BガールAmi(湯浅亜実)金!オリンピック初代チャンピオンに!Ayumi(福島あゆみ)は準々決勝敗退/パリ2024ブレイキン

執筆者 Risa Bellino
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BガールAmi(湯浅亜実)予選グループ首位で準決勝へ!パリ2024ブレイキン
写真: 2024 Getty Images

現地時間8月9日、ブレイクダンスの名で知られるダンススポーツのブレイキンが、パリ2024で新たにオリンピックデビューを果たした。

パリ中心にあるコンコルド広場での競技1日目を飾ったのは、女子種目のBガール。パリ2024では、予選会を勝ち抜いた16名と難民選手団1名の17名が予選グループで4つに分かれて1対1のダンスバトル(総当たり戦)を繰り広げ、各グループ上位2名の計8名が決勝トーナメントに進出しオリンピックメダルをかけて競い合った。

初代チャンピオンの座に輝いたのは、オリンピック予選シリーズ第2戦ブダペストを制したBガールAmi(湯浅亜実)。銀メダルを、2023年の世界選手権でAyumiを決勝で2対1で破った17歳のリトアニア代表Nickaが掴み取った。

また、3位決定戦で銅メダルを獲得したのは2023年アジア競技大会の金メダリスト、中華人民共和国のBガール671(リウ・チンギ、18歳)、2対1のスコアでメダルを逃し4位入賞となったのはオランダ代表のIndiaだった。

ヘッドスピンを披露するBガールAmi(湯浅亜実)/パリ2024ブレイキン

写真: 2024 Getty Images

ダンサー名Amiとして活躍する、2019年と2022年の世界選手権を制した湯浅亜実と、2021年の世界選手権、2023年・2024年の全日本選手権を制したBガールAyumi(福島あゆみ)は別グループで予選ラウンドを行い、AmiがグループCで首位に立ち、AyumiはグループDで2位に入って準々決勝進出を決めた。

予選ラウンドの3戦を圧勝したAmiは、開催国フランス代表の16歳、Syssyを相手に準々決勝においても1ラウンドも白星を譲ることなく3対0で完勝し、準決勝に駒を進める。一方、41歳のAyumiは18歳のIndia(オランダ)と準々決勝で対戦。テクニカルでクリエイティブなシグネチャームーブを取り入れたAyumiらしさを発揮したダンスに対し、Indiaはヘッドスピンからのリズミカルなイントロやパワフルなムーブで対抗し、1対2でAyumiは惜しくも準々決勝で敗退となった。

準決勝では、25歳のAmiがIndiaと対戦。ブレイキンシーンでよく知られたクラシックナンバー「People」に合わせ、Amiは音楽とシンクロしたキレのあるムーブでジャッジ(審査員)と観客に強くアピール。一方、ここ最近は国際舞台での大会出場を控え、技を磨き上げてきたIndiaは、多彩なボキャブラリーで応戦した。結果、2対1でAmiが勝利し決勝に進出した。

Amiの決勝の相手は、近年メキメキと力をつけてきた新鋭のNicka。互いにオリジナリティ溢れるダンスムーブで一歩も引かない激しいダンスバトルが繰り広げられ、第1ラウンドを6対3、第2ラウンドを5対4、第3ラウンドを5対4でリードしたAmiが最終3対0のスコアでオリンピック初代女王に輝いた。

ブレイキンオリンピック初代女王誕生!BガールAmiが金メダル!

写真: 2024 Getty Images

オリンピックの舞台で頂点に立ったAmiは、「本当に嬉しいです、すごく」と笑顔を見せると「自分なりに全部出し切れて、ステージを楽しめて、どんな結果でも自分的には最高って感じでした」と達成感のある表情をのぞかせた。「やってて辞めたいときもあったし、辛い時もあったんですけど、これをやったからTEAM JAPANのみんなともこんなに近く、仲良くなれたし、これをやったから自分を通してブレイキンってどういうものかを伝えられたし、だからやって良かったなって今は思います」と喜びを噛み締めた。

金メダルを獲得したことで、これから人生がどんなふうに変わると思うか質問すると、「あまり変わんなくて良いかなって、いい意味で」と答え、「自分はあんまり変わりたくないなと思っていて。もちろんブレイキンの注目度が高まることは嬉しいんですけど、ブレイキンは勝った人だけがすごいわけじゃないから。他に出ている人たち全員が自分のスタイルを貫いて、今日はAmiが勝っただけで、もし同じバトルが明日あったらAmiじゃなかったかもしれない。というものなので、これを機に金メダル取ったAmiだけが知られるんじゃなくて、ブレイキンの本当の良さを知ってもらえたら嬉しいなって思いますね」と語った。

準々決勝で敗退となったAyumiは、「まだまだだなと感じました。自分のダンスをもっと磨こうと思っています」と振り返り、「すごい楽しめましたけど、最後はやりきれない気持ちなので、また次に向けて頑張ります」と続けた。膝を怪我しており、左足が攣ってしまったというAyumiは、治療を受けて回復に努め、次のステージを目指すと意気込んだ。

ウィンドミルで腕を後ろに組む難易度の高いムーブを披露するBガールAyumi/パリ2024ブレイキン

写真: 2024 Getty Images

なお、男子種目のBボーイは、8月10日(土)16時(日本時間23時)から予選ラウンドが行われ、同様に1日でメダリストが確定する。日本からはShigekix(半井重幸)とHiro10(大能寛飛)が出場する。

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パリ2024 ブレイキンの競技日程

以下、現地時間と括弧内が日本時間。日本はパリより7時間進んでいる。※日程は変更になる可能性もある。

8月9日(金)

  • 16:00(23:00)Bガール予選
  • 20:00(翌3:00)Bガール準々決勝 第1試合
  • 20:07(翌3:07)Bガール準々決勝 第2試合
  • 20:14(翌3:14)Bガール準々決勝 第3試合
  • 20:21(翌3:21)Bガール準々決勝 第4試合
  • 20:45(翌3:45)Bガール準決勝 第1試合
  • 20:52(翌3:52)Bガール準決勝 第2試合
  • 21:14(翌4:14)Bガール3位決定戦
  • 21:23(翌4:23)Bガール決勝戦

8月10日(土)

  • 16:00(23:00)Bボーイ予選
  • 20:00(翌3:00)Bボーイ準々決勝 第1試合
  • 20:07(翌3:07)Bボーイ準々決勝 第2試合
  • 20:14(翌3:14)Bボーイ準々決勝 第3試合
  • 20:21(翌3:21)Bボーイ準々決勝 第4試合
  • 20:45(翌3:45)Bボーイ準決勝 第1試合
  • 20:52(翌3:52)Bボーイ準決勝 第2試合
  • 21:14(翌4:14)Bボーイ3位決定戦