BガールRamとして知られる日本の河合来夢(かわい・らむ)は、ブレイキンがオリンピック大会に初めて登場したユースオリンピック(YOG)ブエノスアイレス2018において、女子と混合団体の両種目で金メダルを獲得し、その名を歴史に刻んだ。
Ramの勝利は、ブレイキンがパリ2024オリンピックのプログラムに含まれる道を拓き、ブレイキンが1970年代のニューヨークのストリートから世界最大規模のスポーツの舞台へと活動の場を広げることとなる。
神奈川県出身のRamがブレイキンを始めたのはわずか5歳のときで、現在、ブレイキンチームの「The Floorriorz」のメンバーとして活躍している。ユースオリンピックで金メダル2つを獲得しただけでなく、2018年にはWDSF世界ユースブレイキン選手権で優勝し、2021年にはRed Bull BC Oneワールドファイナルに出場。現在21歳のRamは、BボーイNoriこと菊地教稔(のりとし)の指導のもと、パリ2024の出場権獲得に向けてトレーニングを行っている。
そんなRamが、パリ2024オリンピックで金メダルを目指すことや、日本での盛り上がりについてOlympics.comのインタビューで語った。
ユースオリンピック・ブエノスアイレス2018で2つの金メダルを獲得し、どんな変化がありましたか?
Ram: 答えるのが難しい質問ですが、私は戦い続け、常に成長できるよう努力しています。
ブレイキンは日本でどのように人気を高めていますか?
Ram: 次のパリオリンピックが大事だということを一般の人に知ってもらい、テレビで紹介されるダンスの大会に招待されることが、未来のブレイカー発掘につながります。若者以外にとっては、ブレイキンを知るきっかけになると思います。
ユースオリンピックのときは少なかったのですが、女性や子どものブレイカーが増えています。
パリオリンピックでの目標を教えてください。
Ram: まずは、オリンピックの日本代表に選ばれなければなりません。それまでには、たくさんの練習が必要です。もしメンバーに入れたら、金メダルを取りたいです。パリでの競技フォーマットについてはわかりませんが、2対2であれ、グループであれ、メダルを取りたいです。
ブレイキンがオリンピックのプログラムになることは良いことだと思いますか?
Ram: 5歳の頃からブレイキンに取り組んでいますが、以前とは違って人気が出てきました。一般の方に応援してもらうこともあります。私はブレイキンの世界でリラックスして踊っています。
以前はブレイキンをする人は悪い人というイメージがありましたが、ブレイキンを一般の人に知ってもらうことで、日本だけでなく海外でも理解されるようになればいいなと思っています。
ユースオリンピックは実際のオリンピックに向けて準備をする上で有効だと思いますか?
Ram: 多少の違いはあります。以前はユースオリンピック、今はパリオリンピックを目指していますが、これまでの経験を踏まえて、精神的に強くなれるよう練習に励んでいます。
ブレイキンがオリンピックプログラムに追加されることで、この競技に関心を持つ人が増えると思いますか?
Ram: 海外ではわかりませんが、日本ではメディアがブレイキンを取り上げることで、一般の人がテレビを通じて興味を持つようになると思います。
子どもの頃から憧れていたブレイカーはいますか?
Ram: 特にいませんが、日本にしても海外にしても、ブレイカーの顔ぶれはさほど変わっていないと思います。
子どもの頃に他に取り組んだスポーツはありますか?
Ram: ありません。学校の体育の授業だけです。
他のスポーツで尊敬する日本の選手は誰ですか?
Ram: 日本のスケートボーダーの平野歩夢選手やBMXの選手など、ストリートスタイルの選手を尊敬しています。
体を鍛えるためにどんなトレーニングをしていますか?
Ram: 最近はトレーナーと一緒に体幹トレーニングをしているので、体が強くなりそうな気がします。
トップブレイカーになるためのポイントは何だったと思いますか?
Ram: 自分との戦いという精神的な部分と、練習や努力の積み重ねだと思います。