オリンピック競技大会におけるジェンダー平等が推進される中、男女混合種目はますます重要な役割を担っている。**北京2022**では、4の新種目を含む、合計9の混合種目が行なわれる。
平昌2018より採用されているアルペンスキーの混合種目である、混合団体パラレルスラロームが、再び中国の首都で開幕する冬のオリンピックの舞台で繰り広げられる。しかも、この混合種目は、アルペンスキー競技におけるメダルのかかった最後の種目として実施される予定だ。
さっそく、混合団体パラレルスラロームについて、詳しく見ていこう!
競技フォーマット
混合団体パラレルスラロームは、10年前より世界選手権で実施されるようになり、平昌2018において初めてオリンピック種目として採用されたことで、アルペンスキーの重要な種目として位置付けられるようになってきた。
北京2022の競技フォーマットは、平昌2018と全く同じである。個人種目の成績に基づき、シードされた上位16のチームが参加し、 予選、準々決勝、準決勝、そして決勝というトーナメント方式で行なわれる。
どのチームも6名まで選手を指名することができ、各ラウンドはそのうち4選手(男女各2名)が出場する。個人パラレルスラロームと同様、2名の選手が同時にスタートし、勝者となったチームへ1ポイントが加算される。もしも、両チームの競技者がどちらも転倒したり、ゴールを切ることができなかった場合には、フィニッシュラインにより近いところまで滑走した選手のチームへ、ポイントが与えられる。
そして、ポイントを多く獲得したチームが、次のラウンドへ進出できる。引分け(2−2)の場合は、タイム合計で少ない方が勝者となる。
日程および会場
混合団体パラレルスラロームは、2022年2月19日に実施される。午前11:00(現地時間)より予選が始まり、準々決勝、準決勝と続く。最後の決勝は、現地時間午後12:46開始予定。
また会場は、延慶ゾーンにある国家アルペンスキーセンターで行なわれる。
オリンピアンの言葉
数あるアルペンスキー種目の中でも、混合団体パラレルスラロームは、選手にとってもユニークな存在のようだ。まず、スラローム競技そのものが、同一のコースを2名のスキーヤーが同時に競争するという点で、手に汗握るスポーツであるのだが、そこへさらに、団体戦というチームとしての特別な感情が加わってくる。さらに、オリンピックのアルペンスキーにおける最後の種目として行なわれることも相俟って、興奮せずにはいられない要素がふんだんに盛り込まれているのだ。
「本当に楽しい種目だと思っています。新しく採用されたばかりで、もっと工夫できる点はあるかもしれない。だけれども、男子選手と一緒にトレーニングして、共にチームとして戦うことは、ものすごく楽しい」と、アメリカのミーガン・マクジェームスは、平昌オリンピック中のロイター社のインタビューで、このように答えている。
また、平昌2018で銀メダルに輝いたミヒャエル・マット(オーストリア)は、「コースの距離が短いので、個人のスラロームやジャイアントスラロームよりも、もっと正確に滑らなくてはいけない。とにかくクールなスポーツで、今後も続いていってほしい」と、混合種目について語っている。
注目チームと選手
オリンピック初採用となった平昌2018混合団体の初代王者はスイスで、決勝でオーストリアを破った。北京2022では、スイスの2連覇や、銀メダルとなったオーストリアのリベンジが見どころになるだろう。
また、平昌2018では銅メダル、世界選手権2021では金メダルに輝いたノルウェーも、注目チームのひとつだ。
このほかにも、スウェーデンやドイツも、2021年の世界選手権で表彰台に上っており、オリンピックメダルを狙っていることは間違いない。さらに、昨季のクリスタルグローブを手にした**アレクシ・パンテュロー**を擁するフランスも、混合種目で活躍が期待される。