写真: 2021 Getty Images
数々の名シーンが生まれ、観客を興奮の渦に包み、人々に多くの感動をもたらしてきたスポーツの祭典、オリンピック。中心にいるのは、この瞬間のために多くを捧げて自らのスキルを磨いてきたアスリートたちだ。
7月26日〜8月11日の日程で行われるパリ2024オリンピックでは、フランスの首都パリに世界のトップアスリートたちが集結し、それぞれ夢や目標のために全神経を傾けすべてをぶつける。金メダルを獲得するために、過去の自分を超えるために、いつも支えてくれる家族のために、この瞬間を仲間と共有するために…。
選手にとってその時が刻一刻と迫る今、Olympics.comでは日本を代表するトップアスリートの歩みをたどる。ここでは、東京2020オリンピック男子100kg級で金メダルに輝き、パリでの連覇を目指す柔道家、ウルフ・アロンを紹介しよう。
アメリカ人の父と日本人の母の間に生まれ、6歳から柔道を始めたウルフは、2017年、世界柔道選手権ブダペストで優勝を成し遂げ世界の頂点に立った。大学卒業後の2018年には、大阪でグランドスラム(GS)初優勝を飾った。
2019年4月には全日本柔道選手権を初制覇。9月には世界柔道東京に出場し銅メダルを獲得した。そして、コロナ禍によって1年延期となったが、満を持して臨んだ東京2020では金メダルをつかみ取った。これは、シドニー2000で金メダル獲得した井上康生氏以来の快挙。また、史上10人目となる三冠(全日本、世界、オリンピック)の達成となった。
その後、けがなどの理由でしばらく競技から離れたウルフだったが、東京2020以来1年3か月ぶりに復帰。体重が25kg増え減量に苦労したというエピソードをこの6月のテレビ番組で明かした。2023年4月、全日本選抜柔道体重別選手権で久しぶりの優勝を飾り、6月のGSウランバートルで3位に入るが、自身の思い描く柔道ができず苦しんだ。再びオリンピックの舞台に立つことはできるのだろうか。そんな不安がよぎった。
しかし、今年に入り、2月のGSパリで優勝を果たし、パリ2024代表の切符を手繰り寄せた。5月のGSカザフスタンでも優勝しパリ行きを確実なものにした上で連覇に向けて勢いをつけた。優勝後、国際柔道連盟のインタビューで「パリまで最後の試合だったので、ここで弾みをつけることができた。まだ準備している技もある。これからはそれを磨いていきたい。技も力もスタミナも全て伸ばしていきたい」とウルフは抱負を語っている。パリ2024で金メダルを獲得すれば、オリンピック柔道100kg級史上初の連覇となる。
パリでウルフの出場する100kg級は強豪がひしめく。世界ランキング1位(6月9日現在)のゼリム・コツォイエフ(アゼルバイジャン)はその筆頭だろう。2024年世界柔道アブダビ優勝、2021年GSアンタルヤではウルフを破って優勝している。また、2019年世界柔道東京の覇者で、東京2020銅メダリストの31歳、ジョルジ・フォンセカ(ポルトガル)も侮れない。2024年GSアンタルヤで優勝している(ウルフは3位)。2024年世界柔道準優勝、世界3位のシャディ・エルナハス(カナダ)は2024年GSアンタルヤで2位に入っており要注意だ。2023年、2024年GSバクーを連覇し、世界2位に入るイリア・スラマニゼ(ジョージア)、2024年GSドゥシャンベで優勝している若き23歳のジェンナーロ・ピレッリ(イタリア)は、いずれもウルフに勝利した経験を持つ。
このように、パリでは誰が表彰台に上っても不思議でない様相を呈しており、オリンピック王者のウルフとて油断はならない。
GSカザフスタン優勝しました🇰🇿
— ウルフアロン A.WOLF (@maronaaron0225) May 13, 2024
オリンピックに向けて最高の形で弾みをつけることができました。
次はいよいよパリオリンピックです。
2連覇に向けてしっかりと調整していきます。
引き続き応援よろしくお願いします。 pic.twitter.com/YGZyR4AYQx
以下、現地時間(日本は7時間進んでいる)。スケジュールは変更になる可能性もある。
※年齢は2024年7月26日パリ2024オリンピック開会式当日を基準とした。
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