自転車BMXフリースタイル
パリ2024オリンピック・BMXフリースタイル・パークの最終予選「オリンピック予選シリーズ」（OQS）の開幕まであと3日。
オリンピック予選シリーズではスケートボード（ストリート、パーク）、BMXフリースタイル・パーク、ブレイキン、スポーツクライミング4競技の選手たちが一堂に会し、オリンピック出場を目指して5月16日〜19日に上海、6月20日〜23日にブダペストで戦いを繰り広げる。
東京2020オリンピックで初めてオリンピック競技として採用され、パリ2024で2度目の実施となるBMXフリースタイルでは、これまでにオリンピック予選をかねた大会が行われており、今回が最終予選。上海大会とブダペスト大会を通じて、男女各6人が出場枠を獲得し、オリンピック予選シリーズ終了後、全出場枠（男女それぞれ12）が埋まることになる。
日本からは中村輪夢（りむ）、溝垣丈司（じょうじ）、内藤寧々（ねね）がパリを目指し戦いに挑む。ここではオリンピック予選シリーズ上海大会の日本代表選手、注目ポイント、試合日程をまとめた。
パリオリンピック・BMXフリースタイルの出場枠を確保するには？
パリ2024オリンピックのBMXフリースタイルでは、男女それぞれ12人がパリ中心部のコンコルド広場で行われる戦いの舞台に立つ。
12の出場枠は、2022年の世界選手権の成績をもとに2枠、2023年の世界選手権で3枠、オリンピック予選シリーズで6枠が埋まり、残り1枠が開催国フランスとなる。
なかでも最も優先されるのが今回のオリンピック予選シリーズの結果で、この大会で出場枠が決まった後、各大陸の出場枠獲得状況を考慮して最終的にその他の出場枠を得る国が決定する。
オリンピック予選シリーズでは、上海大会、ブダペスト大会のそれぞれの結果に応じてポイントが与えられ、合計点の上位6人がオリンピック出場枠を確保する（※）。
上海大会、ブダペスト大会のそれぞれで得られる最大ポイントは1位の50ポイント。2位が45ポイント、3位が41ポイント、4位が38ポイント、5位が36ポイントで、6位以降は1ポイントずつ減っていき、最下位の24位は17ポイントとなる。
※オリンピック各国代表の編成に関しては国内オリンピック委員会（NOC）が責任を持っており、パリ2024への選手の参加は、選手が属するNOCがパリ2024代表選手団を選出することにより確定する。
BMXフリースタイルの注目選手
オリンピック予選シリーズ上海大会およびブタペスト大会のBMXフリースタイルには、男女それぞれ24人のライダーが出場。日本からは男子種目に中村輪夢、溝垣丈司、女子種目に内藤寧々の合計3選手が出場する。
中でも日本勢トップで世界でもトップレベルで活躍するのが、2022年の世界選手権のBMXフリースタイルで日本選手として史上初めての優勝を果たした中村輪夢だ。19歳で出場した東京オリンピックでは5位入賞という成績を残したが、メダルを獲得できなかったことの悔しさが心に深く刻まれ、パリにその想いをぶつけるべく励んできた。
その中村と表彰台争いを繰り広げるライダーはどんな顔ぶれなのか？
2連覇を狙った2023年の世界選手権で、中村は惜しくも表彰台を逃し4位。この大会では、東京2020オリンピック金メダリストのローガン・マーティン（オーストラリア）を抑えて、22歳のキーラン・ライリー（英国）が頂点に立った。
世界ランキングでは現在、ライリーを首位に、マーティン、フランスのアントニー・ジャンジャンが続き、中村が4位、ニック・ブルース（アメリカ合衆国）が5位に立つ。
これらすべてがオリンピック予選シリーズへの出場を予定しているが、中でも母国開催のオリンピックに向けて地元ファンの期待値を高めているジャンジャンは、2月に江ノ島で行われた2024年ワールドカップ初戦でマーティン、ブルースを抑えて優勝（中村は4位）、モンペリエで行われた第2戦でも優勝しており、好調ぶりを見せている。
日本からは2006年生まれの溝垣丈司（じょうじ）が中村とともに参加する。18歳ながら全日本選手権、アジア選手権と両大会で中村に続いて2位となるなど好成績を残し、直近では5月に仏モンペリエで行われたワールドカップで決勝進出を果たしている（結果は11位）。
今大会には東京オリンピック銀メダルのダニエル・デルス（ベネズエラ）も出場を予定している。
一方女子種目の注目選手は、世界選手権を5度制覇し、世界ランキング1位でオリンピック予選シリーズに向かう、東京2020銀メダリストのハナ・ロバーツ（アメリカ合衆国）だ。
2月のワールドカップ江ノ島大会で優勝した23歳のロバーツは、2021年の東京オリンピックでは優勝候補の筆頭として東京のステージに立ち、金メダルに限りなく近づいたものの、2本目のライディングで英国のシャーロット・ワーシントンに逆転を許し、ワーシントンが初代女王に輝いた。オリンピック予選シリーズでもこの2人に注目が集まることは間違いないだろう。
日本からは18歳の内藤寧々（ねね）が女子選手として唯一出場する。2023年夏のアジア選手権では競合がひしめく中華人民共和国の選手たちと鎬を削り、3位で表彰台に立ち、秋の全日本選手権では2年ぶり2度目の優勝を果たした。今年のワールドカップ初戦で7位、仏モンペリエで終了したばかりの第2戦では、日本勢トップ（決勝2位）の座を14歳の小澤美晴に譲り10位。この大会でまたひとつ経験を重ね、フランスから上海へと向かった。
このほか、地元中国から、世界選手権・準優勝のスン・シベイ、アジア選手権覇者のデン・ヤウェンのほか、スン・ジアキが出場する。オリンピックに出場できるのは、各国最大2人となっており、激しいオリンピック代表争いの中で互いが最高のパフォーマンスを発揮し、上海の会場に詰めかけたファンを沸かせることだろう。
このほか、東京2020銅メダルのニキタ・デュカロズ（スイス）も上海に降り立つ。
オリンピック予選シリーズ上海大会、BMXフリースタイルに出場予定の日本選手
BMXフリースタイル男子
- 中村輪夢（なかむら・りむ／22）
- 溝垣丈司（みぞがき・じょうじ／18）
BMXフリースタイル女子
- 内藤寧々（ないとう・ねね／18）
オリンピック予選シリーズ上海大会、BMXフリースタイルの競技日程
以下すべて現地時間。括弧内は日本時間。日程は変更になる可能性もある。
5月17日（金）
- 10:00（11:00）BMXフリースタイル女子パーク 予選
- 15:00（16:00）BMXフリースタイル男子パーク 予選
5月18日（土）
- 10:00（11:00）BMXフリースタイル女子パーク 決勝
- 12:45（13:45）BMXフリースタイル男子パーク 決勝
オリンピック予選シリーズ上海、ライブ配信
5月16日〜19日に中華人民共和国・上海の黄浦（ホアンプー）で行われるオリンピック予選シリーズ上海大会の模様は、Olympics.comのOlympic Channnelでライブ配信予定。お見逃しなく。