**ブライアン・マッキーバー**が有終の美を飾るにふさわしい戦いぶりを見せている。
3月12日(土)に行われた北京2022パラクロスカントリー男子ミドル(視覚障がい)。カナダ選手として輝かしい成功を収めている冬季パラリンピアンのマッキーバーが、通算16個目のパラリンピック金メダルを獲得した。ガイドのグラハム・ニシカワとともに出場した42歳のマッキーバーは、ドイツのパラアルペンスキーのゲルト・シェーンフェルダーと並び、パラリンピック男子選手として、史上最多となる16個のタイトルに輝いた。
今大会で3つ目となった金メダルは、張家口で行われたスプリント(視覚障がい)と、ロング(視覚障がい)に続き、最後の個人種目で獲得したもので、マッキーバーは、4大会連続で個人種目3つ(男子ロング・クラシカル、スプリント、ミドル・フリー)を制覇。ソルトレークシティ2002から続く輝かしいキャリアの中で、表彰台に立った回数は20にのぼる。
だが、彼の旅はまだ終わっていない。
マッキーバーは3月13日(日)のリレー種目でシェーンフェルダーの記録を超える可能性がある。しかし、彼が記録に執着することはない。今週初め、マッキーバーは「それについて考えず、ただ目の前のレースに集中し、楽しもうと思う」と語っている。
今日のレース直後にニシカワが疲れ果てて倒れ込んだとき、立っていたマッキーバーはいつものように笑い、彼に手を差し伸べた。
「グラハムは素晴らしい仕事をしました。完璧なスタートを切ることができ、本当にいいペースでした」と語ると、「今日は正しいビブをもらえたおかげだと思います」と、ビブの番号16番を着て16個目の金メダルを獲得した彼は、笑顔を見せた。
ブライアン・マッキーバー:記録に並ぶ16個の金メダル
マッキーバーとニシカワは33分6秒6を記録し、銀メダルのゼバスティアン・モディン(33分59秒1)と銅メダルのドミトロ・スイアルコ(34分08秒1)に1分近く差をつけ、表彰台の頂点に立った。
マッキーバーは、12.5kmのレース中盤、6km地点でトップのジェーク・アディコフ(アメリカ合衆国)を抜き、その後一度も後ろを振り返ることなくゴールした。
「ペース配分についてはよく話をします」と話すと、「高地でのペース配分はもっとも重要なことです。高地でしくじったら、取り返しがつきません」と続ける。
「高地で育ってきた者同士、ここで失敗することがどういうことなのか、よく分かっています。もし、高地で間違ったら、もう戻っては来られません」
「ウォームアップのときも、昨日も、そのことを意識していました」
ブライアン・マッキーバーにとってのミラノ・コルティナ2026は?
冬季パラリンピックを再び席巻しているマッキーバー、2026年のミラノ・コルティナ大会まで続ける気はないのだろうか?
「私たちは、ずっと競技を続けてきました。ジュニア時代からずっと一緒に練習してきたし、永遠の友達なんです」とレース後に語ると、「一緒に年齢も重ねてきて、白髪も増えたし、痛みも出てきた...。壊れそうだよ。私たちは今でも一緒に出場するのが好きだけど、それもだんだん難しくなってきました」と、心境を口にする。
「もし、4年後にここに戻ってレースすることになったら、杖をついて来ることになると思います」と、冗談まじりに将来を話すマッキーバーは、「おそらく戻ってくると思いますが、コーチやワックスの役割を担っているでしょう」と語った。
マッキーバー:リレーで記念すべき17個目の金メダルへ?
3月13日(日)のリレー種目でマッキーバーが17個目の金メダルを獲得すれば、冬季パラリンピック史上最も成功した男子選手になる。これについて、どう感じているのだろうか。
「この場にいられることが幸せです。20年やってきて、パラリンピックの一部になれるのは光栄なことです」
「だから、ここにやってきて楽しみ、なおかつ全力を尽くし、この素晴らしい天気を楽しみながら、楽しい1日にできたらいいなと思います」
ブライアン・マッキーバー:スーパーボールの瞬間
北京2022冬季パラリンピックで最もよく知られた人物の1人、マッキーバーは、スーパーボール2022のコマーシャルに登場し、彼の人生そして兄・ロビンと共に10個の金メダルを獲得したことを紹介している。
19歳のときにスターガルト病の症状により視力を失い始め、ロビンをガイド役にトレーニングを始め、2014年まで兄弟で冬季パラリンピックに出場していた。マッキーバーは、#StrongerTogetherをすべてを知る存在だ。