橋本大輝が見るパリ2024への光

東京2020から1年、オリンピック体操男子個人総合で金メダルを獲得した橋本大輝は、パリ2024での連覇と、団体金メダルを日本に持ち帰ることを決意している。今秋、英リヴァプールで開催される世界選手権からそのプロセスが始まる。

文: Shintaro Kano
写真: 2021 Getty Images

東京を越える演技をするための道筋は見えている。

もうすぐ21歳になるオリンピック王者は、悟りの境地に立っているかのようにはっきりと口にした。

その人物とは、1年前の7月28日(木)、東京2020オリンピック男子個人総合で表彰台の頂点に立った橋本大輝である。

当時、個人総合2連覇中で、男子体操界で史上最高と称された内村航平は、かつて超人的とも言われた肉体の消耗を理由に種目別鉄棒に専念。その内村の後を橋本が引き継いだ。

バトンを受け取った橋本は、パリ2024への道を歩み始めた。

7月23日の東京オリンピック1周年を前に、橋本はOlympics.comの独占インタビューに応じ、「あっという間でした」とこの1年を振り返った。

「東京オリンピックが終わってからも、立て続けに試合などがあったので、あっという間に1年が経ったなというのが今の気持ちです」

「(この1年)とても内容が濃かったなと思います」

橋本は鉄棒でも金メダルを獲得し(内村は決勝進出ならず)、団体戦では日本の銀メダル獲得に貢献した。

橋本は、これまでに感じたことのなかった「ゾーン」に入っていた昨夏の自分の演技を今でもよく見ているという。

東京大会の演技は、橋本自身も驚くほどの内容だった。

千葉県出身の橋本は、所属する順天堂大学の最新鋭の体育館で、「(東京オリンピックの映像を見て、自分が)本当に集中していたんだなというのがわかりました」と話した。

「東京オリンピックのときのパフォーマンスは、思うように体が動いていたので、自ずと試合の結果もついてきました」

「オリンピックではすべての種目でミスなく通り、そういう試合をしたことが今までになかったので、あのときの演技は本当にすごかったなと今でも自分でもびっくりしています」

橋本は、自信を確信に変えることができたことで、精神的にもパリに向けて良い準備ができているという。

「目標にしていたのがオリンピックの金メダルでした。取れるとわかっていて、実際に取ってみて、自分の力の強さを感じました」

「自分の演技で世界一が取れるんだなということがわかり、この先も戦う必要があるので、それが自信にもなったと思います」

「自分の演技を大会でしっかりできれば、自然と結果もついてくると感じたので、金メダルをとったからこそ、驕りではなく、これからもさらに成長していくことが必要なんだと感じました」

後継者

橋本は言葉を吟味し、控え目な言い方をせず、矢のようにまっすぐに自分の考えを伝える。

それは、内村がメディアに出演したときと同様に、自分の言いたいことをストレートに伝える方法だ。

橋本は19歳でオリンピックに初出場し、オリンピック史上最年少の男子個人総合チャンピオンとなった。鉄棒でも、日本勢としては37年ぶりに金メダルを獲得した。

同年10月、北九州で開催された世界選手権(その1ヶ月前には大学日本選手権に出場)で、橋本は個人総合と鉄棒で準優勝を果たした。

橋本は個人的な栄誉を積み重ねつつある。しかし、今後の目標を尋ねると、彼は迷うことなくこう答えた。

団体戦での優勝。体操競技の団体は、日本では最も人気のあるオリンピック種目のひとつであり、橋本も重要視している。

橋本には、年齢を上回る成熟さと無私の精神が備わっている。

「今年のリヴァプールでの世界選手権は、団体金メダルを取って、その波にのって個人総合で金メダルを取りたいです」

「ここ数年、団体金を逃しているので、チームみんなで協力し合っていい演技をするということを目標に戦っていきたいと思います」

橋本はパリ2024の団体戦で日本を金メダルに導きたいという思いを抱いている。
写真: 2021 Getty Images

今、はっきりと見える

東京2020が開催されたことに、橋本は感謝し続けるだろう。この大会が開催されるまでには、多くの人が犠牲を払ったことを彼は知っている。現場のスタッフ、ボランティア、裏方のスタッフらの支えにより、東京2020が実現したことを彼は理解している。

メダルを獲得し、注目されるようになったにもかかわらず、この1年、橋本に大きな変化はなかった。

同年代がするような派手な遊びはしない。昨年8月7日に20歳になった橋本は、新しい財布を奮発して購入したが、それだけである。

橋本にとって東京2020のレガシーは、無形で永続的なものだ。

彼は悟りの境地に立った。だからこそ、2年後のパリで、表彰台の頂点に立つ自分の姿を思い描くことができるのだろう。

「団体金を取って、個人でも金を取っているイメージがあります」と橋本は言った。

「1番の目標は、東京を越える演技をしたい。それができれば、間違いなくパリで団体金と個人金を取れるかなと思っています」

「結果の目標も大事なんですけど、自分の最大限のパフォーマンスをするということを忘れずにすれば、東京のように成長した自分を見せられるかなと思っています」。

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