ワールドマラソンメジャーズのひとつ、ベルリンマラソン2023(英名:BMW Berlin Marathon 2023)が9月24日にドイツの首都・ベルリンの中心地を巡る42.195kmのコースで行われ、2022年エディション女王のティギスト・アセファ(エチオピア)が、世界記録を2分以上も更新する2時間11分53秒という驚異的なタイムでフィニッシュし、ワールドレコード樹立と大会2連覇というダブルの快挙を成し遂げた。
今大会がマラソン出場3度目となるアセファは、リオ2016陸上女子800mでオリンピックデビューを果たす。2018年以降は、長距離種目の国際大会へ出場するようになり、2022年には出場したハーフマラソン3大会全てで優勝、自身2度目のマラソンとなるベルリン2022では、タイム2時間15分37秒でゴールし、マラソン初優勝のタイトルを獲得した。
ディフェンディング・チャンピオンとして挑んだベルリン2023で、アセファは序盤からハイペースでレースを引っ張り、ハーフポイントでは1時6分20秒をマーク。後半に入ってもペースを落とすどころか、30km地点手前のダウンヒルを活かして勢いに乗り、ゴールまでのフラットなコースではさらにスピードを上げ、2位以下を突き放す。
沿道に集まったベルリーナーたちの歴史を塗り替える瞬間を見届けたいという声援と興奮に応えるように、アセファは女子で一人旅となったベルリン最後の直線コースを駆け抜け、天を仰ぐようにフィニッシュテープを切り、2時間12分を切る大台の世界新記録を叩き出してベルリン2連続の優勝を飾った。
これまでの女子マラソン世界記録は、ブリジット・コスゲイ(ケニア)が2019年のシカゴマラソンで樹立した2時間14分4秒。アセファはそれを2分11秒も上回るタイムを記録し、女子マラソンの新時代到来を予感させる新たな1ページを歴史に刻んだ。
男子では、前回ベルリンで世界記録をマークしているオリンピック2連覇中のエリウド・キプチョゲ(ケニア)が、タイム2時間2分42秒で優勝し、アセファと同様、大会2連覇を達成した。世界記録の更新とはならなかったものの、キプチョゲは今大会の優勝で、通算5度目となるベルリン制覇(2015・2017・2018・2022・2023)を記録している。
また、女子の日本記録更新を視野にベルリンマラソン2023に出場した新谷仁美は、タイム2時間23分8秒で11位に終わり、記録更新とはならなかった。
大会公式サイト: BMW Berlin-Marathon