ISAワールドサーフィンゲームズ2024プエルトリコ大会の見どころと注目の選手/パリ2024最終予選に挑む波乗りジャパン

パリ 2024

世界最高のサーファーたちが、パリ2024オリンピック男女14の出場枠をかけてプエルトリコで開催される最終予選に臨む。波乗りジャパン男女6人の活躍も期待される。Olympics.comのオリンピックチャンネルや公式アプリを通じてライブ中継をチェックしよう。

1 執筆者 Lena Smirnova
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(International Surfing Association)

パリ2024オリンピックを目指すサーファーにとって、その出場枠を獲得できるラストチャンスとなる最終予選、国際サーフィン連盟(ISA)ワールドサーフィンゲームズ開幕が間近に迫っている。WSLチャンピオンシップ・ツアーに参戦中の選手、各大陸チャンピオン、すでに暫定的なパリ2024出場枠を獲得している選手ら、世界のトップ選手がプエルトリコ(アレシボ・マガラ)に集結する。男子5枠、女子7枠の出場枠を狙う各国の代表選手同士の争いもさることながら、国内オリンピック委員会(NOC)が獲得できる男女それぞれ1枠の出場枠を巡る各国代表チーム間の戦いも激しさを見せることだろう。

50か国以上の代表選手が出場するパリ2024最終予選の今大会は、2月23日(金)から3月3日(日)までマガラのリーフブレイクで行われる。イギリス領ヴァージン諸島からは3選手が国際大会デビューとなる。ブラジルのガブリエル・メジナ、オーストラリアのサリー・フィッツギボンズ、インドネシアの和井田理央(りお)らサーフィン界のスーパースターたちが出場し、オリンピック出場をかけた運命のバトルを繰り広げることが予想される。すでに暫定的な出場枠を獲得している選手たちにとっては、チームメイトのためにNOC出場枠を狙って熾烈な戦いとなることは必至だ。

Olympics.comのオリンピックチャンネルや公式アプリを通じてライブ中継を視聴することができる。これを見逃す手はない。ここでは、ISAワールドサーフィンゲームズ2024の見どころ、注目の選手、日程について紹介しよう。

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ISAワールドサーフィンゲームズ2024:プエルトリコ・マガラのリーフブレイクで開催

ワールドサーフィンゲームズ2024は、プエルトリコの北海岸にある都市アレシボのマガラで行われる。

プエルトリコでは、過去にISA主催の大会が何度か開催されており、1968年と1988年のISAワールドサーフィンチャンピオンシップや、最近では2022年のISAワールドSUP&パドルボードチャンピオンシップなどが挙げられる。

マガラ海岸のリーフブレイクは、プエルトリコの中で最もパワフルな波のひとつであり、プエルトリコのパイプラインと呼ばれるほど大西洋で最も重いバレルのひとつであることで知られる。また、波が左右に割れるツインブレイクで知られるエルピコ&ラストリアも開催地となる。

これらの波は、ISAによって、パリ2024サーフィン競技が実施されるタヒチ・チョープーとサイズとパワーなどが匹敵することなどから選択されたもので、近年ISAワールドサーフィンゲームズが行われているビーチブレイクと比較すると、選手には高度なスキルはもとより安全面でのより大きな配慮が求められると言える。サーファーたちが目指すチョープーを考えれば、マガラは最もふさわしい会場のひとつと言え、選手たちはパリオリンピック本番で待ち受けるはずのチャレンジの一端をここで味わうことができるはずだ。

ISAワールドサーフィンゲームズ2024:プエルトリコからパリへ

今大会では、パリ2024への出場枠を男子は上位5人、女子は上位7人の選手が獲得できる(出場枠獲得済みの選手が上位にいた場合は次位に順次繰り下がことになる)。

これまでに、ISAワールドサーフィンゲームズ2023、2023年WSLチャンピオンシップ・ツアー、2023年パンアメリカン競技大会において、男子15人、女子13人、合わせて28人が出場枠を確保している。

今大会では、上位に入った選手のほか、チーム成績によって最上位の男女それぞれのチームのNOCに1枠(計2枠)が用意される。昨年、出場枠を獲得できなかったサーファーの中には、今大会で代表チームのために戦い、自国NOCの出場枠を獲得することを目指す選手もいる。チーム戦では、チームメンバー3人の各ポイントを合計して、男女それぞれのチーム順位を決定する。最上位チームが1枠を獲得することにより、自国NOCは最大出場枠数3枠目を確保することができる。

今大会とISAワールドサーフィンゲームズ2022でチーム出場枠を獲得できなかったNOCにとっては、パリ2024に出場できる選手の最大人数は男女それぞれ2人となる。

波乗りジャパン男子代表チームとアメリカ合衆国女子代表チームは、それぞれISAワールドサーフィンゲームズ2022でチーム優勝し3枠目を獲得した。もしこれらのチームが今大会で優勝した場合、次位のチームに順次繰り下がることになる。

パリ2024に出場する選手数は男子24人、女子24人で同数となっており、それぞれにはオリンピック三者委員会によって選ばれるユニバーサリティ枠が1枠と開催国枠1枠が含まれる。

*オリンピック各国代表の編成に関しては国内オリンピック委員会(NOC)が責任を持っており、パリ2024への選手の参加は、選手が属するNOCがパリ2024代表選手団を選出することにより確定する。

各競技の出場資格に関する公式資料はこちら(英語)

ISAワールドサーフィンゲームズ2024:注目の選手

パリ2024最終予選に臨む波乗りジャパン

暫定的なパリ2024出場枠をすでに獲得したサーファーたちは、今大会に出場することによって出場枠を確実なものとするだろう(※)。その中には、波乗りジャパンの五十嵐カノア、稲葉玲王(れお)、松田詩野(しの)ら3人が含まれる。これらの3人に加え、3枠目も獲得している男子代表には、昨年11月に日本へ移籍したコナー・オレアリーが出場する。

さらに女子代表には、東京2020銅メダリストの都筑有夢路(つづきあむろ)前田マヒナが出場し、上位7人が獲得できる出場枠を目指す。また、松田と共にチーム戦で最上位を狙い、最上位チームが獲得できる出場枠1枠を獲得し合わせて2枠の獲得を目標に定める。今大会では、波乗りジャパンのチームワークも見せどころだ。

※全ての出場枠は、今大会の終了後に行われる最終発表まで暫定となる。選手の出場に関しては、各選手の所属するNOCの承認を得て決定となる。

世界の注目選手:男子

2023年WSLチャンピオンシップ・ツアーのランキングで4位に入り暫定的にパリ2024出場枠を獲得したブラジルのジョアオ・チアンカは、昨年12月にオアフ島パイプラインでのトレーニング中に事故に遭い、医療上の理由で今大会を欠場することになったが、ブラジル男子代表チームは最強の布陣でチーム戦に臨む。

3度の世界チャンピオンであるガブリエル・メジナ、WSLチャンピオンシップ・ツアーで活躍を見せたヤゴ・ドラ、2度の世界チャンピオンで現王者であるフィリペ・トレドといった面々で3つ目の出場枠を虎視眈々と狙っている。トレドは最近、2024年WSLチャンピオンシップ・ツアーから1年間の休養を取ることを発表したが、今大会には出場する。トレドはすでにパリ2024出場枠を確保しているが、メジナとドラにとってはブラジル代表チームが男子の追加枠をチーム戦で獲得できない限り、パリ2024への出場の可能性がほぼ消えてしまう。このため、不退転の覚悟で今大会に挑んでくるはずだ。

男子のチーム戦出場枠を狙うブラジルの最大のライバルは、アメリカ合衆国代表チームだ。2023年シーズンに大ブレイクしたアメリカ合衆国のグリフィン・コラピントと、2度の世界チャンピオンであるジョン・ジョン・フローレンスは、すでに暫定出場枠を獲得しており、チームメイトのバロン・マミヤとともにチョープーへ向かうためベストを尽くしてくるだろう。今年のマミヤはすでに1月の地元ハワイのバンザイ・パイプライン(オアフ島)で行われたWSLチャンピオンシップ・ツアーの初戦で勝利しており、その余勢を駆ってプエルトリコに乗り込む。

世界の注目選手:女子

アメリカ合衆国の18歳、ケイトリン・シマーズは、2023年9月、WSLファイナルで4位に入るという快挙を成し遂げ疾風のようなルーキーシーズンを過ごし、今シーズン早々にはWSLチャンピオンシップ・ツアー初戦のハワイでマミヤ同様に優勝を果たしている。

アメリカ合衆国代表女子チームが、ISAワールドサーフィンゲームズ2022で出場枠3つ目を獲得していることで、シマーズは東京2020金メダリストのカリッサ・ムーアと、2023年世界チャンピオンのキャロライン・マークスとともにタヒチ・チョープーに挑む有力候補となったが、今大会でまずは実力を示しておく必要はあるだろう。

一方で、その他の国の代表チームは女子の追加枠を獲得するために熾烈な戦いを見せるのは必至だ。その中でも、オーストラリアと日本代表チームが特に強力なライバル争いを見せることは間違いない。

オーストラリア代表チームは、東京2020で銅メダルを獲得したオーウェン・ライトの妹、2度の世界チャンピオンのタイラー・ライトと、今年のハワイ・パイプラインで女子選手として初めてパーフェクト10を記録した新星のモリー・ピクラムを擁する。2人はすでにパリ2024暫定出場枠を獲得しているが、3度のワールドサーフィンゲームズ王者であるサリー・フィッツギボンズはまだ出場枠を獲得していないため、今大会でチームメイトの2人と共にチーム最上位を目指し3枠目を狙う。

イギリスのスカイ・ブラウンも見逃せない存在だ。東京2020スケートボード女子パーク銅メダリストのブラウンは、自身初のISAワールドサーフィンゲームズ出場となる今回、オリンピック史上で初めて、サーフィンとスケートボードの両方でオリンピック出場することを目標としている。

15歳のブラウンとともに若い世代のサーファーたちには、インターネット動画で話題になったカナダの16歳、エリン・ブルックスと、2023年ワールドサーフィンゲームズでブレイクした17歳のオランダのティアラ・ヴァン・デル・ハルスらがいる。

その他、プエルトリコで開催される今大会では、南米のサーファーたちの活躍も期待される。ペルー男子代表のミゲル・トゥデラは、2度のパンアメリカン競技大会チャンピオンのルッカ・メシナスとともに、ペルーのオリンピック出場をかけて大きな期待が寄せられている 。

ブラジル女子代表の若きスター、ルアナ・シルバは2023年ワールドサーフィンゲームズチャンピオンであるタティアナ・ウェストン・ウェブに続く活躍を見せている。コスタリカのレイラニ・マクゴナグルは、2023年7月に行われたタヒチでのトレーニングキャンプでバレルに乗るスキルを磨き、2度目のオリンピック出場を目指す。

インドネシアの和井田理央(りお)とモロッコのラムジ・ブキアムは、昨年はパリ2024出場枠を惜しくも逃したが、最終予選となる今大会には最大の備えを持って臨んでくるだろう。

◾️日本代表選手

※2023年12月25日 日本サーフィン連盟発表

  • 女子 都筑有夢路/前田マヒナ/松田詩野
  • 男子 五十嵐カノア/稲葉玲王/コナー・オレアリー

ISAワールドサーフィンゲームズ2024をライブで観よう!

2月24日からは、オリンピックチャンネルでは、Olympics.comや公式アプリを通じて世界中のどこからでもライブ中継を視聴することができる。また、Olympics.comでは大会のハイライト、結果、インタビューなども配信する予定だ。

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