【フィギュアスケート】島田麻央、江原2024冬季ユースオリンピックに期待する今の気持ちを語る

2023年世界ジュニアフィギュアスケート選手権での初優勝と、ISUジュニアグランプリファイナル連覇を成し遂げた15歳の島田麻央は、ユースオリンピックに向けて大きな期待に胸を躍らせている。それはスケートのことだけではなく、大会のすべてを楽しむことだ。

1 執筆者 Shintaro Kano
Shimada Mao
(2023 Getty Images)

「まお」

この名前が出ると、フィギュアスケートに関心の高い人の多くは、あるひとりのスケーターを思い浮かべるだろう。バンクーバー2010冬季オリンピック銀メダリスト、世界フィギュアスケート選手権3度のチャンピオンであり、2017年に引退した浅田真央さんだ。

しかし、近い将来、もうひとりの「まお」がその名と同じぐらい知れ渡るようになるだろう。

島田麻央、15歳。麻央(まお)という名は、浅田さんのファンだったという彼女の母親が名づけた。

島田に関する話題が増えているが、それは「まお」の名前に引けを取ることなく、フィギュアスケートの才能を発揮し急成長する彼女への期待が高まっているからだ。

東京生まれの彼女は、評価の高いスケート育成機関、木下スケートアカデミーのある京都に練習拠点を置きながら、ジュニアとしての階段を駆け上がり、さまざまな勝利を獲得してきた。

2023年は、2月にカナダ・カルガリーで開催された世界ジュニアフィギュアスケート選手権で初めての優勝を果たした。11月には全日本フィギュアスケートジュニア選手権で3連覇し、トリノ2006金メダリストの荒川静香さんや、世界フィギュアスケート選手権2度の覇者、安藤美姫さんらに並んでこの偉業を成し遂げた。

また、12月、中華人民共和国・北京で開催されたISUジュニアグランプリファイナルでは2連覇を達成している。この時、ショートプログラムで2位と出遅れたが、フリースケートでは3回転アクセルと4回転トウループを立て続けに決め、逆転優勝を果たした。これは、男女を通じ日本人として初めての連覇となった。

島田は、Olympics.comとの独占インタビューに応じ、江原2024冬季ユースオリンピックを迎えるにあたって今の率直な気持ちを語った。

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島田麻央、15歳の旅

島田は、2023年12月下旬に開催された全日本フィギュアスケート選手権で2年連続の3位入賞で1年を締めくくった。

現在、今シーズンの最大目標のひとつであり、初出場となる大韓民国・江原道で開催されている冬季ユースオリンピック(YOG)に期待を込める。

「人生1度のユースオリンピックになるので、しっかり楽しめるぐらい練習してユースオリンピックに行きたいです」と、島田はYOGに臨むにあたりOlympics.comとの独占インタビューで力を込めた。

「年が明けて少し体を慣れさせるぐらいの練習だったので、そこまで緊張はなかったですけど、明日ぐらいから普通の練習時間になるので少しずつユースオリンピックに向けて気持ちも高まってくるかなと思います」

「金メダルを目指しています」

全日本選手権後の年始は、島田はリラックスして休暇を楽しんだ。スケートから離れて遊園地で遊んだり、祖母たちと時間を過ごしたり、初めて目の前で箱根駅伝を見る機会もあった。

島田は、いわば箱根を走るランナーのように自分自身のレースを走っている。江原2024ユースオリンピックはその通過地点である。それもさることながら、自身初めての大韓民国への旅行を心待ちにしているようだ。Kポップ、食べ物、ソウルの街並みなどすべてが楽しみでならない。

彼女にYOGで最も楽しみにしていることは何かと尋ねると、目を輝かせながらオリンピック体験のすべてと答えた。間違いなく島田は金メダルを強く望んでいるはずだが、彼女にとって同じくらい重要なことは、スケートだけではなく、好奇心を満たしてくれるYOGでの特別な体験だ。

「いろいろな競技の選手がいると思うので、いろいろな選手のトレーニングも見てみたいです」と彼女は話した。

選手村での他の選手との交流の機会も楽しみにしているようだ。

The world may have to get used to a shot like this of Shimada Mao in the years to come.

(International Skating Union - ISU)

島田麻央「オリンピックに出るのが夢です」

島田のシニアでのオリンピックデビューは、出場年齢制限が北京2022冬季オリンピック後に変更されたため2030年まで待たなければない。2008年10月30日生まれの彼女は、ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック前年の予選シーズンの始まる2025年7月1日時点では、まだ出場年齢制限である17歳以上になっていないからだ。

実は、浅田真央さんもかつて同じ状況にあった。彼女はトリノ2006前のシーズンで大活躍を見せ、14歳という若さで全日本選手権2位、グランプリシリーズでも躍進した。しかし、彼女の初めてのオリンピックとなるはずだったトリノ2006では15歳が出場年齢制限だった。あと87日のところだった。

しかし、バンクーバー2010までの4年間で、浅田さんはトリノ2006を逃したことを取り戻すかのように、世界選手権やグランプリファイナルでの優勝、スコアの世界記録更新など、3回転アクセルを武器にトップスケーターのひとりとして多くの人の心に残る活躍を見せた。

もうひとりの「まお」は果たして同じ軌跡をたどるのだろうか?島田麻央のさらなる活躍が今後も期待されるが、まずは急成長する彼女の活躍を来たる1月28日、YOGフィギュアスケート女子シングルで目の当たりにするに違いない。

「ユースオリンピックに出て、その次はシニアのオリンピックに出場したいです。メダルをとりたいです」

「スケートを始めて少しした頃から、オリンピックがあこがれの舞台だったので、その時からオリンピックに出るのが夢です」

「ユースオリンピックに出たら少し手が届いたんじゃないかなと思います」と島田は語った。

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