日本代表、苦しみながらも延長制してパリ2024に王手丨U23アジアカップカタール2024
パリ2024男子サッカーの予選を兼ねるAFC(アジアサッカー連盟)U23アジアカップ カタール2024。グループステージをB組2位で通過した日本代表は現地時間4月25日、ドーハのジャシム・ビン・ハマド・スタジアムで開催国・カタール代表と対戦した。A組首位通過のカタールは前の試合から中3日、日本は中2日の日程。さらに完全アウェイと、日本にとって不利な条件がそろう。
■日本いきなり先制、相手GK退場
負けたらその時点でパリ2024への道が閉ざされるノックアウトステージ準々決勝。日本代表の大岩剛監督は以下の11名をピッチに送り出す。
GK 1 小久保 玲央ブライアン
DF 4 関根 大輝
DF 5 木村 誠二
DF 21 大畑 歩夢
DF 22 高井 幸大
MF 7 山本 理仁
MF 8 藤田 譲瑠チマ(Cap.)
MF 10 佐藤 恵允
MF 11 山田 楓喜
MF 17 松木 玖生
FW 19 細谷 真大
2分、いきなり試合が動く。グループステージ3試合で1失点のカタール。この試合では5バック気味に守備を固めるも、そのディフェンスラインでパスが乱れる。日本はこのミスを見逃さず、ボールを奪取。ボールを奪った山田楓喜がそのまま持ち込み、ペナルティエリア手前からシュート。これがゴールネットに突き刺さり、日本は最初のシュートで先制に成功する。
このゴールでホームサポーターは沈黙。日本が主導権を握る展開となる。日本の追加点も間近と思われたが、次の点数はカタールに入る。カタールは24分、右サイドからクロス。FWアフメド・アルラウィが高い打点のヘディングで、同点ゴールを挙げる。アルラウィは会場のサポーターを盛り上げるしぐさを見せ、カタールが勢いを取り戻す。
日本は38分、松木玖生がペナルティエリア左からクロス。細谷真大が合わせるも、僅かに枠を捉えられない。40分、日本のフィードをカタールGKユーセフ・アブドゥラーがペナルティエリア外でヘディング。この時に細谷と交錯するが、このプレーが危険だったと判定される。シリアのハンナ・ハットタブ主審はVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)によるチェックの後、アブドゥラーにレッドカードを掲示。日本は数的有利を得るも、前半は1-1で終了する。
■日本、逆転を許すも追いつく
- HT' 松木 玖生 → 藤尾 翔太
大岩監督は前半にイエローカードを受けている松木を交代。FW藤尾翔太を投入して勝ち越しを狙う。しかし先にゴールを奪ったのはカタール。49分に日本陣内でFKを得ると、MFモスタファ・メシャールが正確なキック。これにMFジャッセム・ガベルが頭で合わせ、カタールが逆転に成功する。
数的有利ながら追い込まれた日本。失点直後から何度かチャンスを作るも、ゴールとはならない。そうした中でDF木村誠二が日本を救う。67分、山本理仁のCKに木村がヘッド。木村の今大会2点目が決まり、日本は2-2とする。
この試合に勝利を収めたとしても、パリ2024出場枠の獲得には、もう1勝が必要。日本は数的有利を活かして90分での決着を目指すが、カタールも守備を固め、得点を許さない。10分以上あったアディショナルタイムでもゴールは生まれず、後半終了のホイッスル。試合は2-2で延長戦に突入する。
- 83' 佐藤 恵允 → 平河 悠
- 90+6' 山田 楓喜 → 荒木 遼太郎
■細谷真大が大会初ゴール
ポルトガル出身、カタールのイリディオ・ヴァレ監督は98分までに6人を交代。メンバーを入れ替えることで、運動量を確保しようと試みる。そうした中、日本に待望のゴールが生まれる。101分、藤田譲瑠チマ、荒木遼太郎とパスをつなぎ、最後は細谷がシュート。右足から放たれたボールはGKの股を抜き、ゴールに吸い込まれる。日本、エースの今大会初得点でリードを奪う。
- 105' 山本 理仁 → 川崎 颯太
- 105' 細谷 真大 → 内野 航太郎
大岩監督は延長後半開始から2人を交代。運動量でカタールを圧倒する。112分、川崎颯太がシュート。これはGKに弾かれるも、内野航太郎がこぼれ球を押し込んで貴重な追加点を挙げる。
- 114' 大畑 歩夢 → 半田 陸
日本は4-2で勝利。パリ2024出場枠に王手をかけた。準決勝は現地時間29日。26日に行われる準々決勝・イラク代表 vs.ベトナム代表の勝者と対戦する。
■大会概要
パリオリンピック予選を兼ねるAFC U23アジアカップカタール2024には、16チームが出場。グループステージは4チームずつ4組に分かれて行われ、各組上位2チームが準々決勝に進む。
今大会の上位3チームがオリンピック出場権獲得。4位のチームはアフリカサッカー連盟(CAF)加盟国とのプレーオフに回る。