エンゲブローテンは、2つのものを愛している。スピードスケートとポテトチップスだ。彼があまりにもポテトチップスが好きなので、友人たちは、彼が得意とするスポーツではなく、ポテトチップスにちなんだニックネームをつけたという。

「僕はとにかくポテトチップスが大好きなんだ。だから『ポテトチップスキング』と呼ばれている」と、彼はソーシャルメディアで明かしている。

(Richard Heathcote/Getty Images)

ケビン・ドゥルーリー/クワッジラ

スキークロスのスター、ケビン・ドゥルーリーは、自分の中にある野生性を発揮して、国際大会で傑出したパフォーマンスを披露している。伝説の怪物ゴジラにちなんでクワッジラ(Quadzilla)と名付けられた彼は、平昌2018では4位、北京2022では12位の成績を収めた。

(1 Getty Images)

ショーン "アニマル" ホワイト

スノーボード界のレジェンド、ショーン・ホワイトのニックネーム「アニマル」は、多くの人が想像するような理由で生まれたものではない。「僕に新しいニックネームができたんだよ」と、ESPNに語ったホワイト。「『マペッツ』(TVシリーズ)に出てくるアニマルという名前のドラマーに僕は似ていると思うんだ。だから新しい呼び名は、ショーン "アニマル" ホワイトだ」。

長い間、スノーボード界の頂点に立ってきたレジェンドにとっては、最高のニックネームとはいえないが、キャリア初期に赤い髪の色からつけられた「フライング・トマト」というニックネームからは進歩したようだ。

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